下衆の極み

  なんとかというお笑い芸人の不倫が大大的に報じられている。多目的トイレで云々と聞けばたちが悪いと思わぬではない。しかし、そんなことを臆面もなく記事にする方も下種の極みである。ベッキーの不倫報道の時に、「センテンススプリング」は、ベッキーと不倫相手とのラインのやり取りを公表していた。不倫は私人間の問題でしかない。他方、これは不正アクセス禁止法に抵触するのではないか。刑事罰の対象となる可能性がある。

 石田純一という人が好きだ。かつて「不倫は文化だ」と言って物議をかもした。義理の父親の東尾修とは、10歳も歳が離れていない。それにへこへこと頭が上がらないところもおかしい。それだけにコロナに罹患したことを、謝っていたのは残念だった。石田の行動に軽率な部分があったのかもしれない。だが彼の謝罪は、多くのコロナ患者に罪悪感を抱かせることにはならないか。石田には「不倫は文化。病は私事」と言ってほしかった。

 石田の言う通り、不倫は文化である。ヨーロッパ中世では、結婚相手は親がきめていた。だから恋愛結婚などありえない。当時の騎士の恋愛とは、人妻に思いを寄せることだった。騎士たちのロマンスとは、すなわち不倫だったのである。不倫がなければ、『アンナ・カレーニナ』も『ボヴァリー夫人』も生まれなかった。殺人がなければ『罪と罰』や『モルグ街」も生まれなかった。では殺人も文化なのかと問われれば、ことばに窮するが。

 女性の側の不倫の旗手は、斉藤由貴だろう。数年前、歯科医師と不倫をした時に、「斉藤の不倫は、24年ぶり3人目。前回の相手は川崎麻世」という記事を目にした。「初出場」時の相手は尾崎豊。まさにレジェンドである。80代になった斉藤が、不倫をして、「30年ぶり4人目。古豪復活!」という見出しが週刊誌を飾る日の来ることを楽しみにしている。とても残念なことに、そのころに私は生きていない可能性大なのであるが。



 


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