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結局は一打席づつの積み重ね

2023年07月05日のツイートより

凄くシンプルなことだけど、いつでも「ベストテイクを目指して演じる」ってことが大切だと思う。毎回、毎度。

これは演出家として思ったこと。さて、自分は俳優に「次がベストテイクだ!」と思って演じられるような環境を作れているだろうか、と。演出家も常に問われているのだ。こちらの気が散っているようでは俳優は集中できない。

いつもいつも、ベストを更新し続けることなんてできない。事実としては確かにそうだ。その上で「ベストを目指して演じる」こと。芸術に対して誠意を込めなければ、その一回に対して捧げるものが無ければ、ベストが尽くせるはずもない。当たり前のことだけど、みんなで一生懸命やる、って決して簡単なことじゃない。

言い換えればこれは「悪あがきしようぜ」ってことなのかもしれない。睡眠不足かもしれない。台詞が完璧に入っていないかもしれない。恋人とケンカしたあとの稽古かもしれないし、稽古場の雰囲気がすごく悪くなった直後のテイクかもしれない。

それでも、ベストを目指して演じること。そのことを止めない。自己ベストじゃなくて、今できるベストを出し続けられるように悪あがきする。悪あがきしてもいいんだ、とお互いに思えるような現場にする。ああ、もう今日はダメっすね、と言いながらも逆転の一発が出るんじゃないかとたくらむような、そんな現場でありたい。それで、どうしてもダメなら稽古場から離れるしかない。ここにいる限りはベストを尽くせるように。


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