真藤順丈「宝島」読書感想文①
自分は今、真藤順丈さんの「宝島」という小説を読んでいる。
昨日の夜、近所の書店で30分ほど迷ったのちに購入したこの本は、第二次世界大戦後の沖縄を舞台にした、戦果アギヤー達のお話だった。
自分は今、40ページほど読んでみて、手に汗握る展開と淡い青春ドラマに熱中してしまった。
この本は、帯に青春を謳っているだけあって、恋愛や友情、夢や希望のようなものが、頻繁に出てくるような気がする。
普段、ミステリーをよく読む自分だが、案外恋愛ものが好きなことに気づく。
これは個人的な見解だが、恋愛というものは基本的に自分の胸の内で展開され、わざわざ他人に説明したり、共感したりするものではないという認識がある(もちろん恋人は例外である)。
もしかしたら男性と女性で、この辺りの感覚は違うのかもしれないが、少なくとも男性である自分は、そのような心持ちで恋愛ものの小説を読んでいる。
だからこそ、人の胸の内に秘められたものを感じることができるというのが、なんだか尊いことのように思えてしまうのだ。
他にも、自分がなぜ恋愛ものの小説に惹かれてしまうのか、いくつか思い当たる節があるが、ここでは割愛させて頂く。
ともかく、40ページほど読んでみて、真藤順丈さんの「宝島」は面白かったし、もっと読んでみたいと思う作品だった。
この小説は直木賞を受賞しており、上巻と下巻、トータルで700ページ以上ある長編ものである。
長編ものは良い。
物語のボリュームと、そこに詰め込まれた作者の伏線が綺麗に完結するとき、自分の心の中で、一種の感動と作者・作品への称賛が巻き起こるのである。
「宝島」は、まだあと660ページほども残っている。
この先、どんな青春・恋愛ドラマが展開されているのか、どのような伏線がめぐらされているのか、楽しみにしながら読んでいこうと思う。