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内子町林業インターンシップ

ムラ暮らしインターン 小さな林業編(愛媛県・内子町

インターンシップの参加目的

私が今回このインターンシップに参加した理由は3つある。

1つ目は林業を実際に体験すること。
私は大学で森林科学を学んでおり,ある程度林業について知っている。
今まさに就活の上で、「森林・林業白書」をもとに勉強している。

ただ,座学だけでなく,実際に林家さんのもとで学ぶことでより林業について自身の知識を深めることができると思った。

2つ目は木質バイオマス発電に興味を持っていたから。
脱炭素が叫ばれる現在,再生可能エネルギーの促進が進められているが,気候変動に注力しすぎ,自然環境への影響が軽視されている。
太陽光や水力,風力や地熱等,現状の再エネ発電には自然への負の影響が少なからず存在する。自然の適切な管理と再生可能という両輪を備えた発電方法を促進することが森林大国である日本に重要であると私は考えている。

3つ目は純粋に愛媛県に行ってみたいと思ったから。
四国にもほとんど行ったことがないので,ぜひ四国に行ってみたい,愛媛に行ってみたいと思い,応募した。

内子町林業

内子町の林業、特に内子の中でも小田地区というところの林業についてお話を伺った。

お話ししてくださったのは内子町森林組合の小田支所代表の方。
林業をしている人を想像するとお爺さん、というイメージを持っていたのだが、その方は4,50代くらいの方で、少し驚いた。

内子の林業は思った以上に栄えており、林業の衰退が問題となっている日本の中では、若返りがうまく行っている地域に感じた。

それはなぜなのか。

それは間違いなく、代表の方の熱い気持ちがあるからだろう。
安定した収益を生み出す林業のあり方を明確に持っており、それを内子町で実現させようとする強い意志をヒシヒシと感じた。

現在はウッドショックにより木材価格は高騰しているが、これまではなかなか利益を生み出しづらい状況にあった。
それは木材を利用する側が、安定的に木材を供給してくれる取引相手を求めているからである。

日本の木材は、戦前から高度経済成長期に大幅に利用され、供給量が需要量に追いつかなくなっていった。
その結果安定的に手に入る外材に頼るようになってしまい、日本の林業が衰退するとともに木材価格は低下していった。

その現象を打開すべく、内子町では安定的な木材供給を目指している。
安定的な供給は顧客に対する信用につながり,木材価格,そして林業従事者の収入の安定につながる。

今後内子町での林業が活発に持続していくことを強く願うとともに,内子町の頑張りが日本全体に広がることに尽力したいと思わされた。

木質バイオマス発電所

私は現在就職活動中で,就職先の1つの候補として木質バイオマス発電所を考えている。

内子の発電所は製材として活用されない間伐材や枝,端材部分をペレットに加工し,活用している。
本来は山林内に捨てられていた部分を活用することで,木材を無駄なく利用できるとともに,山林内が整理され,作業効率の向上や下層植生の増加といったメリットが生まれる。

実際に発電所内を案内していただき,仕組みを説明していただいた。
発電所は計画時の半分のサイズだそうだが,思った以上に大掛かりとなっていた。

お話を聞いたところ,やはり木質バイオマス発電で儲けることはなかなか難しいようで,森林の適切な管理や木材の有効活用,エネルギーの地産地消といった地域貢献を大きな目的としている。

発電所の運営は最初の設備投資やペレットの質を高める技術等,ハードルが存在し,容易ではない。計画半ばで頓挫してしまう例も存在する。
今回,内子町での成功例を学ぶことができたことは,木質バイオマス発電に対する考え方を改めるきっかくとなるとともに,将来進む道の候補としてより大きな存在となった。

木工体験

木工とは、木材で工芸品を作ることである。

住宅等の木材に使えない部分に付加価値をつけて、林業従事者の収入にプラスを作ることができる。

今回、その木工を体験させていただいた。
教えてくださったのは、プロの木地師さん。



本当はコマを作ってみよう!という会だったのだが、、、
「コマじゃなくてもいいよ」という言葉が木地師さんからちょろっと出たことで、
我々体験者は自由気ままに作りたいものを提案した。

それでも木地師さんは一緒に作ってくださった!

これが完成したものです!
左の魚の箸置きは友達作成。
栗🌰は木地師さんが作ったもの。
そして、右のものが私の作ったもの!
何か分かるだろうか。

これは三色団子🍡!

