プラスチックごみの量、日本は世界2位
世界のプラスチックの年間生産量は、過去50年間で20倍に拡大し、その年間生産量は約3億8000万トンで、全人類を合わせた体重に匹敵する重さだといいます。😱
日本国内に目を向けてみると、一人当たりのプラスチックごみの量はアメリカに次いで世界で二番目に多く、年間32kgに相当すると言われています。
「プラスチックはリサイクルされているのでは?」😮
と思った方もいるかもしれません。
たしかに、日本のプラスチックのリサイクル率は2017年時点で86%だと言われています。
ですが、この数字はサーマルリサイクル(熱利用や発電のために焼却するリサイクル)が大半を占めているため、単純にプラスチックゴミが別の商品に生まれ変わっているわけではないというカラクリがあります。
実は国際的にはサーマルリサイクルはリサイクルに含まれない!
リサイクルの手法には製品原料として再利用する【マテリアルリサイクル】と熱利用や発電のために焼却する【サーマルリサイクル】、化学分解した後プラスチック製品へ生まれ変わらせる【ケミカルリサイクル】があります。
サーマルリサイクルは「熱回収」「エネルギー回収」としてリサイクルとは別に扱われています。
日本のプラスチックリサイクル率86%のうち、ケミカルリサイクルはわずか4%。マテリアルリサイクルは23%であります。
他国と比べると、27%で日本はまだ低い水準です。
海外輸出が中心だった日本のリサイクル
実は、マテリアルリサイクル(製品原料として再利用するリサイクル)ですが、23%のうち15%は中国や東南アジアに輸出して処理されてきました。
ですが2017年12月末から中国が実地した「廃プラスチック輸入禁止措置」により、それまで中国に年間約150トンもの廃プラスチックを資源として輸出していた日本では処理しきれないプラスチックごみの量が増えているのです。
慌てた日本は、中国以外への輸出も進めましたが、2018年6月にタイでも廃プラスチックの輸入制限を強化する方針が示され、2021年からバーゼル条約の規制が強まり、国をまたぐプラスチックごみの移動が一段と厳しくなりました。
処理の多くを海外頼みにしてきた日本には、ツケが回ってきています。😰
輸出に頼ることができなくなったことで、日本で発生するプラスチックごみの量は、すでに処理能力の限界を超えているのです。
サーマルリサイクルは地球温暖化を促進させる
焼却によって発電と熱に利用するサーマルリサイクルは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素をたくさん出します。
日本では熱回収が主流であり、熱回収による処理をストップするわけにはいきませんが、中長期的にはプラスチックごみ処理の主流として熱回収を位置づけていくことは避けなければなりません。
プラスチックの使用を抑えることを基本としつつ、過度に代替品に頼らずに着実にリサイクルを推進していくことが、今後の日本の廃プラ処理には求められています。
最後に
プラスチックごみのリサイクルを中国に頼っていた日本だけではなく欧米も国内でリサイクルしきれないためにプラスチックごみの行き場を失ったのです。
自分たちの出したごみは、自分たちで処理しなければならないという「自国内処理の原則」に立ち返らなければならなくなりました。
根本的な解決としては、目の前から消えたごみの行方を考え、製品の購入や処理の仕方、再利用について私たちが意識を変えること。
そして、プラスチック製品の大量生産や大量消費を見直した生活スタイルを一人ひとりが心がけること大切です。