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ダークウェブの子猫達(2)

タイのニュース映像は瞬く間にユーチューブに転載される。新聞社も独自の公式アカウントを持っているが、皆勝手にアップロードしてしまう。おかげでタプティムの住んでいるコンドミニアムがどんなものだか分かった。

現地に行って見てみれば日本の中古マンションと同様の外観。マンションの駐車場にあるプラスチック製ごみ箱に子猫の死体複数が詰め込まれていたと報じられていたが、公式には現在でも子猫達の死因とタプティムとの関係は不明とされている。

タプティムが虐待死させた証拠がある子猫は、タプティム自身がトンブリーのペットカセーム署に遺体を持参した生後2カ月雄猫ソムカウくんの一匹だけ。

私はそのニュース映像も見たが、赤のワンピースを身にまとった、色の浅黒い痩せた女が署内をふらふらと歩き、椅子に座り込んでいた。明らかな麻薬中毒。民主活動家時代は美白薬も服用していたことが分かる。タイでは色が白くないとアイドルになれないのだ。


そして彼女は警察に家宅捜索される身の上に。2018年10月24日、ペットカセーム署は彼女の部屋からパソコンやスマホ、16冊の日本語書籍のうち2冊を「暴力カルトに関する本」として押収。後にそれぞれ駕籠真太郎の「飛び出す妄想」と沙村広明の「人でなしの恋」と判明。

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