これは色塗ったわけではない。
上から、山桜、柿の木、カヤの木。

木といっても、様々な色がある!
そして匂いも!
特にカヤの木はなんとシナモンのような香りがする。

玉の形を作るのは難しいらしいのだが、スピーディーにかつ正確にやっていただき、本当に綺麗にできた。

満足度MAX!

正直私は自分のことを不器用だと思っているので、工芸品には興味を示してこなかったが、
実際に一度体験させていただけで、技術的な壁は強く感じたが、自分の使う道具を自分で作ってみたいと思った。

木工の道具のロクロは中古で2万円ほどで買えるそうなので、
将来的に木で自分で食器等々を作ることができたら、楽しいだろうし、愛着も湧くだろう。

伝統工芸というのは、継承が問題となりやすいが、
もっと気軽に工芸品を捉えていいと思う。
継承しなければいけない、と身構えてしまうと、
強い意志を持っている人以外はなかなかとっつきにくい。

生活用品を作ってみよう、というレベルで楽しく、愛着の沸くものを作れるようなイベントがさらに増えるといいなぁと感じた。

自伐型林業とは

『自伐型林業(じばつがたりんぎょう)とは、採算性と環境保全を高い次元で両立する持続的森林経営です。参入障壁が非常に低く、幅広い就労を実現します。今、国土の7割を占める山林を活用する「地方創生の鍵」として期待され、全国各地で広がっています。』(自伐型林業推進協会)

自伐型林業推進協会の引用だけでは少し飲み込みづらいかもしれない。

逆に自伐型ではない林業の説明をすると分かりやすい。
一般的な林業は、森林所有者が企業や森林組合に経営・施業を委託し、委託された側は大規模な管理をすることが多い。

一方で自伐型林業は森林所有者が自ら経営・施業を行う、比較的小面積の林業である。
一般的な林業体とは異なり、大量の木材を定期的に供給するのではなく、
質の高い100歳以上の材を目指して、頻繁に間伐し、間伐材と高級材(大径材)を供給している。


どっちがいいの?という議論が存在する。
結論から述べると、どちらも良し悪しがある。

上の進行協会の画像は少々自伐型推しが出てしまっているので、ニュートラルに良し悪しを述べたい。


まず、一般的な林業。
自伐型と比較して"企業型林業"や"大規模(集約型)林業"と呼ばれることもある。

農山村での過疎化・高齢化が進む中で、林業の担い手問題は大きい。
なんと高齢化率は全産業平均の7.8倍(令和2年度森林・林業白書)。

この状況で森林を管理し、林業を衰退させないためには、林業従事者の増加政策だけでなく、林業の効率化を進める必要がある。

それが"大規模集約型林業"である。

所有者が細かく複雑に分かれている森林を委託により大面積にまとめ、高密度に路網を整備し、大型の高性能機械で施業を行う。
伐採方法は、育林段階で間伐も行うが、林齢50年(10齢級)ほどで皆伐を行う。

この手法は効率的で、木材価格が安い現代※でも収益が出しやすい。
また、安定的に一定量の木材を供給するすることができるため、顧客に対する信用にもつながる。
(※現在は一時的にウッドショックにより木材価格は高騰している。)

経営・施業の効率化により労働生産性は高くなることで、
必要な人工(にんく)が減少し、比較的高齢の方でも実施することができる。

ただ、もちろん欠点もある。

効率化を推し進めたことによって、自然環境に影響を及ぼすことがある。
太い林道を多く入れるほど、水源涵養機能の低下や、雨水が集まることによる土壌流出が進む。

上の写真は大きな林業機械が通れる作業道である。
(私の後ろ姿付き😊)
右側の法面(のりめん)を見れば明らかなように、
地面が分断され、森林が溜め込み、ゆっくり流していた地下水が地上に出てきてしまい、急速に流れていく要因となっている。
土壌保持力も低下し、崩れやすくもなる。

