西谷技術/BIMCIM担当

日本の人口最小県、鳥取県にある建設コンサルタントのBIM/CIM担当のnoteです。 弊社における3次元設計の取組について、あるがままを発信します。

西谷技術/BIMCIM担当

日本の人口最小県、鳥取県にある建設コンサルタントのBIM/CIM担当のnoteです。 弊社における3次元設計の取組について、あるがままを発信します。

最近の記事

ボックスカルバートのウイングを計画してみる

はじめに 別記事(下リンク)で公開している作図ツール(SCIM)によるモデリング手法紹介シリーズの第4弾になります。  今回は、道路を横断するボックスカルバート(箱型函渠)のウイングについて、オフセット・モデリングの手法による3次元設計にて計画する手順を説明します。  ウイング等すりつけの検討は2次元設計だと面倒で間違えやすい部分なのですが、3次元設計では幾何的・視覚的に決めていけるので便利です。  簡単ですので、ぜひやってみましょう。 【これまでの関連記事リンクです】

    • ボックスカルバートを計画してみる

      はじめに 別記事(下リンク)で公開している作図ツール(SCIM)によるモデリング手法紹介シリーズの第3弾になります。  今回は、道路を横断するボックスカルバート(箱型函渠)を3次元設計手法にて計画する手順を説明します。  簡単ですので、ぜひやってみましょう。 【これまでの関連記事リンクです】 オフセット・モデリングのすすめ|西谷技術/BIMCIM担当 (note.com) 道路形状をモデリングしてみる|西谷技術/BIMCIM担当 (note.com) 擁壁を計画してみる|

      • 擁壁を計画してみる

        はじめに 別記事(下リンク)でオフセット・モデリングの紹介をしていますが、前回に引き続き、同記事内にて公開している作図ツール(SCIM)の機能や モデリング手法について紹介します。  今回記事では、前回記事「道路形状をモデリングしてみる」にて作成した計画道路に対して、擁壁を3次元設計手法にて計画する手順を説明します。  簡単ですので、ぜひやってみましょう。 オフセット・モデリングのすすめ|西谷技術/BIMCIM担当 (note.com) 道路形状をモデリングしてみる|西谷技

        • 鳥取城跡と巻石垣

          はじめに 弊社の測量技術のPRと地域貢献を目的に、鳥取県内唯一の日本百名城であり、国指定史跡でもある「鳥取城跡」の3次元測量をさせて頂きました。  今回は、その測量結果シリーズ第1弾として、「巻石垣」についてスポットライトを当てたいと思います。 巻石垣ってなに? 鳥取城跡天球丸の『巻石垣』は、石垣の崩落を防ぐことを目的に江戸時代の終わり頃に築き足されたものです。このように角を持たない球面の石積は治水工事などに用いられる技法ですが、城郭の石垣においては 国内唯一の大変珍しいも

          道路形状をモデリングしてみる

          はじめに 別記事(下リンク)でオフセット・モデリングの紹介をしていますが、今回は同記事内にて公開している作図ツール(SCIM)の機能やモデリング手法について紹介します。簡単ですので、ぜひやってみましょう。 オフセット・モデリングのすすめ|西谷技術/BIMCIM担当 (note.com) 道路形状のオフセット・モデリングいきなりモデリングしてみて、と言っても難しいですよね。 そこで、弊社で行っているモデリング方法を少し紹介したいと思います。 まずは環境整備 何事にも、準

          道路形状をモデリングしてみる

          オフセット・モデリングのすすめ

          オフセット・モデリングに至った経緯 道路とか河川とか、土木で扱うものの寸法の多くは、「平面線形」に対して変化する縦断(高さ)と「横断方向」の寸法により、設定されます。 CADによる作図を行うとき、通常の汎用CAD機能ではこの「平面線形」「横断方向」による作図を行うことが困難でしたので専用CADによる作図が必要となっていました。 しかしながら、専用CADは取り回しが面倒で細かいところの作図に不向きだったこともあり、当社では汎用CADで「平面線形」「横断方向」を扱うためのVBA

          オフセット・モデリングのすすめ

          3次元設計の精度と誤差

          3次元設計に立ち向かう勇者が必ず立ち向かわなければならない問題のひとつに、モデル作成精度と誤差の問題があります。 合う、合わない。3次元をしたのに合わない。 断面切ったらズレてた。もう3次元いやだ。意味がない。 そんな闇に落ちそうなあなたに、この言葉を捧げます。 「仮にその通りにモノができたとして、困る程度の誤差ですか?」 モデルに必要な精度(土工構造物)モデルに必要な精度は、設計対象物に必要な精度です。 土工構造物の場合は、以下の基準を参考にするとよいでしょう。 htt

