彼女が占いに行き僕がノートを始める。
串カツ食べたい。
そんなことを言う。昨日はそうではなかった。
小説家になりたい。僕は。文章を書き始めたのは、二週間前。僕は、今二十三歳である。
学歴はない。知識がない自負もある。熱量は、人並み。初期衝動だと知っている。
少々、お笑い芸人をやっていた。才能は無かった。
ところで、一昨日の話。婚約者の彼女が好きな占い師さんを尋ねて吉祥寺に行ったそう。それは、それは、とても楽しかった様で、夜にうきうきの顔で僕に出来事を教えてくれた。
自分のこと。結婚のこと。そして、僕のことを占ってくれた。
僕たちに年齢差があることを当てられたのだ。彼女は自慢げに仰った。
僕が芸人を辞めたのは、惜しいと。そして、僕は二年後に売れるらしい。信頼などおけるものか。一切の才能などない。諦めないのは、頭が悪いからである。
もう一つ、来年の六月までに、作品を誰かに見せるべきだと告げられたらしい。
適当で良い。どうせ上手でない。気軽さ、暇つぶし。効率的。好きな言葉は、阿呆。ならば、ノートを始めてみよう。僕は、ポジディブで本当に良かった。
串カツを食べに行きたい。大阪に行きたい。
今よりもう少し、お金が欲しい。遅かれ早かれ、就職を考えている。僕は、真面目な性格ではあるけれど、お笑い芸人の頃、一度も真面目では無かった。本当にごめんなさい。
続けることの美学を信じて、言い訳ばかりの人生を、たった一部ぽっち、文章に捧げよう。お粗末。