書くと長いがあっという間の 2023/8/30
今日の日記は長いぞ~7,000字超え。
今日は仕事関係の皆さまに「連絡が取りにくい宣言」済。1泊分の荷物を持って外出した。大阪駅でスズキナオさんと待ち合わせ、予定していた電車に乗り込み西方向へ向かう。
今日から2日間、兵庫県のあちこちで飲み歩きツアーをすることになっている。
メンバーは、ラズウェル細木先生、スズキナオさん、今野ぽたさん、山琴ヤマコさん。スズキナオさんの書籍を読んでらっしゃる方にはもうお馴染みメンバーだろう。
今回の予定と目的はこんな感じだ。
ラズウェル細木先生は酒飲み界では言わずと知れた方で、もちろんわたしは大ファンである。(いつかの日記では、ご著書の酒のほそ道の帯にいつか一筆寄せたい、と冗談めいた夢を語っていた)
東京にお住まいなのだが、京都にも拠点をお持ちでちょくちょくいらっしゃるそう。6月に初めて東京でお会いしてから、今日は2回目の飲みの席。不思議と緊張はしていない。ただただ楽しみだ。
明石駅でラズ先生と合流予定。ホームを降りて周りを見渡すと遠くにお姿が!挨拶を簡単に済ませて今日の予定を話しながら歩く。
ところで、ぽたさんとヤマコさんは先に淡路島入りしている。件の鮮魚店は人気なので、予約・確保のために先に現地入りしてくださっているのだ。
どう考えてもわたしも一緒に行くべきだったのだが、寝坊魔のため不安しかない。できない約束をしてしまっては…と逡巡していたら「後から組で全然大丈夫です!ぜひ、ラズ先生とナオさんの写真をバシバシ撮ってきてくださいね」と、神のようなコメントをくださっていた。
明石と淡路島はジェノバラインというフェリーで結ばれており、今日はこれに乗り行き来する。次の便まで少し時間があるので、明石の街をブラつこうということになった。
えー!飲むだけじゃなく街ブラもできちゃうのー!と心の中できゃいきゃいはしゃぎ、商店街を目指す。
魚の棚商店街、というところへ着く。正式名称は「うおのたな」なのだが地元の方は「うおんたな」と発音するらしい。
この商店街がとっても元気な商店街で商店も人も多く、活気であふれている。ひと目で良い鮮魚との出会いを期待してしまう見た目だ。
観光客も多いのであろう。小綺麗な感じも散歩しやすく嬉しい。うわー、オラわくわくすっぞ!
一歩進むごとに気になる商品を見つけてしまい、歩くのが大変だった。それはラズ先生も同じだったようであらゆるものに興味津々な目を向けられている。
ナオさんはいらしたことがあるようで、我が意を得たりとニコニコされている。
商店街を抜けたところに、良い飲み屋があるとナオさんに教えていただき向かうも閉まっていた(開店前か店休日だった、たしか)。近くにある有名な明石焼きのお店に入ることに。小上がりに通してもらい乾杯する。
定番やチーズ餅入りなどいろいろ頼み、焼き上がりを待つ。
すると店員さんが、難解読み漢字クイズの書かれた紙を渡してくださる。待ち時間を楽しんで欲しいというはからいだ。正解率の良い場合はこの紙がそのまま割引券になるらしい。
ふふふ、店員さん、こちとらかなりのオトナな3人、博識の先生に言葉の魔術師ナオさんに、一応わたしもライターなのですよ……と胸中で闘志を燃やしチャレンジ。
もちろんスマホ検索はNGなので知恵を寄せ合うのだが、これがなかなか難しい。先の意気込みはすぐ消え失せ「え~わかんな~い」とギャルっぽく言ってみるけどどう見てもアラサーなので逃げられない。
ただここは皆さんの底力がすごい。正確にはわからなくとも、部首や音読みから意味を考え、言葉をあてていく。
答え終わると大将(らしき人)が赤ペンを持ってあらわれ採点タイム。結果、10点満問中7問正解!くっ…少々不本意な結果か……!
