3次元設計データ作成とBIM/CIM設計の違い
3次元設計データ作成とBIM/CIM設計の違いってわかりますか?
双方ともに3次元の設計データを作成するという意味では同じなのですが、データ作成に係るプロセスは全く異なるんです。
3次元設計データとは?
3次元設計データというのは、ICT施工のうち主に土工の施工管理に使用する設計データで、以下の資料(土工用3次元データのフロントローディング作業手順(案))に作成方法が示されています。
土工用3次元データのフロントローディング作業手順(案)
https://www.cgr.mlit.go.jp/icon/pdf/frontloading_ver20200311.pdf
3次元設計データ作成は、道路中心線データと横断形状を組合せてできるスケルトンデータを作成し、それを展開して施工に必要な面データを作成するという作業になります。スケルトンデータは横断面図を基にしているため、横断面図で表現できないもの(交差点や構造物まわりのすりつけ)への対応は困難です。
ではBIM/CIM設計というのは?
BIM/CIM設計というのは実は定義された言葉ではなく、BIM/CIM活用業務におけるBIM/CIM活用目的の達成のために、「3 次元モデル成果物作成要領(案)」に準じて「設計の当初から 3 次元モデルを作成」して、そこから2次元図面を切り出して2次元成果を作成する。
そういうプロセスで設計を行うことになります。
3 次元モデル成果物作成要領(案)
https://www.mlit.go.jp/tec/content/001473006.pdf
BIM/CIM設計では設計プロセスのなかで3次元による検討を行いますので、2次元図面でありがちな立体的すりつけの不整合を予め回避することが可能となり、この手法を採用すること自体がフロントローディングとなります。
BIM/CIMを活用したフロントローディングとは、設計時点(フロント)に手間をかけて、事後(施工時)に発生する不具合等に予め対処するための取組となります。
まとめ
3次元設計データ作成は横断面図を基に3次元の設計データを作成すること。横断面図で表現できないもの(交差点や構造物まわりのすりつけ)への対応は困難。
BIM/CIM設計というのは「設計の当初から 3 次元モデルを作成」してそれを活用しながら進める設計プロセスのこと。プロセスのなかで3次元による検討を行うので、2次元図面でありがちな立体的すりつけの不整合を予め回避できる。
で、何が違うの?ということですが・・・・
一言でいえば、「プロセスです」
ややこしい所にBIM/CIM設計を用いると、効果的ですね。
国土交通省の進める「令和5年度BIM/CIM原則適用」における「特定部の確認」というやつですが、設計したあとで確認しても手戻りになることが多いので、きちんとプロセスから3次元化しましょう!