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【RX&Co川内一史】東北シクロクロス 福島空港ラウンド 2024.3.3 ME3

空港の滑走路を飛び立つ飛行機を見る暇もなく キャンバーと登り急勾配に苦しめられる東北CXらしいダイナミックで楽しいコースです。べちゃ雪が木曜から金曜に降り、朝の気温が氷点下の予報で氷と泥は確定のようです。

注意:平面図に騙されてはいけません 2階建てです
写真:石川さん 真横を旅客機が飛び交う

準備

(※この項目はレース後では無く、練習中に頭を整理するために書いているので内容がウロウロしています)
 フィジカルの弱さをテクニックで補える数少ないコース(個人的な印象)なので、練習はタイヤをずらさず転がす練習をしました 具体的には砂浜を(グルグルしたり真っすぐ)走るだけですが。不整地ではタイヤがズレる事が大きなロスになってる事が実感できました(力を入れる程減速するイメージ)。解決には色々な方法が有るようですが ‟ズレない” ための楽な方法を探しました。砂でも泥でも雪や氷でもタイヤが無理せず転がっていればズレにくくコントロール不能になりません(前提条件)。ズレる原因の‟変化する要因”を大きく分ければ①速度②路面③荷重量でしょうか。
①速度:勾配変化やペダリング、ブレーキ操作
②路面:柔らかさ、凹凸、摩擦係数
③荷重量:タイヤの埋まる量、荷重ベクトル、慣性(路面が荷重でズレる前に転がって逃げる)
昨シーズン茨城CX最終戦 泥の涸沼の朝の試走でスドーマンさんと牛さん(Ready Go JAPAN 成田)の「泥の下りキャンバー」を見ていました、叫ぶ牛さんに冷静にポイント指示をするスドーマンさん、といういつもの構図ですがとても勉強になっています
スドーマンさん:「ブレーキかけずに真っすぐ降りれば乗れるよ」
牛さん:「止まれないじゃん」
スドーマンさん:「あそこで降りればいい」
このやりとりは衝撃的でした!タイヤはズレずに無理なく転がっていればノーコンにならないし、タイヤだけで減速出来なければ降車して足で止まる場所を探せばいい。(タイヤ+足の=4か所接地)
頭でイメージできたものの、試してみると‟ズレずに転がる”、不安定な路面で降車してバランスを維持するのは練習しないと出来ませんでした。
 砂浜では上死点でペダルを強く踏むとタイヤがめり込む傾向です、ペダル1周の間に強弱変化が無いとズレにくいですが、加速側のズレの他に左右にもタイヤがズレて減速します(砂浜では海側が低いので重力に垂直に走れば路面に斜めっている事になります)路面の僅かな起伏がきっかけでズレてしまいます。

丘の上と下を行き来するレイアウト

前日試走

昼12時に会場に到着して、車を駐車しようと思ったら泥に捕まりスタックしました、見ていたスタッフの方々が押してくれて脱出(ありがとうございました)早々に泥の洗礼を受けました。(過去にもここで奥様が1回やっています)
 今回のコースはキャンバーが更に増え、泥のストレートも折り返して長く設定されていました。折り返しでは減速を余儀なくされ、続くストレートが深めの泥で惰性も使えず体力を奪われます。Kuniiキャンバーは相変わらずの極悪ぶりを維持していて、試走では上のラインを片足ケンケンで(ペダリングすると斜面にペダルヒットする)転がす人が8~9割です、下のラインは凹凸が激しく轍が育たず乗車でクリアする人が居ない状況です。試走はシューズのスタッズ(スパイクピン)が打てないタイプを使っていたので斜面はズリズリで歩けません。上のラインを6割くらい進み斜面の真ん中を少し下る様に脱線して惰性で登ったところで降車する(曲がらず真っすぐ走行するだけ)のが現実的な選択だと思い試しますが、右が高い斜面は右足を着いてしまうので、ぎこちない降車(左ビンディングが外しにくい)となっていまいます。(解決できないまま放置しましたが、左足土踏まずペダルを試せばよかった)
 次に高速コーナーからの登り(踏める場所の確認)や、泥の下り直後のターン(曲がれる場所の確認)を確認して、バリア直後のコブを練習しました。先シーズンバリア後のコブは「土踏まずペダル」でクリア出来ましたが、今回は泥の影響か?乗車でクリア出来ません(惰性がついた状態で飛び乗り、ペダリングが出来ればクリア出来そうですが、助走区間が無く、すぐに登りになるので0発信に近く、軽いギアにすると泥で後輪がスリップし登り切れない状況でした)降車のまま走って登り、下りで跨ぎ次の登りを惰性+ペダリングで加速する練習を繰り返していると2時間の試走時間が終了しました。
 試走後に高圧洗浄機で泥を落としていると、拭き取る間もなくすぐに水滴が凍り始め、駆動部の各所ギア部に絡まった草と泥がそのまま凍ってしまいメンテナンスが出来ない状態となりました!(翌朝分解清掃しました)福島空港恐るべし。