それでも一応お会計から5%OFFはしてくれるそうだ。有難い。「合っている方だよ~」と励ましてくださった。そうなのか。
明石焼きがやってくる。
ふっわふわのホッカホカだ。おいしそう以外の言葉が出てこない……いや、熱そうの方が先だな。
ラズ先生は「これは絶対熱いですよ」と宣言しつつも、速攻で丸ごと口に入れ、見事なハフハフっぷりだった。そうだ、ハフハフする儀式まで含んで明石焼きってもんだ、ナオさんもわたしもみんなでハフハフする。
超熱い。
おだしも生地もタコもものすごく美味しい。やさしく柔らかい風味に追ってビールを飲むのがたまらない。超熱いけど。
パクパクと食べ進め大満足。かなり素晴らしい旅の1歩目だったのではないだろうか。
さて、いよいよフェリーに乗り淡路島へ。
乗り場へ向かう途中ナオさんが「もし良ければなんですが…」と遠慮がちにお酒を売っている自販機の場所を教えてくれた。
なんでも、洋上で飲むお酒は格別で、この自販機が乗船前最後の酒売り場なのだという。
さすがの一言。そりゃもう買う。買わらいでかぁ。缶ビールゲット。
さて、乗車時間となり船に乗り込む。水の上に浮かんでいるものに立つとき独特の不規則な揺れ。風。海の上に身を置いているという実感。
所要時間13分の船旅だ。このシチュエーションでビールが無いなんて、何かが半減してしまう。我々のような人種にとっては乗船前のお酒購入はマストなのでは?
「なんでもっと強く購入を勧めないのですか」と恩人ナオさんに詰め寄ってしまった。
島が近づく。このフェリーは細長い淡路島の最北端である岩屋という町に着くものだ。
湾内に入りスピードがゆるんだ頃、船着き場の近くにぽたさんとヤマコさんがいてこちらに大きく両手を振ってくれている。こちらも振り返す。無事2チームが合流した。
事前にナオさんに「船着き場のお土産物屋が色々取り扱っていて楽しいんです。はしおさんはきっと好きだと思う」と教えてもらっていた。
知人に淡路島の玉ねぎのすばらしさを教え込まれてきたので箱買いするつもりだった。ここで1箱購入し自宅までの配送手続きまで済ませた。みなさんその間待たせてすみません。
岩屋商店街を進む。
銭湯も横の飲み屋も開店時間まではまだもう少々間があるので、散歩がてら近くの産直売り場など覗こうと進んだ。
ここでびっくりしたのだが、本土よりかなり蒸し暑い気がする。港付近だからか?この日は曇り空で、太陽が出ていないぶん楽ですね、なんて話していたのだがこの湿気はスゴイ。汗をかいて水を飲む。
産直所に着く。時間もあるし、イートインスペースで一息つこうとビールを飲むことに。ぽたさんヤマコさんに先入りの御礼がしたかったのでみんなでビール代を割って出す。
ご当地ビールを持ちみんなでカンパイだ。
飲んでひとしきり話したところで、ラズ先生からサインをもらえるチャンスが訪れる。みんな何かしら著作を持参しており、ナオさんがペンを持ってきてくれたのだ。
わたしは散々迷った挙句、最近開催されていた個展のグッズにお願いした。
銭湯付近に戻ることに。
ここまでの道のりで気になっていたのだが、町の規模や商店の数に対して喫茶店の割合が多い。ラズ先生と「なんでなんでしょうね」なんて話しながら歩く。こういう町の特徴って面白い。
銭湯「扇湯」と、隣接する立ち飲み屋「ふろやのよこっちょ」。この2施設が今も元気に営業されているのは、応援し運営を支えている方々「島風呂隊」の存在があるから、とのこと。
島風呂隊について調べて書こうと思ったら、過去のスズキナオ先輩の記事が一番よく分かるうえ詳細でした。さすがす、パイセン。
※下記記事は現在のふろやのよこっちょとは営業場所や形態が変更になっていうようです。
さて、まずはよこっちょで一杯飲み、あとは各自気が向いたら扇湯でお湯をいただいたりして適宜過ごそう、ということに。いいぞ、自由にゆるりと飲むゾーンだ!
