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カタールW杯北中米カリブ海最終予選 8節を終え、いよいよ勝負の後半戦へ

各地で激戦が繰り広げられ、ヨーロッパや南米では既に出場を決めたチームも出てきつつあるW杯予選。

アジアや北中米でもこの11月で最終予選の半分を終え、1月からいよいよ勝負の後半戦となります。

現在、北中米カリブ海予選は8試合を終えており(全14試合)

順位は以下のようになっています。

メキシコ

以下、カナダ・パナマ・コスタリカ・ホンジュラス・ジャマイカ・大陸間プレーオフに関する雑感のようなものです。


快進撃続くカナダ 36年ぶりの夢舞台に前進

カナダ

8試合を終えて、なんと無敗で首位に立ったカナダ。

何といっても際立つのは攻撃陣。アルフォンソ・デイビス、ジョナサン・デイヴィット、サイル・ラリンなどヨーロッパのリーグでも活躍するプレイヤーが躍動し13得点は全チーム中トップ。守備面でも不動の守護神ミラン・ボージャンや今や大ベテランとなった守備的MFアティバ・ハッチンソンといった酸いも甘いも知る重鎮がガッチリと締め失点5もアメリカと並び最少タイ

カナダにとって大きいのはアウェイでのアメリカ、メキシコ戦を既に終えていること。メキシコに至ってはホームで勝利しており、もう対戦はありません。その反面、中米国とのアウェーマッチを多く残してはいますが、今のカナダであれば跳ね返せない壁ではないでしょう。

近年はW杯どころか最終予選の舞台さえ立つことができなかったカナダ。大舞台の切符は手の届く位置にあります。



連続出場へ パナマが北米3国に食らいつく

ぱなま

現在、本戦出場権争いを熱くさせているのはパナマの健闘があるからでしょう。

前回の本戦出場国とはいえ、近年は苦戦が続いていた影響でFIFAランキングでは最終予選出場国中では最も下に位置していますが、8試合を終え4勝22分2敗の勝ち点14で4位に位置し、大陸間プレーオフ権を維持しつつ本戦出場権争いにも加わっています。

ここまで戦えているのは選手層に一定の厚みが加えられたところにあります。10月は若手でありながら主力であったアダルベルト・カラスキージャアンドレス・アンドラーデが、11月は10番を背負うエドガー・バルセナスが故障で招集外となったアクシデントがありましたが、クリスチャン・マルティネスセサル・ヤニスらが彼らの不在を埋め、苦しみながらも勝ち点を伸ばすことができました。11月の試合で2試合連続ゴールを決めたセシリオ・ワーテルマンの得点能力も光ってます。

5位コスタリカとは勝ち点5差がついていますが、そのコスタリカとのアウェーでの直接対決のほかパナマはアメリカとメキシコとのアウェーマッチも残しており、まだまだ予断を許さない状況が続いています。まずは1月コスタリカとの4位5位直接対決。出場権争いに残るのか、プレーオフ権争いに巻き込まれるのか注目の一戦です。



生き残ったコスタリカ 逆襲はあるのか

コスタリカ

第8節、ホンジュラスとの崖っぷち直接対決。1-1のまま迎えた後半ロスタイムにヘルソン・トーレスの劇的勝ち越し弾により勝利したコスタリカ。勝ち点を9に伸ばし本戦出場への望みを繋ぎました。

2002年W杯以降は、2010年を除き出場国に名を連ねている常連国ですが、世代交代がうまく進んでおらずベテランを脅かす選手が出てきていない印象のコスタリカ。自国リーグが一定のレベルにあり地力があるので失点7は8ヶ国中でも少ない方ですが、やはり問題はここまで6得点の攻撃にあります。エース格の期待をしたいジョエル・キャンベルがここまでの予選で無得点というのがコスタリカの得点力不足を表しています。

生き残ったとはいえど、4位パナマとの勝ち点差は5。次節はそのパナマとホームで直接対決となります。勝てば勝ち点差2に詰め寄れますが、敗れれば脱落の可能性が大きくなるという、まさにコスタリカにとって大一番となるでしょう。



泥沼のホンジュラス 遠くへ霞む本大会

ほんじゅらす

8試合を終え3分5敗と未勝利で最下位となってしまったホンジュラス。前回大会まで3大会連続で本大会出場権を争っていた面影はもはや無く、本大会出場は絶望的な状況になってしまいました。