レース

朝の試走は、気温マイナス4℃(風は無し)で前日試走で出来た轍が全てガチガチに凍っています。轍にタイヤを嵌めるとハンドルを取られ戻って来ないので落車しそうになり、轍に逆らって走るとリム打ちするレベルです。kuniiキャンバーは凍っているけど、ザラザラに凍っているので(以前ツルツルに凍って滑り落ちた事あり)グリップは悪くありません。ME3のレースは2レース目なので、試走1時間+ME4&MM50,60レース30分でどのくらい気温が上がり溶けて泥になるのかを考えると現状態のクリア練習よりも全体のレイアウトをおさらいするくらいのほうが良さそうと考え1周にしました。

機材:CRUX2020 Di2 タイヤIRCシラク チューブレスレディ タイヤ空気圧:前後1.5bar インサート(前輪:ビットリア、後輪:IRC)(後輪:進行方向逆付け)
ピットエリア:予備車 BH RXteam R8000 タイヤIRCシラク チューブレスレディ 前後1.5bar インサート(後輪:ビットリア)

写真:あべまさん
写真:石川さん ペダルキャッチミス!

 スタート位置はゼッケン2番/13名でストレートの真ん中に有った水溜まりが凍っていたので草の残る左から2番目(左は1番の煙山選手(福島CTC))に入りました。
 号砲でスタートするも、ペダルキャッチを大きくミスして置いていかれ気味でターン1へ入りました、kuniiキャンバーまでのクネクネエリアは轍の氷が表面だけ溶け始めて泥っぽくなっている部分が多い感じでしたが、タイヤが滑っても転ぶ感じには思わなかったので全力で行ったところ他の選手より速かったようで(サドルに座らない事で上下動のロスを軽減したのが良かった?)4位くらいまで順位を上げられました。

写真:あべまさん クリートキャッチをミスし最後尾へ

kuniiキャンバーに5位くらいで入るのを目標にしていたので良い感じでしたが、欲が出て前のめりにキャンバーに入り上のライン轍から雪崩れ落ちてしまいました、一度落ち着いて上のラインに戻るも、焦りは解消されず再び滑落。降車してもRUNも靴が滑り(後で確認したらスパイクピンが1本脱落していた)3回くらい滑り落ちた気がします、次の斜面を下る時には最後尾あたりになっていました。

写真:あべまさん 先頭が捕まえられるくらいまで順位を回復したが・・
写真:あべまさん kuniiキャンバーに手こずって再び最後尾へ
写真:石川さん 忍者返しで疲労の絶頂中