皆伐もまた、再造林が遅くなれば、水源涵養機能の低下や土壌流出を引き起こしやすくなる。

このように水源涵養機能の低下や土壌流出が引き起こされると何が起こるのか。

それは、自然にとっては栄養欠乏になり、
人にとっては災害の脅威となりうる。

水分を保持できず、土壌が流出するということは、植物が吸収する土壌中の水分や養分が流出するということである。

さらに、水が土壌に染み込まれず、急速に流れることで水害のリスクを高めることや、
土砂災害を引き起こす要因ともなりうる。

実際に、近年頻発する土砂災害は、森林の適切な管理がされないことが一つの大きな要因となっている。

このように、大規模集約型林業には、効率性という大きなメリットがあるとともに、
自然への負の影響や災害の要因となるリスクを持ち合わせている。


次に自伐型林業。

自伐型林業のいいところは、
自然環境への影響が小さいことと、
経営方針は自分次第で自由に変えることができることだ。

小さな林業機械が通ることのできる必要最小限の作業道を入れる。
また、皆伐は行わず、頻繁に間伐を行うため、下層植生が発達し、水源涵養機能や土壌保持力が向上する。

これは先に述べたことを踏まえると、自然環境保全や災害防備に資する手法だとわかる。

また、自伐型林業は所有者が自ら少人数で実施するため、経営方針や施業方法を自由に決め、柔軟に変更することができる。
当人ではないので憶測だが、やりがいは大きいように感じられる。

では逆に欠点はなんだろうか。

それはまさに大規模林業のメリット部分である。
効率性と収益性。
まさに裏返しだ。

小規模であるが故に、高性能な機械はなかなか導入することができない。
そうなるとやはり自身の身体をより多く動かすことになる。

労働生産性は大規模林業に比べてやはり小さい。
生産性が高くないとなれば、やはり収益性が問題となる。
面積が小さいからこそ、木一本一本を丁寧に育成することができるため、木材の価値を高め、お金を稼ぐ必要がある。

しかし、先にも述べたように、木材価格は低迷している。
さらに、木材で家を建てる時、壁紙を貼ることが当たり前となった現在では、節の有る無しや、木目の美しさなどが求められなくなってきていることから、
時代が違えば価値が高い木材も、その価値を評価してもらえなくなっている。

つまり、木材に付加価値をつけづらくなり、小規模で大きな収益を出すことはなかなか難しいのだ。

ウッドショックが落ち着き、木材価格が戻ってしまった時、自伐型林業をどう持続していくのか、
今まさに考えなければならない。

※参考までに、木材価格の推移(森林・林業白書)

自伐型林業体験

今回、私たちは自伐型林業を2日間だけ体験した。
体験内容は、間伐〜造材〜搬出〜運搬である。

初日は、間伐の見学、枝払い、造材・運搬・搬出の見学を行った。

自伐型林業での伐倒はもちろんチェーンソー。

倒す木を決める。
間伐というのは、質の良くない木を順番に伐っていく。
今回伐倒したのは、成長が悪かったり、曲がっていたり、そしてシカに皮を剥かれてしまったりしている木だ。
下の写真はシカに皮を剥がされてしまった木である🦌。ツノを研いだり、皮を食べたりするようだ。
こうなってしまうと、木材価値は大きく下がってしまう。

最近内子でもシカが増え、くくりわなもかけていた。

伐倒する木を選んだら、次は倒す方向を決める。
かかり木にならないように、そして人に危なくないように、方向を決めるのがポイント。
受け口、追い口の順番でサクサク伐っていく。
倒す方向をコントロールするためのツルを残し、ウィンチ付き自走集材機と滑車を用いてワイヤーで引っ張り、倒す。
下の写真。ワイヤー見えるかな。

倒れる時の、ミキミキミキ、ドッシーン!っという音が爽快!

ちなみに私が手伝ったのは、伐倒木にワイヤーを括るだけ。
梯子に登って、なるべく上の方に括る。

ちなみにこれが、梯子に登ってワイヤーを括っている時の私。
くくった部分はこんな感じ

次に倒した木を造材していく。
造材の最初のステップは枝払い。
伐倒木の上の方にはまだまだ枝が残っているので、木材にするためにはそれを取り除く必要がある。

林家さんはチェーンソーでバシバシ払っていったが、我々は少し原始的な方法で払っていった。

これでカンカン、斧のような感じで枝を払った。
ミスしてスネにぶつかったら、と思うとヒヤヒヤ。
ちなみに一本、この柄の部分をへし折ってしまった😅

この後は玉切り。
これはチェーンソーで3m、4mと、その時に最も高く売れる長さで玉切りする。

玉切りした丸太をウィンチを用いて自走集材機に積んでいく。

集材機に積み終わったら、搬送トラックが来られる林道まで、集材機で運搬する。

こんな感じで運転させてもらったり!
凸凹道でもお構いなし。
本当は免許いると思うけど、私有地だからセーフ😊

前に搬出した丸太が積んであった。
ここに追加で積んでいく。

集材機からトビを使って転がし、積み上げていく。
丸太とても重たい。後ろは斜面。
細心の注意を払いながら、力強く積み上げていく。

私も少しだけやらせてもらった。
木材を一人で手で動かすことはほぼできない。
しかし、トビを使うと少しの力で動かせる。
先人の知恵は素晴らしいなぁ。

綺麗に積み上げたら、運送トラックが来てくれた。
男前の運転手✨(見えない。。。)