          3次元設計の精度と誤差

          オフセットと面のねじれ

          土木設計で多用するオフセット。 2次元設計ではあまり気にしていなかったけど、3次元に展開するときに頻繁に問題になるのがコレです。 よくよく考えると防げる話ですので、設計者の方は気にする習慣をつけるようにしましょう。 勾配がつく曲がりは、ねじれますどういうことか、説明するために極端な例を示します。 ねじれた例 ・辺AB(赤線:法尻)は長さ5mに対して比高差1mで勾配20% ・辺BC(赤線:法尻)は長さ5mに対して比高差2mで勾配40% 高さ4mで5分勾配(※)の壁を作ると

          オフセットと面のねじれ

          断面オルソのすすめ

          背景点群データで設計を行う場合は地表面サーフェスモデル(LANDXMLなどの一枚面データ)をもとに設計を進めることが多いですが、点群の生データにはもっと情報が詰まっているため、点群データの活用方法として断面オルソデータの作成を強くオススメするために記事を書きます。 断面オルソとは?航空写真などを歪みを取った画像をオルソ画像といいますが、オルソというのは正射投影法(Orthographic)の略で、無限遠の視点から対象面に直角にみた歪みのない図を作成する投影法になります。平面

          断面オルソのすすめ

          3次元設計データ作成とBIM/CIM設計の違い

          3次元設計データ作成とBIM/CIM設計の違いってわかりますか? 双方ともに3次元の設計データを作成するという意味では同じなのですが、データ作成に係るプロセスは全く異なるんです。 3次元設計データとは?3次元設計データというのは、ICT施工のうち主に土工の施工管理に使用する設計データで、以下の資料(土工用3次元データのフロントローディング作業手順(案))に作成方法が示されています。 土工用3次元データのフロントローディング作業手順(案) https://www.cgr.m

          3次元設計データ作成とBIM/CIM設計の違い

          最近の写真測量がすごい。

          背景最近はコンピュータの性能向上、デジタルカメラやソフトウェア(画像認識技術)の性能向上、UAVなど新しい機器の低価格化などの恩恵をうけて、写真測量が身近なものになってきました。 我々地方の中小土木測量設計業者が仕事を行う上で、成果作成に関する省力化や精度向上にかなり役立つようになってきましたので事例紹介させていただきます。 で、どんなものができるの?とにかく、見てもらうのが一番ですので以下の動画をみてやってください。 すごいですよね。これ3次元モデルなのです。かなりリアル

          最近の写真測量がすごい。

          マップシートのご紹介

          また来てますね。台風。 当社のある鳥取県では、令和5年8月14日から16日にかけての台風第7号による大雨で、結構な被害が出ております。 災害の仕事では、多数の被災地を駆けずり回る必要がありまして、しかも山の中とかが多いです。こんなときに役立つのがGNSS。 最近は便利になったもので、携帯端末ひとつで自分の位置がわかります。 こんなGNSSの情報を整理出来たらいいな。ということで役立つマップシートというものがありますので、ご紹介します。 1.地理院マップシート まずは国

          マップシートのご紹介

          BIM/CIMを活用した設計ってどうしてます?

          皆様、こんにちは! いきなりな質問ですが、BIM/CIMを活用した設計って、どうやって対応されていますか? なかなか使えるソフトウェアがないので、たくさんのソフトウェアを組み合わせて使ってなんとかしている・・というのが実態だと思います。いいソフトがあったら、教えてほしいです。ほんと。 ソフトウェアの構成について当社はどうしているかというと、20年以上前からSTRAX Cubeという3次元設計ソフトを導入している関係もあって、STRAXの利用を基軸として下図のような構成で対応

          BIM/CIMを活用した設計ってどうしてます?

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          皆様、こんにちは。 日本の人口最小県、鳥取県にある建設コンサルタント 「西谷技術コンサルタント株式会社」のBIM/CIM推進担当です。 ■会社のHPはこちら■ 近年はGNSSや点群測量に代表される新しい測量方式の台頭により設計施工の3次元化が可能になってきました。 そのことから、少子高齢化や建設関連業の担い手不足への対応の切り札として、それらを活用した建設DX(i-Construction,BIM/CIMなど)の取組が推進されています。 しかしながら、設計分野では「発注図書