【RX&Co川内一史】シクロクロス千葉 2024.2.4 ME3
都心に近い千葉県ポートタワー(砂4連戦の2戦目)がシンボルで日本初の人工海浜「稲毛の浜」を抱える千葉ポートパークで開催される”砂の苦しさ”が味わえる人気のシクロクロスレースです。
準備
大洗CXの砂で撃沈し、砂を走る方法を探していると2つの興味深い記事が目に留まりました。
----ここから----
<その1>
沢田時選手(宇都宮ブリッツエン)が書かれているnote「2021年シクロクロス世界選手権を観た感じたこと」で書かれている
「僕は砂を乗車していくためのポイントは大きく3つあると思っていて、
ひとつは轍をトレースする技術、
2つ目は重心の掛け方、
3つ目は砂区間に突っ込むスピードです。」
<その2>
轍屋(自転車店)の「シクロクロス東京レポート」2013年2月のブログに書かれている
「砂地の乗車方法は大きく2つに別れる(と思う)。
ひとつは大きなトルクで砂を巻き上げながら進む方法。
もうひとつは、とにかく後輪荷重にして、前輪が砂の凹凸に引っかからないようにする方法。
いずれに共通するのは、きちんとキレイにペダルを回すということだ。
クランクが1回転する間にトルクのばらつきがあると後輪が無駄に空転してしまったり、左右にバイクがぶれてしまって前輪が砂で切れ込んでしまう。
大トルクで回せれば速いのだろうけれど、残念ながらそんなパフォーマンスは持ち合わせていないので、上ハンを持って後輪荷重でヘコヘコと進んでいく。
それでもバイクを降りて押したり担いだりしているよりは疲れにくいんですよね、ランの練習をしていない人にとっては。」
-----ここまで-----
大洗CXの2周目に乗車をしてみて偶然気付いた事は、「轍をトレース出来ると楽に走れる」です。今まで轍を使うと良いとは聞いていましたが、試してもグネグネの轍だったり、真っすぐな轍を真っ直ぐ走れなかたっりと、楽な印象よりも難しい印象が上回って練習しようとは思わなかったのですが、レース中で必死だったからか、偶然にも綺麗に轍に乗れてしまい「楽」を体験出来てしまいました。
という事で、通勤練で砂の轍をトレースする練習をしました。最初は方法が解らず自転車が傾くように(コーナーを曲がるように)動いて居ましたが、自転車を動かすと轍の壁に当たり減速してしまいます、youtubeで上手な選手を見ると自転車は動かず上半身がヒョコヒョコと左右に動いてバランスがとれていましたのでやってみようと、ひたすらヒョコヒョコしていると、少しはトレース出来るイメージが出来ましたがここで時間切れ、舗装路などでも練習は出来そうなので継続して試してみる事にしました。
前日スタッフ試走
千葉CXのボランティアに応募して、前日にコース確認の試走を行いました。偶然にも砂浜エリアの作業だったので杭打ちやテープ張り、漂流物の掃除を行いましたが最も大変だったのは、砂浜の草の掃除でした。事前にコース部分だけ重機のパワーショベルで掘り返して頂いていましたが、穴ぼこだらけで長い草がリアディレーラー(変速機)に絡まりメカトラブルを発生させる状況だったので、熊手やレーキを使い絡みつきそうな草を取り除く作業を行いました、これが重労働で握力や腕力が消耗して翌日は筋肉痛になるレベルでした。
草を取っていて気が付いたのは、お台場の砂と比べると草の根が下にあるためか?掘っていくほど締まった砂ということです。
これは走れる砂かも?と整備後に試走してみると、ほぼ乗車出来てしまいました。しかし大洗の試走の経験から、多くの自転車で耕すとフカフカになって走れない事を前提にしながらラインを考えていきました。
自分で杭を打つと走行ラインは予測出来て、複数のラインが選べるように杭の位置を決めたので、想定ラインを何本か走って試走を終えました。
レース
深夜から1mm/h程度の雨が昼過ぎまで降り続く天気予報は当たり、雨の中で朝の試走を行いました。気温は5~6℃で風も気にならないレベルです。砂エリアは少し雨で砂が纏わりつく感じがあるものの、量が多くないためか前日に近い状態でした。「芝エリアが水溜まりになると嫌だな」と確認しましたが溜まる程ではないようです。
ME3は4番目のレースで10:30スタートです。1レース目が始まる頃には気温が下がって震えるくらいの体感になりました。
ウエアは「蔵王さまCX」の経験を活かして薄いレインコートをジャージの下に着ましたが、招集が始まる頃には雨が上がりはじめて曇りに近い天候となりました。
機材:CRUX2020 Di2 タイヤIRCシラク チューブレスレディ タイヤ空気圧:前1.30bar 後1.35bar インサート(前輪:ビットリア、後輪:IRC)(後輪:進行方向逆付け)
ピットエリア:予備車 BH RXteam R8000 タイヤIRCシラク チューブレスレディ 前後1.35bar インサート(後輪:ビットリア)
