3世代にわたる復興のストーリー、メドック格付け3級「シャトー・マレスコ・サン・テグジュペリ」
シャトー・マレスコ・サン・テグジュペリは、ボルドー地方メドック地区の名高いマルゴーに位置するシャトーです。1855年のメドック格付けで3級に認定された名門ですが長い歴史の中で所有者が度々変わり、繁栄と低迷の時期を経験してきました。そんなワインに潜んでいるストーリーを紹介します
「星の王子さま」のサン・テグジュペリの名を冠したワイン
シャトー・マレスコ・サン・テグジュペリは、長い歴史を持つワイナリーですが、所有者はたびたび変わってきました。その中でも特に著名なのが、『星の王子さま』の作者であるアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの曾祖父、ジャン=バティスト・サン=テグジュペリ伯爵です。
もともと「シャトー・マレスコ」として知られていたこのシャトーは伯爵が所有することになった際、彼の名前を加え、「シャトー・マレスコ・サン・テグジュペリ」として新たな名声を得ました。
ズジェール家3代による名門の復活
その後もシャトーは幾度となく所有者が変わりメドック第3級の格付けを受けた時代もありましたが、2度の戦争や経済的な打撃により一時は衰退の危機に瀕していました。このシャトーを再生へと導いたのがズジェール家です。
シャトー・マレスコ・サン・テグジュペリはワイン街道と呼ばれる幹線沿いに位置し、一部の畑はシャトー・マルゴーと隣接する好立地にあります。しかし、1955年にポール・ズジェールが購入した当時、ブドウ畑はわずか7ヘクタールと非常に荒れた状態でした。ズジェール家によりこのような状態のブドウ畑の80%が再生され、現在では28ヘクタールまで広がっています。
2代目のロジェ・ズジェールがその再建を引き継ぎ、1994年には3代目のジャン=リュック・ズジェールが指揮を執るようになりました。彼らの尽力により、シャトー・マレスコ・サン・テグジュペリは再び高く評価されるようになり、2000年ヴィンテージが95点、2005年が96点、2009年が96点、2010年が95点という高いパーカーポイントを獲得しています。
このワインを贈るのにふさわしい人
再建や復興に尽力している方へ
シャトー・マレスコ・サン・テグジュペリは、一時7ヘクタールにまで縮小したブドウ畑が、ズジェール家の努力によって再建され名声を取り戻した復興のストーリーを持っています。
伝統工芸の再評価に取り組んでいる方や、売り上げが低迷している商品のブランディングを強化している方、震災などの復興活動に関わっている方などへの贈り物として、共感を呼ぶワインです。
文学好きやパイロットの方へ
『星の王子さま』の著者であるサン=テグジュペリは、小説家であると同時にパイロットでもありました。文学を愛する方やパイロットの方への贈り物としても、このワインは名前に特別な意味を持ち喜ばれるでしょう。