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6月15日に日本代表と対戦するエルサルバドル代表の個人的注目選手紹介

6月15日の日本代表戦と6月20日の韓国代表戦に挑む、エルサルバドル代表選手23名が発表されました。


エルサルバドル代表メンバー
<2019年6月の親善試合で来日したメンバーには☆を付けています>

〇GK
マリオ・ゴンザレス(アリアンサFC)
トーマス・ロメロ(トロントFC/MLS)
オスカー・プレイテス(A.D. イシドロ・メタパン) ☆

〇DF
ロベルト・ドミンゲス(C.D. FAS) ☆
エリク・サバレタ(ロサンゼルス・ギャラクシー/MLS)
エリック・カバルセタ(アラフエレンセ/コスタリカ)
ロナルド・ロドリゲス(C.D. アギラ)
アレックス・ロルダン(シアトル・サウンダーズ/MLS)
ネルソン・ブランコ(ノースカロライナFC/USL)
⇒ウォルター・ピネダ(C.D. アギラ)
ブライアン・タマカス(オークランド・ルーツ/USL) ☆
ウィリアム・カナレス(アリアンサFC)

〇MF
ナルシソ・オレジャーナ(アリアンサFC) ☆
クリスティアン・マルティネス(アラフエレンセ/コスタリカ)
ブライアン・ランダベルデ(C.D. FAS)
ハロルド・オソリオ(シカゴ・ファイアーFC Ⅱ/MLS Next pro)
メルビン・カルタヘナ(C.D. アギラ)
レオナルド・メンヒバル(A.D. チャラテナンゴ)
ハイロ・エンリケス(スイッチバックスFC/USL)

〇FW
ジョシュア・ペレス(モンテヴァルキ/イタリア3部)
マイヤー・ヒル(アリアンサ・ペトロレラ/コロンビア)
ケビン・レイエス(C.D. FAS)
ブライアン・ヒル(デポルテス・トリマ/コロンビア)
クリスティアン・ヒル(C.D. FAS)

※追記(2023/6/10)
DFネルソン・ブランコがビザの関係でアジア遠征メンバーから外れ、
代わりに20歳のDFウォルター・ピネダが追加招集されました。

日本代表とは2019年6月の親善試合以来の2度目の対戦となり、韓国代表とは初対戦となります。

以前、日本と対戦した時のメンバーと比べると、かなり大幅にメンバーが入れ替わっています。


この4年間の間で代表監督がカルロス・デロスコボスからウーゴ・ペレスに代わり、ペレス監督になって以降はルーツを持つ国外出身選手に積極的にアプローチをかけてきました。
前回は5人だった国外組が、今回はメンバーの半数を占める12人となり、今回はメンバー外になった選手の中にも、国外でプレーする選手が数多くおり、チームとしては以前よりもかなり層が厚くなった印象を受けます。

エルサルバドル代表はこの後、6月26日からCONCACAF ゴールドカップを控えています。
同大会での上位進出を目指す同国にとって、アウェーでアジアの強豪2チームと試合することは非常に大きな機会となるでしょう。ウーゴ・ペレス監督も、日本と韓国を「2023年で最もタフな相手」と語っています。
好ゲームを期待したいですね。

この記事では
エルサルバドル代表メンバーで個人的に注目している選手とウーゴ・ペレス監督、今回のメンバーから外れた代表選手を一部紹介したいと思います。


■ウーゴ・ペレス監督

国籍:アメリカ/エルサルバドル
現役時代のポジション:MF
生年月日:1963年11月8日

エルサルバドル出身だが、11歳の時に家族でアメリカに移住し、その地でプロデビューを果たすと、代表でもアメリカ代表を選択し1984~1994年にかけて主力として活躍。
1988年のソウル五輪と1990年のイタリアW杯は怪我のために出場辞退となったが、1994年のアメリカW杯では出場を果たした。