14番ゼッケンは8列並びの2列目でほぼ中央に並びました。コースを大きく分けると①丘を2回登り、②コーナー群に高さ35cmに新設されたバリアがあり、林を抜けて③砂浜へ出て行き、④根っこの林道で戻って来るレイアウトです。1コーナーイン側は丘が低く勾配が緩いので左に並びたかったのですが同じ事を考えるようで左から埋まっていました。
号砲で荷重&ペダルキャッチっと思ったところ、前の選手がスタートミスし突っ込むのを回避したら両足のビンディングが外れトップチューブに跨る状態になって焦りました。ほぼ最後尾か?と後ろを見たらまだ4~5人居ましたがかなり思惑と違う展開だなーと。
これも経験と、考えを改め焦らずに周囲に同調する事として、砂エリアで順位を上げられるように呼吸を整えながら走りました。
砂エリア突入は下りスロープで始まります、スロープで加速すれば一つ目のコーナー奥まで惰性で進めて、波打ち際まで砂に埋まらずに走れば砂の折り返しまでは体力を温存出来ます(出来るはずです)。だったのですが、スロープ先のコーナー入口でもたつく選手が・・回避しようと減速しないギリギリでかわそうとしたら横向きになって落車されたので突っ込まないように落車レベルの降車・・・思惑は外れ波打ち際までRUNすることに。1週目で2回悪いポジションに着いちゃいまして、砂エリア挽回作戦も失敗に終わり、「後は淡々とミスなく走り砂エリアのフル乗車を目指すか」と思いながら走っていると、砂エリアの凹凸で前輪を轍に跳ね返され落車しました。その後も林の根っこのターンで根っこに後輪を乗せてしまいツルンと落車し、ミスの多いレースとなってしまいました。
結果
51位/58人出走(87%)AjoccPt:1pt/ME3
ラップタイム:①7:40 ②7:38 ③7:38 ④7:15 (+4:52)
考察
良くないレースをしました。①ミスが多すぎる(スタートのもたつき、砂エリアの前走車のパッシング、砂凹凸でのポジション移動、後輪で根っこを避ける精度)②登坂は練習で出来ていたペダリングもポジションも出来ていなかった。
スタートはペダルキャッチミスの恐怖心がまだ抜けない事が根底にあるので恐怖心が減るまで繰り返し練習するしかないように思います。前走車を抜くのが下手なのは目線の問題が多いと思います、周囲が把握出来ていない(見ているつもりでもぼんやり見すぎている)目線が近い、自転車や路面の扱いが無意識に出来ないと操作に気を取られて状況を掴み切れていないような気がするので解決策を考えようと思います。砂の凹凸で落車したのは重心移動が遅いのが原因なので、自転車だけを先に落とす動作が咄嗟に出来る事が解決になると思います。根っこで落車したのは後輪の意識が抜けていたからで、後輪軌道を正確に把握出来ないと難しいです。(追記2024.2.9:根っ子は滑りやすいのが予想出来るはずなので、リカバリー用に左足出してないのが駄目でした、ビビりながら走るより確実でミスの減らせる判断が出来ないと伸びないです)
今回の砂2戦目での収穫もありました、今まで砂で路面とタイヤがズレると失速する感じがわかりつつ、後輪荷重に頼って練習していたましたが、通勤練でタイヤ空気圧を色々変化させ同じ砂を比較して走ってみると、一定の空気圧以下で明確に走り易い事が確認出来ました。但し低圧で走るにはグリップの良いコーナーで‟げっぷ”させないとか、リム打ちに注意するとか色々な技術を合わせて使う必要があるので、特に雑な操作で問題が出ないように注意が必要そうです。今回は1.2barまで試し、1.3~1.35barで出走したことで、低圧での芝エリアや根っこのシングルトラック的な場所も考えて走ればチューブレス低圧でも応用が利きそうな事が解ったのは新たな伸びしろの発見だと思います。
二色の浜 砂2連戦でどれだけ成果が残せるか楽しみになりました。
追記2024.3.28 <上半身をヒョコヒョコさせて轍をトレースについて>
上半身の移動タイミングと実際に自転車が反応するタイミングにタイムラグが有り、予想以上に大きい。砂浜練で轍をトレースするには目線を先に送り事前に動かないと間に合わない。
追記2024.4.3<続・上半身の動きについて>
上半身の移動と自転車の挙動にタイムラグが思った以上に有る事について、砂浜の轍だけの現象なのか舗装路でも同じなのか試してみた。
結果:舗装路でもタイムラグが同じくらい有る。
これを受けて集団走行の‟ふらつき”を考えてみた。後ろを気にして振り返るライダーはふらつきやすい印象ですが、振り返り動作が上半身の移動動作と同じように作用して、直ぐには反映されずハンドル操作もせずに進行方向がズレる→ハンドルで修正する とフラフラしているように見えるという事なのか? 再検証を要す。
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