歩くこと ~トラウマからの脱却~
ずっと身体が震えている。
身体って神秘的だな。
DVが始まってから15年間、その後家を出てからも1日何回もの電話攻撃。
「怒らせるお前が悪い。」
電話口で怒鳴られることが続いた。
その間ずっと言い返す気力もなく、何が正しくて何をどうしていいのか?
思考が止まったまま、生きてきた。
子どもを守ることが私の1番の優先事項で、そのために夫にはちゃんと父親として存在してほしかった。
自分を守ることや助けることなんて、考えたこともなかった。
子どもに心配させるわけにはいかない。子どもを怖がらせるわけにはいかない、となるべく明るく元気な「お母さん」をしなきゃと思ってきた。
その子ども達も3人共、大人になり、働いて自立生活をしてくれている。
長年、押し込めていたものが、今出てきたのかもしれない。
身体の震えが止まらない。
休日の今日は、寝込んでいるとまたそれで1日が終わってしまうと思い、朝から歩くことにした。
起きることですら、ハァハァ…と息切れがする。できることなら寝ていたい。殻に入って、じっとしていたい。何にも刺激のない中で、ただ眠りについていたい。
けれど今日は歩くことにした。
昨年夏に病気で手術をしたときに、ガンが発見されてから「元気でいること」が私の仕事の1つとなった。そのために1日1万歩(正確に言うと1週間で7万歩)を日課として決めて、ずっとクリアしている。
この自分で決めた日課を、こんな不調な状態でも守りたい!!と思ったのである。
外を歩きだすと、身体が鉛のように重く、少し歩くだけで、ゼーハーゼーハーと息切れがしてしまう。でもとにかく歩く。30分歩いた先にある喫茶店を目標に。頑張って歩いて、モーニングを食べよう。
1歩1歩・・・と歩いた。
なんとかモーニング時間終了3分前に到着し、ぎりぎりで食べることができた。
念願のバタートースト。
めっちゃ美味しい!
あーーーーーー。美味しい!
生きた心地。
今日は歩いて歩いて、喫茶店で勉強して、また歩いて勉強して、を繰り返してたくさん歩いた。
2万歩近くも歩いてしまった。
あんなに朝には、足が重くてゼーハーしていたのに、夕方には足早に歩けるくらい身体が軽くなっていた。びっくり!!
歩く時間は好きだ。
安心な時間。