このトラックがすごい。

このように積んでいく。
まるで積み木をやっているよう。
細かい動きはできないように見えるかもしれないが、男前運転手の操作がとても上手いこともあり、想像つかないくらい丁寧に、綺麗に積んでいく。
完成図はこちら!

1番右の列を見てほしい。
上から下まで真っ直ぐ並んでいることがわかるだろう。
これは、トラックにより多く積めるように工夫しているポイントである。
普通、丸太が真っ直ぐ上に積めないことは想像つくだろう。
それをあの大きなグラップルで実現させているのだ。
顔も身体も、そしてやることも男前✨

ちなみに私たちも乗せてもらった😏

これが、見せてもらった一通りのお仕事である。

そして次の日。
他の班の人たちが他の現場でチェーンソーを使わせてもらった、ということを聞きつけ、我々も使ってみたい、と言うと、なんとOKが出た。

それもなんと、伐倒をさせてもらった!

チェーンソーは重く、横向きで使うのは、なかなか難しく感じたが、倒れた時のドッシーン!という音はとても気持ちいい。
結局私は3本、2人合わせて5本チェーンソーで伐倒させてもらった😤

その後は造材も少しだけやらせてもらった。

これが難しい。
真っ直ぐ綺麗に丸太にするのがこんなに難しいとは思わなかった。

この造材の切り跡が綺麗でないだけで、木材の価値は下がってしまうそう。シビア😱

このように、実際に自伐型林業の一部を体験させていただくことで、大規模林業とは違う、自伐型林業ならではの大変さと、楽しさを感じることができた。

やっぱり身体を動かす割合が多い。
木に登ったり、自ら伐ったり、丸太を引っ張ったり、坂を登ったりと、とにかく肉体仕事。
70歳のおじいちゃんが毎日こんな仕事をしていると思うと、本当にすごい。

大変そうだけれど、楽しかった。
身体を動かすこと、初めての体験、自伐型林業の大変さを知ることができて楽しいのだ。


あと忘れてはいけないのが、おしゃべり。

こんな感じでお菓子タイムがある。
それも、お昼ご飯とは別に、午前午後どっちも!

こういう時間に林家さん(梅岡さん)のお話が聞ける。

このお仕事の良さ。
まず、山の中で1人だけ、という自然に包まれた状態がとても気持ちいい。
梅岡さんはよくお昼寝をするそう。絶対に幸せ。

自伐型林業の良さ、というのは、やっぱり自分で決めれることだそう。
他者に縛られることなく、自分の目指す林業のかたちを追い求めることができる。

逆にこのお仕事の大変さも教えてくれた。
一つはお金。
ウッドショックのお話をしてきたが、今、高く売れるから、今たくさん伐っている。
裏返せば、近年は木材価格が低く、なかなか収入を得られない。これは梅岡さんも同じだった。

収入を得るために、木地師も同時にやっているのが実情。

前の章で述べたように、ウッドショックが落ち着いたあと、梅岡さんたちがどのように生き残っていけるのだろうか。
今の林業の方針は「効率化」。
効率化はもちろん大切だが、
自然環境にもいい自伐型林業で頑張っている方々をいかに応援していくのか、

行政が支援しなくて誰がするのか。

私の志望する仕事の一つに林野庁がある。
もし林野庁に入ることができたならば、この課題にぜひ取り組みたいと、強く感じた。


今回の体験では、自伐型林業の楽しさ、大変さ、そして課題を感じることができた。
こんなチャンス、味痩せるのは一握りの人だろう。

「役人は現場を知らない」
そんなことを言わせない、現場を知り、頑張られている方々の声に寄り添える存在になりたい。

自然の魅力

内子の自然はとても魅力的。
自然好きには最高の場所だ。

森林率はなんと78%!

