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都市と地方の接続システム

Ⅰ都市と地方の関係の希薄さ

都会と田舎どちらに住みたいですか?

都会と田舎、あなたはどちらに住みたいですか?

わたしはずーっと田舎に住みたいと思って来た。
それはおそらく、生まれてから一度も田舎で暮らしたことがなく、田舎暮らしへの強い憧れがあるからだろう。

一方で田舎暮らしの私の知り合いは、しきりに都会で暮らしたいと言う。

同じような考えを持っている人はたくさんいるのではないだろうか。

自分の知らない世界には強い憧れを持つもの。

ただ、そういった憧れだけで移住をすると、理想と現実のギャップに挫けてしまうかもしれない。

互いの世界に触れる機会が少なく、現実を知らないから。

都会と地方の関係の希薄さがもたらす結果である。

顔の見えない関係

都会に閉じこもってきた私からすると、田舎はまさに異世界。

いつも食べている野菜とかを作っているんだろうな、とぼんやりと想像する。

野菜は、どんな人が作っているのか、どのように作っているのか、それは楽しいのか、大変なのか、全くわからない。

だから野菜の価値を、スーパーの値段でしか測ることができない。
その価値に、誰が作ったのか、どれくらいの手間がかかっているのか、といった要素は入ってこない。

逆に生産者は、自分の作ったものをどんな人が食べていて、どんなふうに食べられているのか知らない。
これまで生産してきたものを引き続き生産する。
新たな販路を見つけようにも、情報が少ないために大変な労力を要する。

これも都会と地方の関係の希薄さを示している。

Ⅱ既存の仕組み

これまでも都会と田舎を繋げる方策はとられてきた。

例えば、姉妹都市や、地域おこし協力隊、ふるさと納税など。

姉妹都市は、2つの都市を繋げる良い取り組みであるが、行政上の付き合いでとどまり、市民がつながりを感じることは少ない。

地域おこし協力隊は、都会で培った能力を地方で活かす素晴らしい仕組み。
ふるさと納税は、経済及び物品で都会と田舎を繋げている。

ただ、地域おこし協力隊はやる気のある一部の人が取り組む制度であり、
ふるさと納税については、お金はめぐれど、なかなか人はめぐらない。

誰もが気軽に、都会に、田舎に行こうと思える仕組みを作る必要がある。

Ⅲ新たなシステムの提案

都会と田舎をつなぐ画期的な仕組みとして、「パートナーシップ制度」を構築すべきだと考える。

このパートナーシップ制度とは、都会の一つの市区町と、田舎の地域・市町村がパートナーを組み、あらゆる分野において連携するものである。

例えば、
教育面においては、林間学校や社会科見学でお互いの地域に訪問し、部活動においても合宿などで連携。

観光面では、住所を証明することでお互いの地域でお得に観光できる仕組みや、

経済面では、需要と供給の関係を推進し、企業同士がマッチングしやすい仕組みを構築。

これらによって2地域の関係性を深め、win-winな関係を構築する。

都会側のメリットとしては、気軽に遊びに行ける田舎を得ることにより、自然を身近に感じることや、合宿、林間学校、テレワーク等の場所を永続的に心配する必要がなくなる。
自然に触れることは、子どもにとっては教育的に、大人にとっては疲れを癒すという面で、大変効果がある。

田舎側のメリットとしては、社会科見学先になることや、生産物の販路拡大の目処のつけやすさ、都会からの人材の獲得、などがある。

このように、子供の頃から特定の2つの環境を行き来することで、2つの地域への愛着が湧くとともに、
一つの地域にとどまっていては気づけない、お互いの地域の魅力に気づくことができる。

新たなシステムの構築へ

このパートナーシップを構築するためには、官民の協力が必須である。

まずは官である自治体がパートナーとなる地域を見つけ、どのように連携していくか、決めていく必要がある。

パートナーの決め方は様々あるだろう。
例えば、すでに述べた、姉妹都市から選択する、
他の行政上の繋がりや、歴史上のつながり、
はたまた、住民投票で決めても良いかもしれない。

連携していく段階では、参入障壁を小さくするために、官が土台を作りながらも、
民間企業やメディアが積極的に参入し、お互いの地域の関係をより濃いものとしていくことが望ましい。

Ⅳ望ましい形へ

パートナーシップを作り、官民ともに2地域で連携することによって、
企業の交流に乗じて、人々の交流が活性化することを期待する。

社会出るまでは、互いの地域を行き来することで、豊かな感性と、多様な経験を身につけ、社会に求められる人材へと成長する。

社会に出てからも2つの地域に親近感を持ち、さらに第二の故郷のような存在になることを期待する。
そうして、積極的に2つの地域で経済を回し、ときには心の拠り所として、
生涯において関わっていく地域としたい。

おまけ

つらつらと私の想いを書いたが、私はこのシステムには日本の未来を変える力があると思っている。

地方ではさらに人口が減少し、より都市に人口や経済が集中していく。
生涯を都会で過ごす人もより一層多くなることが予想される。

しかし、都会だけで我が国を完璧に回すことができないし、人材の多様性は必ず低下してしまう。

我が国を再び活性化させるためには、都会と田舎の関係を濃くすることは絶対に必要になる。
やりようによっては、アメリカや中国を超え、世界一の国になることも可能だと考えている。

そのために、ふんわりと施策を打つのではなく、パートナーシップという形で明確に枠組みを作り、
都会と田舎を強力にかき混ぜていく必要がある。

以上、まだまだ浅はかな考えなので、これからも様々な意見、経験を得ながら、何がこの国にとって良いのか、考え続けていきたい。

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