下りの泥のストレートは他の選手より早い(砂のずらさず転がす練習のおかげ?)のが解っていたので、ここで2人パスしましたが、折り返しのコーナーで減速しシフトを軽くするとリアディレーラーが‟ガシャガシャガシャガシャ”しっぱなしになり、全くギアが噛んでくれません(キャンバーで滑落した時にディレーラーハンガーを曲げてしまった)かろうじて重いギアだけは噛み合ってくれたのでアウターギア付近だけで力任せに踏むしか無くなってしまいました。再び最後尾に落ちバリアで奥様に「メカトラ―」と声を掛けて1周目最後の登りで応援してくれていた目時選手に「メカトラ」と言うと、ピットに飛んで行ってくれて、ピットに入ると予備車を持って待ち構えていてくれました、力任せに踏みまくって登って来たので息も絶え絶えにお礼を言い(聞き取れなかったかも、ありがとうございました!)再び2人捕まえてゴールしました。

結果

11位/13人出走(84%)AjoccPt:12pt/ME3
ラップタイム:①12:06 ②11:46 (+4:08)

写真:あべまさん
写真:石川さん 予備車に乗り換えて奮闘中

考察

昨シーズン(3回目の参戦)C4から昇格したコースですが、初参戦でkuniiキャンバーでシューズのBOAダイヤル破損し靴パカパカで完走 2回目STIレバーがキャンバーに刺さって折れアウターで完走というメカトラ続きで今回も凶暴なキャンバーの餌食となってしまいました。
今回の脱線滑落の原因はハンドル荷重ですが、前日試走で「後輪を轍に乗せる意識」と「前輪に荷重し過ぎない」を出来ていたのにレースでは全く出来なかった事が問題で、他にも姿勢の意識も抜け落ちていました。根本的にはレースで焦っている事が原因であり、呼吸が苦しい状態で、筋力の低下に伴って動きが遅れてしまう事も原因として有ると思います。
 ‟苦しく辛い練習”を良いとは思いませんが、効率よく「条件反射」のように体を使えるようになるための方法を考える必要が有る様に思います。普段の通勤や練習に組み込んで「知らない間に練習になっている」機会を増やせるように習慣を変えたいと思います。
レースを観戦していて気が付いた事:バリア直後のコブを降車で登った後にリマウントをする場面で①下り斜面に前輪を落としながら乗る選手と、②ターンの真ん中の自転車が水平になったタイミングで乗る選手が居ました、後の下り斜面の有効利用を考えると②が有効です(飛ぶときに自転車が斜面上側になるので乗車しにくい)斜面でのリマウントを練習したいと思います。

写真:石川さん
写真:石川さん

シューズの修理

泥のキャンバーにスタッズ(スパイクピン)を使用しましたが、レース中キャンバーで降車すると靴がスリップして登れませんでした、レース終了後確認してみるとスパイクピンが一つ無くなっていました。「スパナで確実に取り付けたのに不思議だ」と思って見てみるとシューズ側の取り付けられるネジ穴(ナット?)ごとモゲて無くなっていました。

ネジ穴ごと取れた!

そこで修理しました。
構造の確認
底から細めのマイナスドライバーを突っ込みシューズのインソール下の生地?を押し上げるように剥がす(部分的に)生地は接着剤で貼ってるだけのようで強めにドライバーで底側から押すとビリビリ剥がれました。ナットが有ったような痕跡が有り空間が空いているのを確認。

部品調達
ナット代替部品をネットで検索(再びモゲないように引っかかりのあるものを物色)

購入品

「T型溶接ナット 2B M5 P無ダボ無 スチール」が引っかかりが有り抜けなささそうでネジサイズもM5があったので調達し、隙間の空間を埋めつつナットを固定接着するためにエポキシパテも購入しました。

作業方法
①底から棒を差し込んで(ネジ穴が埋まらないように、割りばしを削って使用)エポキシパテを靴内部側から抜けた空間に埋め込む
②棒を抜き、代わりに長めの針金を底から差し込みガイドにしてT型溶接ナットを穴に位置を合わせながらセットする
③底からスパイクピンをT型溶接ナットにねじ込み位置を微調整したまま固定し、エポキシが固まるまで放置。
④インソール下の剥がした生地を再接着し補修終了。
強度的にも問題無く使用できそうです。


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