今回のお目当てのひとつ、閉店してしまう鮮魚店「林屋」さんは予想通りかなりの混雑で、予約はできたものの夕刻にならないと順番が回ってこない見込みとのこと。すごい。
そんな貴重なものをわたしのような一見がご相伴して良いのか…と躊躇するが、もちろん楽しみでもある。改めてぽたさんヤマコさんに大感謝。
なお、よこっちょは島内の商店を応援する目的で持ち込みは自由。林屋さんのお造り盛り合わせは常連にとって定番のつまみなのだそう。
雰囲気を楽しみながら飲んでいると、常連さんが先にゲットした林屋のウナギやマグロを分けてくださったり、使わないから、とウナギのタレのボトルをくださった。ひゃっほう!!
すると、別の常連さんが近くを案内するから散歩しない?と話しかけてくださった。
ラズ先生とナオさんは散策に出ておられ、ぽたさんとヤマコさんは「島はじめてなんですよね、良かったら行っておいで~」と送り出してくださった。
人気だというお好み焼き屋さん「紋六」(もちろんここの品もよこっちょ持ち込み定番)や、川沿いの道など教えていただく。どの景色を切り取っても海の存在を感じて、下町(というか中途半端な田舎)育ちわたしの人生にはない風景で新鮮だ。
するとお囃子の音が聞こえてくる。地車(だんじり)が置いてある。見ていると持ち主であろう男性がやって来たので、お祭りか何かあるのですか?と尋ねてみた。すると、お祭りは9月中旬の予定で、これは趣味で作ったものだという。
趣味で?作った?確かにハンドメイドの影を感じる細部はあるものの、かなりきちんとした造りのものだ。170センチは超えるサイズで、子どもなら3,4人入るという。「お姉さん一人なら乗れますよ」という。いや、一般女性よりかなり体重あるのだけどな…と思いつつ否定しないでおいた。
長話をしてしまい、ナオさんがLINEをくれる。は!戻らねば。彼とInstagramのアカウントを交換して別れた。掲載許可をもらったので写真を載せておく。
戻ると、どうやらラズ先生とナオさんが紋六の焼きそばなどを買ってきてくれていたらしい。食べ逃したー!と思ったがまた来ればいい。
散歩で汗だくになったのでお湯をいただくことにする。
銭湯内部に入るとかなり古いつくりだがキレイに磨かれていて、あちこち眺めてしまう。番台前には名産品?なのか物販が展開されていて、食品から雑貨まで豊富なラインナップだ。
お風呂にはわたしひとり。足を伸ばしてゆっくりしよう……と浸かりに行くと、びっくり、超熱い。本日二度目の、超熱い。
銭湯慣れしていないからなのだろうか、自宅のヌルい湯につかり過ぎたのだろうか、熱くて数分つま先を入れてはヒィ、入れてはヒィ、を繰り返した。ひとりで良かった。
なんとか慣れてお湯に浸かれてひと息つく。あー、お風呂って幸せ。
すっかり温まって出るとなんだかスッキリしている。ここまで飲んだお酒もリセットされているような。あー、改めて、ビール飲みたい!
汗まみれの服を取り換えてロビーへ行き、番台前に売っているオリオンビールを購入。
引き続き飲みに合流。途中近くのスーパーまで行きチーズおかきを買い足したり、別のビールを飲んでみたりとのんびり過ごす。
夕刻も近くなってきたのでナオさんと一緒に林屋の様子を見に行くと、予約のものは出来上がっているとのこと。引き取ってよこっちょに帰る。
いざ。
これが林屋の刺し盛り(3,000円)だ!!
