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歴史と伝統が彩るシャトー・ディッサン:結婚祝いに最適なワイン

かつてシャトー・マルゴーと並び称された、マルゴー地区の名門シャトー・ディッサン。その畑は「カントナックの丘」の斜面にあり、マルゴーの中でも最良のブドウを育てる場所として名高い絶好の地形を誇ります。

ヘンリー2世とアリエノール妃の結婚式で振る舞われたワイン

シャトー・ディッサンは、1855年に第3級グラン・クリュに選ばれる以前から、その名声が確立されていました。1152年5月18日、アキテーヌ女公アリエノールと後にイングランド王となるヘンリー・プランタジネット(ヘンリー2世)の結婚式でこのワインが振る舞われたと伝えられています。
アリエノールはヘンリー2世と結婚する前にフランス王ルイ7世と結婚していたので、フランス王妃であったのちにイングランド王妃になった人物です。また、ヘンリー2世もイングランド王でありながら、フランスのアンジュー伯でもあり、南フランスおよびイングランドにまたがる、いわゆる「アンジュー帝国」を築いた人物です。
二人の結婚がきっかけでアリエノールの相続地アキテーヌ公領で生産されたワインがイギリス貴族の間で飲まれるようになったと言われています。アキテーヌの最大の都市はボルドーなので、この二人の結婚が今日のボルドーの発展につながっています。

フランツ・ヨーゼフ皇帝に愛されたワイン

さらに、シャトー・ディッサンはハプスブルク帝国最後の皇帝フランツ・ヨーゼフの贔屓のワインとしても有名です。シャトーの扉の上には「Regum mensis aris que deorum」(王の食卓と神々の祭壇のために)というモットーが刻まれており、これは皇帝の言葉だと言われています。エチケットにも「神のワイン、王のワイン」というラテン語の文言が記され、ディッサンの格式の高さを物語っています。

800年続く家族経営

シャトー・ディッサンは華やかな王宮の歴史を持ちつつも、家族の物語も合わせ持っています。相続や結婚によって所有者が代わってきたものの、800年以上にわたり家族経営が続けられてきました。多くの格付けシャトーが大企業の所有となっている現在でも、ディッサンは一貫して家族経営を守り続けています。

結婚祝いに最適なギフト

これまで見てきたように、シャトー・ディッサンは「神のワイン、王のワイン」としての格式を持ち、結婚式にふさわしいワインです。また、長年家族経営が続いていることからも、家族の絆を象徴する結婚祝いのギフトとして、これ以上ない贈り物となるでしょう。

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