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家族の絆を深める贈り物に、メドック格付け3級のトップシャトー「シャトー・キルヴァン」

シャトー・キルヴァンは、ボルドー地方マルゴーの恵まれたカントナック台地に位置し、メドック格付け3級の筆頭に名を連ねています。一時期は厳しい時代を迎えましたが、現在ではその名声を取り戻しています。このシャトーの成功には、二つの偉大な家族の物語が深く刻まれています。


アイルランドからフランスへ - キルヴァン家の物語

「シャトー・キルヴァン」は、かつて「ドメーヌ・ド・ラサール」として知られていました。18世紀にジョン・コリングウッドという地元商人がこの土地を購入し、後にその義理の息子であるアイルランド人、マーク・キルヴァンがシャトーを継承し、名前を「シャトー・キルヴァン」に改名しました。
キルヴァン家は、13世紀からアイルランド西部のゴールウェイで活躍していた商人の家系で、18世紀半ばにフランスのワイン産地へと移住した「ワイン・ギース」の一員としても知られています。ボルドー地方には、彼らのようなアイルランド系のワイン生産者による約14のシャトーが今でも稼働しています。
キルヴァンは、ワインの品質向上に努め、1787年には、ボルドーを訪れた後のアメリカ第3代大統領トーマス・ジェファーソンからも高く評価されました。1855年には、メドック格付けで第3級のトップにランクされ、ボルドーを代表するワインの一つとなりました。その後、所有者が変わるも、「キルヴァン」の名前は今も引き継がれています。

再興と革新 - シラー家の挑戦

フランス革命、世界恐慌、フィロキセラ禍、第一次世界大戦といった困難により一時低迷したシャトー・キルヴァンは、1926年にシラー家が購入したことで新たな発展の時を迎えました。
シラー家は1739年にボルドーに定住し、現在も続く最も古い家族経営のネゴシアンの一つを営んでいます。特に、3代目のジャン=アンリ・シラー氏の時代には積極的な設備投資が行われ、シャトーは徐々に評価を取り戻していきました。
シャトー・キルヴァンは80年以上にわたり家族経営を続けており、ボルドーにおいても珍しい存在です。1967年からは「シャトー元詰め」を行っており、先駆者的なシャトーの一つと言えるでしょう。

家族のイベントにギフトとして

キルヴァン家とシラー家は、ワインを通じて長く続く家族の伝統を守り続けてきました。結婚や出産、記念日など、家族の喜ばしい瞬間を祝うシーンに、この特別なワインを贈るのはいかがでしょうか。

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