困難を乗り越えた人に贈ろう、再評価が進む波瀾万丈なワイン「シャトー・ボイド・カントナック」
メドック3級に格付けされながらも、長い歴史の中で浮き沈みを経験してきたシャトー・ボイド・カントナック。近年の品質向上とともに評価が復活しているこのワインは、苦労を重ねた方へのギフトにふさわしい一本です。
メドック3級ながらも波乱の歴史
誕生と拡大から一時的な消失まで
シャトー・ボイド・カントナックは、1754年にジャック・ボイドがカントナックcc ccのブドウ畑を取得し、その名を冠しました。1806年には、シャトー・ブラウンのジョン・ルイス・ブラウンがこの土地を購入し、さらに規模を拡大します。そして、1855年にはメドックの3級格付けに認定されます。
しかし、1800年代後半になると、シャトーは一時的にその存在を失います。新しい所有者アベル・ローレンが他のワインに収穫物を使ったため、ボイド・カントナックのワインは一時消滅しました。
長く続く不遇の時代と復活の兆し
その後、1929年の大恐慌が追い打ちをかけ、施設の一部をシャトー・マルゴーに売却せざるを得なくなり、ワインセラーを失いました。しかし、1932年にギエメ家が所有権を取得し、長期的な経営が行われるようになったことで、シャトーは次第に評価を取り戻していくことになります。
人気ワイン漫画での紹介
シャトー・ボイド・カントナックが日本で広く注目されたのは、人気ワイン漫画『神の雫』で取り上げられたことがきっかけです。紹介されたのは2001年のヴィンテージで、漫画では品質が不安定だが、2001年は特別に良好だと評されました。当時は3級シャトーの中でもあまり評判が良くなかったため、3,000円台という価格で紹介されていたのです。
2001年以降の高評価
しかし、2001年以降、シャトー・ボイド・カントナックのワインは評価が急上昇しました。パーカーポイントでも90点以上を獲得するヴィンテージが続出し、品質が大きく向上。今ではかつての価格からは想像できないほどの高価格帯になり、メドック3級に相応しい評価を得るようになりました。
困難を乗り越えた人へのギフトに最適
シャトー・ボイド・カントナックは、長い歴史の中で数々の困難を乗り越えてきたワインです。同様に、人生で多くの困難を経験した方への贈り物として最適ではないでしょうか。その人の努力や苦労を称える意味で、このシャトーのワインはぴったりです。