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中国アプリのライティング

日本のアプリと比べると、メニューも情報量もかなり多い中国のアプリ。

それなのに、ITリテラシーの高い人からそうでない人まで、年代を問わず利用される国民的アプリが複数存在しています。

中国の国民的アプリが人を問わずに利用される理由を探すため、今回は画面上の文章、「ライティング」にフォーカスして考えてみたいと思います。

なぜライティング?

というのも、中国のアプリに表示される文章の数々は、やたらフレンドリーなんですね。人が語りかけるような温度感が、実はわかりやすさに影響しているのでは?と思ったのがきっかけです。

こうした画面に表示する言葉を設計することは「UXライティング」と呼ばれる分野だそうです。

私自身アプリの文言を考える機会があるのですが、とにかく正確に伝えようとするあまり機械的で相手の気持ちまで想像ができていない文章を量産してしまい、課題を感じています。

UXライティングについて分かりやすく解説されているnoteがありますので、UXライティングは何かを定義した上で、実際に中国アプリを使う中でなるほどと思ったライティングの例を挙げていきたいと思います。

UXライティングとは、WEBサービスやアプリなどのプロダクトのユーザー体験を、より快適で洗練されたものにするために、PCやスマホなどの画面(UI)に表示される言葉を設計することです

引用)UXライティングの勉強におすすめの本3選
いろんな言い方はあるかもしれないけど、自分なりに解釈すると、UXライティングとは「使う人に寄り添った文章を書く姿勢」のことだと定義しました。

引用)UXライティングについて考える。「使う人に寄り添った文章」はなぜ大切?

中国アプリのUXライティング6選

気になるライティング表現と、学びと応用を6つ記載します。

1. ECアプリ「京東」の通知許可画面

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”通知を許可しないと、配送状況、セール情報、会員特典を見逃すかも...”

メリットの提示→行動を促す、文章を書きそうなところ、ここでは機会損失(デメリット)の方が提示されています。

〜したらどうなる、よりも〜しなかったらどうなるの方が直接的に理解しやすく、納得して行動できると思いました。

✔︎人は「得をすること」よりも「損をしないこと」を選んでしまう
✔︎損失回避の法則を使ってみる

2. ECアプリ「タオバオ」の有料特典申し込みポップアップ

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”もったいないけど、やめておく / 今すぐ開通する”

3.8元払えば91元分のお年玉がもらえる会員カードの案内ポップアップ。パッと見ても申し込みした方がお得なのは分かるのですが...

このボタンの選択肢は「忍痛离开」「立即开通」と、ただの申し込み/閉じるではなくメリットのある話だけど今回は止むを得ずやめるor今すぐ申し込み!のコントラストが効いた2択になっています。

より明確な選択肢文言にすることで、やめるかどうかの判断のサポートになっていると言えそう。

✔︎ 選択肢のメリットデメリットのコントラストを大きくしてみる


3. 旅行予約アプリ「シートリップ」の読み込み画面

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”もうすぐで鮮やかな世界が現れます☺️”

読み込み中..と表示しそうなところを、もうすぐで鮮やかに☺︎と、スマイルとともに表示されています。小さなことですが、待ち時間のネガティブな気持ちを和らげ、Ctripが扱う「旅」の世界観も感じさせる素敵な表現です。

✔︎よく表示される読み込み画面こそ、ライティングで変化を出せる

4. 共同購入アプリ「拼多多」の注文確認画面

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”注文情報が作成できました、本当に途中で支払いをやめますか?”

この選択肢も、単純なyes/noではなく、「今はやめておく」or「もう少し留まって考える」という、より人間らしい選択肢になっています。はっきりyes/noが出せない時ってありますよね。そんな気持ちに対して、「一旦決めて、後から考えてもいいよ」と含みを残してくれるので、決定のストレスが減ると感じました。

✔︎簡単にyes/noが出せない時の気持ちに寄り添う

5. ECアプリ「京東」のクーポン一覧画面

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”あなたのクーポンが取得待ちです”

取得待ちのクーポンがありますと書きそうなところ、最後に「取得待ちです」が置いてあることで、なんとも消化しきれない、未タスク感を感じる表現です。相手の行動を促す文章だと思いました。

✔︎伝えたい言葉の前後を入れ替えて、強弱を確認してみる

6. 家電ECアプリ「蘇寧」のカート画面

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”まだカートに何も入っていないようです。早くいい商品を追加しよう”

私調べ、日本のECサイトだとほとんどが「何も入っていません」系の文言だけが表示されています。早く入れようって、押し付けがましさがありつつもなんとも人間味を感じます。大規模なアプリであっても裏側の作り手や人間の温度が伝わるのは、ポジティブにアプリを使っていける理由にもなっていることでしょう。

✔︎友達と買い物しているときだったら、なんて声がけするか考えてみる。買っちゃいなよ、似合わなかったら売れば良いじゃんetc..

まとめ

正しい言葉と表現は、読めば確実に伝わるけど、読まないと伝わらない。人間の言葉で表現すると、しっかり読もうとしなくても雰囲気で理解できてしまつ部分もありそう。

利用者=読み手は自分とは違う世代の人もいる。言葉の力で選択肢のコントラストを強めたり、待ち時間のストレスを減らしたり、人の行動や感情に影響を与えることができるということは、ちゃんと念頭におきたい。

いろいろ画面見ながら、プッシュ通知のメッセージやセールやイベントのネーミングも比較したくなったので、またやってみます🙆‍♀️


ご意見なども、お待ちしております❣️

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最後まで読んでいただきありがとうございます!!!!いい一日になりますように!