2021年1月に生まれ故郷であるエルサルバドル代表の監督に就任。
エルサルバドルにルーツを持つ国外出身選手にアプローチをかけ、代表戦力の底上げに成功。
2022年カタールW杯予選でも、2010年南アフリカW杯予選以来となる最終予選進出を果たした。
最終予選では8チーム中7位という成績に終わったが、ホームでパナマ、アウェーでホンジュラスを相手に勝利をあげている。


■マリオ・ゴンザレス

ポジション:GK
生年月日:1997年5月20日
所属:アリアンサ(エルサルバドル)

182㎝とGKとしては大柄ではないが、素晴らしい反応で好セーブを連発しゴールを許さないエルサルバドル代表不動の守護神。
これまでのキャリアは国内リーグのみだが、その実力は北中米カリブ海地区の他国の守護神にも決して引けを取らない。
昨年の親善試合のニカラグア戦、今年のネーションズリーグのアメリカ戦ではキャプテンマークを巻くなど、代表での地位を確固たるものとしている。

日本戦でも先発が予想されるが、ポジションを争うトーマス・ロメロ(トロントFC)が起用される可能性も。


■アレックス・ロルダン

ポジション:右サイドバック
生年月日:1996年7月28日
所属:シアトル・サウンダーズ(MLS)

アメリカ出身で、グアテマラ移民である父親とエルサルバドル移民である母親の間に産まれた。そのため、いずれかの国を代表する資格を有していたが、2021年にグアテマラからの誘いを断りエルサルバドル代表入りを決めた。
次兄であり、シアトルのチームメイトでもあるクリスティアン・ロルダンは出生国のアメリカ代表としてプレーしており、カタールW杯のメンバーにも選ばれた。
(長兄のセサール・ロルダンは、ロサンゼルス・ギャラクシーでアスレティックコーチを務めている)

所属するシアトルでは2020年から主力として定着。2022年にはチームのCONCACAFチャンピオンズリーグ優勝に大きく貢献した。
2021年5月のMLSの試合では、味方GKの負傷退場により残り数分間のみ代役GKを務めた。


■クリスティアン・マルティネス

ポジション:守備的MF
生年月日:1994年4月19日
所属:サン・カルロス(コスタリカ)

コスタリカ出身で、2021年3月には同国代表デビューも果たしたが、同年11月に父親のルーツであるエルサルバドル代表に鞍替えした。
エルサルバドル代表ではコンスタントに招集されており、今やチームに欠かせない選手の1人となっている。

コスタリカのU-23代表歴もあり、2015年5月に行われたトゥーロン国際大会にも出場した経験を持つ。
また、2015年7月1日にユアテックスタジアム仙台で行われた「U-22日本代表対U-22コスタリカ代表」の試合にも先発出場していたため、今回が2度目の来日となる。


■ハロルド・オソリオ

ポジション:攻撃的MF
生年月日:2003年8月20日
所属:シカゴ・ファイアーFC Ⅱ(MLS Next Pro)

エルサルバドル代表の未来となる可能性を秘めた才能。
2021年5月に、所属していたアリアンサFCで17歳9ヶ月でトップチームデビューを果たすと、同年8月の親善試合コスタリカ戦でA代表デビュー。
2022年8月からは、MLSのシカゴ・ファイアーFCのセカンドチームでプレーし8試合3得点1アシストと結果を残している。

ウーゴ・ペレス代表監督も「MLSデビューする日は近い」と述べたように、今後の飛躍が大いに期待されているホープ。


■ジョシュア・ペレス

ポジション:ウィンガー
生年月日:1998年1月21日
所属:モンテヴァルキ(イタリア3部)

アメリカ出身で、現代表では数少ない欧州リーグでプレーする1人。
父親も祖父も元プロサッカー選手というサッカー一族で
ウーゴ・ペレス代表監督は、ジョシュアのおじにあたる。

2016年にイタリアのフィオレンティーナでプロデビューを果たし、その後はイタリアやアメリカ、スペインのクラブを渡り歩いてきた。
今季の途中から、イタリア・セリエCのモンテヴァルキに加入し11試合で2得点を記録したが、チームは浮上できず最下位で来季のセリエD降格が決まってしまった。


