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BIMとCAD

BIM は、"使うのは簡単、マスターするのは難しい"と言われています。自分の周りにBIM を使いこなせるという人は何人位いるでしょうか?

おそらくあまり多くないと思います。

一方でCAD はどうでしょうか?現在では、建築設計を仕事にしている方なら使える人が大半ではないかと思います。

CAD は1980年代から一般企業に導入され始め、それまではドラフターを使い、手書きの図面が主流でした。しかし、当時から40年ほどたった現在、手書きの図面は見られなくなり、そのほとんどがCAD に置き換わりました。

BIM が日本に導入され始めてから、十数年たちます。働き方改革や諸外国ではすでに国をあげて導入を推進している国もあり、これからBIM人材は増えていくと考えられ、遅くとも20年後には一般的なツールとなって来るでしょう。


CAD が普及した理由

皆さんの中には、手書きの図面をCAD データに起こした経験がある方もいるかもしれません。CADが普及した背景にはPC の普及、図面の正確性、編集のしやすさ、共有のしやすさ等があります。

CAD が普及する以前は設計者が手書きで図面を描き、それをもとに各業者が必要な部分をトレーシングペーパーを使って写し、書き足したりしていました。

CAD にはレイヤーという機能があり、それがトレーシングペーパーの役割をしています。この機能により、ワンデータで正確に多くの情報を乗せることができるようになったことで、設計図を通した情報のやり取りがスムーズになりました。


3D CAD

汎用CADは一般的に2Dですが、中には3D CADと言う3次元を扱うものもあります。モデルを立体的に作成することにより、より具体的なイメージをつかみやすいメリットがあります。建築設計では主にプレゼンテーションや、検討の際、2Dではイメージが難しい場合や、干渉チェックの際に使用される場合もあり、設計ミスの大幅な削減になるほか、手戻りが少なくなる、打ち合わせ時間の短縮、知識や経験の差で生まれる齟齬の削減も期待できます。

メリットの多い3D CAD ですが、中にはデメリットもあります。

モデルは3次元で作成されるためソフトウエアの操作が2次元のものと比べると複雑になります。そのため、図面を作成する際の労力が少なからず変わってきます。結果、作図スピードや使用できる人員も限られるため、基本的に後追いのものとなってしまいます。後追いとなると2Dと3Dの両方を作成しないといけなくなるため、そのぶん手間が増え、時間に対するメリットが薄くなってしまいます。
他にも、PC のスペックや、他業者とのデータのやり取り、図面の書き込み等様々な課題点があります。

そこで登場するのがBIMです。


BIMとは

ここでは簡単に書きますが、BIM(Building Information Modeling)はその名の通り3次元モデルに情報を付加したものです。

BIM というと、多くの人が3D CAD と混用してしまいがちですが、BIMの本質は情報にあります。建築設計では多くの情報を図面に乗せる必要があると前述しましたが、3D CAD との大きな違いがあり、BIM ではモデルに情報を付加することによりそれらの情報の必要箇所を引き出して使用することができます。

この機能と3Dであるということを活かして図面の整合性を保つことができます。

BIM については書くことがたくさんあるため、詳しくはまた別で書きたいと思います。

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