もちろん、人工林もあり、原生林が広がっているわけではない。
それでも、自然豊かな天然林が広がっている。

小田深山と呼ばれるところに、遊歩道があり、
自然に包まれながらハイキングができる。

少し肌寒い季節になってきていなので、昆虫とか、動物にたくさん出会えたわけではないが、
自然景観がとても美しく、とても気持ちよかった。

例えばこんなのはどうだろう。

自然好きにはたまらない😆

植物は多種多様で、一緒に歩いた仲間たちと、
これはなんだろう、とか、これかわいい!とか
すっごい楽しいお散歩になった。

道中には、

洞窟も!?
以前、地元の大学生が中を体験したそう。
入ってみたかった〜

こんな木も!?
この木の樹種なんでしょう。

答えは、なんと!ヒノキ!
針葉樹も、生える場所によって、生き延びるためにこんな形になってしまうこともあるのだ。

美しい森と水

遊歩道の橋もいい。
人と自然の接点を生み出している。

あと、小田深山の観光スポット。
カラフルな石!

とても綺麗。

ここで、裸足で川の中に入ってみた。
とっても冷たい。
10秒が限界🥶

自然に全身で包まれる。
最高だ。

他見つけた写真を少しだけ乗っけておこう。


人と自然の共生もまた美しい。

瓦屋根と田んぼと自然の調和。

正直こういったところに脱炭素を盾にしたソーラーパネルの設置はやめてほしいと思った。
景観にそぐわない。

内子の自然が魅力ある状態で維持されることを強く願う。

内子町の最大の魅力

内子町の魅力は自然だけではない。
街並み、古民家、お酒などなどあるが、
内子町の最大の魅力はやはり、

“町民の温かさ”

まず、私が内子町についたとき、集合時間まで2時間程度時間があった。
せっかくなら散策したり、有名なご飯屋さんに入ろうと思い、街を歩いていた。

そうすると、すれ違った3人くらいの中学生が急に私に対して
「こんにちはー!」
と言ったのだ。

最初は、自分に言っているとは思わなかった。
なぜなら、自分はスーツケースをゴロゴロ転がしており、
その子たちと知り合いでないことはお互いに明らかだと思ったからである。

周りに自分以外いないことから、
自分に対して挨拶しているのだと気づき、とっさに挨拶を返した。
「こんにちは」
明らかにその中学生たちより声が小さい。

その子たちだけではない。
すれ違う地元の方皆さんが私に挨拶をしてくれる。

とても驚いた。

ずっと都会に暮らしてきた私の日常生活で、
知らない人に挨拶するという習慣はまずない。

登山中にすれ違う人と挨拶するという習慣は自分にもある。
でも内子町は平地だ。

みなさんは通学・通勤・散歩のときに、すれ違った人や家の前にいる人みんなに挨拶をするだろうか。

私はしないし、されない。
偶然仲良い知り合いに会えば、するが、それ以外はしようと思ったことがない。

内子町では、あいさつだけでなく、
「若いのに散歩か?」「どこに泊まっているんだ?」といったように話しかけてくれる。
お店に入れば、30分くらい喋りが始まる。

実際に酒屋のおばちゃんには訪れては30分くらい喋るというのを繰り返したので、しっかり覚えてくれた。

つまり、内子町は人と人の距離がとても近い。
そしてさらにすごいのは、地元の人も、外から来た人も関係ない、ということである。

知り合いだけでなく、初対面の人とも友達のように接する町の人々の存在は、私たちにとってとても居心地の良いものだった。

よく田舎は排他的で、地元民とよそものへの対応を変え、よそものをあまり好ましく思わない、というイメージを持つ人がいる。
村八分という言葉もよく使われる。

実際そういう地域もあるのかもしれないが、
内子町はとても入り込みやすい町で、
田舎への移住を考えている人にはとてもオススメしたい町である。

子供の頃から内子町に暮らしている人やUターンで戻ってきた人、外から入ってきた人みんなが家族のようである。

旅館の女将さんも我々を孫のように扱ってくれて、
とても楽しい一週間にしてくださった。

人と関わるということは、大変なことももちろんあるとは思うが、
生活の充実度をとても高めることができる。

移住におすすめという話をしたが、
現状、人口減少は進み続けている。

内子町の良さを広く伝え、
田舎への移住をしたいと考えている人や
内子町を盛り上げたいと思っている人を応援できるような存在になれたらな、と考えている。

まとめ

内子町での一週間はとても充実したものになった。
内子町の良さを知るとともに、

今回の経験は、今後自分が進んでいく道について、
考える上での重要な材料になったと思う。

私たちの体験が広報誌に取り上げられているので、
詳しく見て見たい方は是非👇🏻
広報誌

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