■クリスティアン・ヒル

ポジション:センターFW
生年月日:1996年11月5日
所属:FAS(エルサルバドル)

コロンビア出身だが、元サッカー選手の父親がキャリアの多くを過ごしていたエルサルバドルでプロデビューして以来、同国でキャリアを積み重ねている。

2021年12月の親善試合チリ戦でA代表デビューを果たし、W杯最終予選のホーム・コスタリカ戦とネーションズリーグのアウェー・グレナダ戦でそれぞれ1得点を挙げている。

2人の弟(ブライアン・ヒルマイヤー・ヒル)もエルサルバドル代表選手というサッカー一家。
次男のブライアンはコロンビアのデポルテス・トリマに所属し、三男のマイヤーはコロンビアのアリアンサ・ペトロレラに所属している。
(2人の弟も今回のメンバーに招集されている。)
ちなみに3兄弟ともに全員センターフォワードがメインポジションであり、父親も現役時代はセンターフォワードだった。

(左からマイヤークリスティアンブライアン


◇今回、招集外となった主なメンバー


ここからは、今回のアジア遠征のメンバーから外れることとなった実力者を4選手紹介したいと思います。

(ダーウィン・セレンとネルソン・ボニージャは、2019年6月の日本戦に出場していました。)


◆ダーウィン・セレン

ポジション:守備的MF
生年月日:1989年12月31日
所属:アギラ(エルサルバドル)

同国代表史上最多となる90試合の出場歴を持つベテラン。
長くアメリカでプレーしていたが、2023年1月に9年ぶりに母国リーグへ復帰した。

父親は同国の2部リーグでプレーした元プロ選手で、弟のオスカー・セレンもエルサルバドル代表経験のある現役選手。2人の妹であるブレンダ・セレンパオラ・セレンはエルサルバドル女子代表というサッカー一家。


◆アレクサンダー・ラリン

ポジション:左サイドバック
生年月日:1992年6月27日
所属:アリアンサ(エルサルバドル)

同国代表歴代6位同率の78試合の出場歴を持つ経験豊富な左サイドバック。
国内リーグの他、グアテマラやメキシコの複数クラブでのプレー経験を持つ。

積極果敢な攻撃参加と正確なキックが持ち味で得点能力も高く、代表通算でも7得点をあげている。


◆ネルソン・ボニージャ

ポジション:センターFW
生年月日:1990年9月11日
所属:スコータイFC(タイ)

同国代表の歴代4位同率となる代表通算19得点をあげている点取り屋。
2014年にルーマニアに渡って以降はアゼルバイジャン、トルコ、ポルトガルを渡り歩き、2018年からは主にタイリーグでプレーをしている。

2019年12月にガールフレンドと結婚し、2021年12月にタイのバムルンラート病院で待望の第1子となる男児が産まれた。
2022年カタールW杯は家族で現地観戦を楽しんだ。

(その他にもカタールでは、元アルゼンチン代表FWのセルヒオ・アグエロや、塩振りおじさんことトルコ人シェフのヌスレット・ギョクチェ氏との対面を果たした模様)

◆エンリコ・ドゥエニャス・エルナンデス

ポジション:攻撃的MF
生年月日:2001年2月23日
所属:FCカルタヘナB(スペイン4部)

オランダ出身で、オランダU-16代表歴を持つ期待の若手。
カタールW杯最終予選で代表デビューし、ホームのパナマ戦では決勝点をあげて一躍ヒーローに。
今回の代表ウィークでは、エルサルバドルで行われる中米カリブ海競技大会のサッカー競技のU-22エルサルバドル代表に合流することになった。

多くの国にルーツがあり、出生国のオランダのほか、父親がエルサルバドル人、母親がフィンランド人、父方の祖父がキュラソー出身と4つの国(地域)で代表する資格を持っていた。
2021年には、母親の祖国フィンランドのサッカー協会から代表入りのオファーを受けたが、これを断ってエルサルバドル代表を選択した。



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