問題点は世代交代やら監督やら色々とあるのでしょうが、目に見えてわかる問題点はやはり守備の脆さ得点5もエルサルバドルに次いでワースト2位なのでもちろん悪いですが、失点はエルサルバドル、ジャマイカの10を大きく超えるワースト1位の15。「そりゃあ、これだけ失点してりゃ勝てんわ」と思わざるを得ません。

6試合を終えて3分3敗の成績不振でウルグアイ人のファビアン・コイト監督が解任され、後任には前回パナマを初出場に導いたコロンビア人監督の「ボリージョ」ことエルナン・ダリオ・ゴメス監督が就任。過去3チームをW杯に導いた指揮官に巻き返しの期待が託されました。

ゴメス

が、事態は好転しませんでした。象徴的だったのはホームでのパナマ戦。前半30分にアルベルト・エリスのゴールでリードし、後半14分にブライアン・モヤの追加点もあり流石に勝利かと思われた矢先

後半32分に主将マイノル・フィゲロアの不味い守備対応から失点すると3分後に守備陣の裏をつかれてあっという間に同点にされ、後半40分には守護神ルイス・ロペスが与えてしまったフリーキックを直接決められ逆転負け。ゴメス監督は古巣に出鼻を挫かれ、続くコスタリカ戦でも終了間際の失点で2連敗。前監督からの連敗も含めれば4連敗となってしまいました。守備陣のタレント不足の問題は大きく、代表最多出場記録を更新し続けているフィゲロアも現在38歳。彼から主戦を奪う選手の台頭がないのも寂しいところです。

既に厳しくなった予選突破。思い切った布陣にするのか、あくまで勝利に拘った戦いをするのか。今後ホンジュラスは今予選をどう戦っていくのでしょうか。



残り6試合 鍵を握るのはジャマイカ?

じゃまいか

予選は残り6試合になり、現段階でプレーオフ圏との差が大きいジャマイカ、エルサルバドル、ホンジュラスの3チームは本大会出場が厳しい状態になってきました。

ただ、突破が厳しくなっても予選を引っ掻き回すチームというのが予選を更に面白くします。個人的に、残り6試合という状況も含め今予選の鍵を握っているのはジャマイカではないかと思っています。

国外でプレーする優秀なタレントを揃えながらもどこかチグハグで、勝ち星もアウェーでホンジュラスに2-0での1勝だけに留まってはいますが、ここ4試合は負けなしで予選全体で見ても悪い負け方をしたのはホームでのパナマ戦(0-3で敗戦)ぐらい。弱いという印象は全くなく、「もうちょっと勝てても良いのになぁ」とも思います。

アメリカとは既に2試合を終えていますが、ホームでメキシコとコスタリカ、アウェーではパナマとカナダ戦を残しており、ここの結果次第では予選の流れを大きく変える可能性があります。

強みを持っていながらも安定感がないのがネックですが、それが逆に何が起こるか分からないジャマイカの怖さでもあります。今予選の「影の主役」になる素質は十分に秘めていると思います。


北中米カリブ海4位の相手はオセアニア予選勝者


先日、W杯の大陸間プレーオフの抽選が行われ、アジア5位は南米5位と、北中米カリブ海4位はオセアニア予選勝者と対戦することになりました。そしてこの大陸間プレーオフは、本来ならホーム&アウェー方式で行われますが感染症対策のためW杯開催地であるカタールでの一発勝負となります。

前にオセアニアと北中米カリブ海が当たったのは2014年ブラジルW杯予選でのプレーオフ。その時はメキシコ対ニュージーランドという顔合わせでメキシコがホームで5-1、アウェーで4-2で2連勝し本大会へ駒を進めましたが、果たして今回はどうなるのでしょうか。

オセアニア予選の最有力はやはりニュージーランドになるでしょう。クリス・ウッドリベラト・カカーチェなど欧州で活躍するタレントがおり、先の東京五輪でも日本と死闘を繰り広げたことからもわかる通り、全く油断することのできないチームです。

にゅーじーらんど

それでも何が起こるかわからないのがサッカー、W杯予選。

ニューカレドニア、タヒチ、ソロモン諸島らのアップセットがあるのか、それとも順当にニュージーランドが勝ち進むのか、北中米カリブ海予選共々目が離せなくなりそうです。



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