一切れずつ大事にいただく。
しみじみおいしいお造りだ。さっきまで生きていたのかい?と聞きたくなるしっかりとした歯ごたえは新鮮さの証だろう。生命力がまだこの身に残っているぞ、という感じ。
思わず日本酒に切り替え。ラズ先生が飲まれていた淡路の地酒、都美人をまねっこして飲む。
だんだんと日が暮れて景色が変わっていく。こちらもだいぶ酔ってきているし、おいしいものを食べ続けているので気分がフワフワしてくる。
よこっちょには入れ代わり立ち代わり色々な人がやってきて、ナオさんは知り合いも多いよう。ラズ先生は色々な人に話しかけれている。
みんな思い思いに過ごしながら楽しく飲んでいる。灯りやネオンの明るさだけじゃない、ほんわりとした温かさのある場所だなあ。
ところが少し調子に乗り過ぎたようだ。とっぷりと暗くなってきたころ、少し疲れが出てしまった。ひどい蒸し暑さの中ずっと立ち飲みを続けていたのでしんどくなる。(よこっちょにはエアコンがない)
一旦お水を挟まないとマズイなと、自販機へ。少し休憩がてら、その場でじっとしてみた。
ボーとしていると、遠くの空に月らしき灯りが見える。建物の陰に隠れて本体は見えないのだが、位置的には月なはず。
今日の月、大きそうだな。
少し回復の兆しを感じ、よこっちょへ戻る。
戻ると、そろそろ帰りましょうかというムードだ。片づけて引き上げる。
港に戻る道すがら、ラズ先生に「今日は月が大きそうですね」と言うも、空にはもやがかかっていて実態は見えない。かなり明るい月をもや越しに一緒に見た。
フェリーの待合所に腰をおろして、自販機で今日最後のビールを買う。帰りの船旅も楽しみだ。
そして、待合所のエアコンが効いた空間で涼んでかなり回復した。いやはや気温だいじ。体力がすっかり衰えているアラサー(いや、フォーか)を自覚して気を付けなければ。
待合所には、さっきよこっちょにいたお客さんたちもチラホラ。みんな海を越えてこの酒場に来ているんだね。
無事明石駅に着き、今日のフィナーレとして駅前の居酒屋で少し落ち着いて飲んでから解散とする。
その酒場でお気に入りのピアスを落としてなくした。300円のやつで良かったと思おう。みなさんに一緒に探させてしまって申し訳なかった。旅には捨ててもいい服などで行くのが吉。
ひとしきり飲み、この日はこれにて解散となった。
ラズ先生、ナオさん、わたしは西明石で宿を取っている。ぽたさんヤマコさんは残念ながら明日はお仕事とのこと。(今日は有給を取られての参加だったそう)
駅で別れる。
みなさん本当にありがとうございました。楽しかったなーと思いながら宿まで歩き、コンビニでグラタンを買って食べて寝た。
さっきまで「暑くて疲れが出た~」とか言っていた人の食べるもんじゃないよな。
わたし史に刻まれる楽しい一日だった。2日目へ続く。
とにかく余すことなく記したくて文字数は削らぬ方針で書いた。もし読み切ってくださった方がいたら感謝いたします。
今日のことはナオさんが記事に、ぽたさんが日記に書かれているので、ぜひ読んでみていただきたい。雑音の無い、清閑できれいな文章を書かれるおふたり。憧れる。
今日のおっとっと
ぽたさん、ヤマコさんは以前からナオさんの記事でよくお見掛けしていた方々。いつも勝手に心の中で「ぽっちゃんの登場だー」「今回はコっちゃんも参加している企画なんだー」とニックネームで呼んでいた。
リアルで声に出していないか心配だ。してたらすみません。てゆうかもしコレ読まれてしまったらバレるんだけど。
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