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ダークウェブの子猫達(3)

わかめさん、というのはもちろん仮名。

ツイッターのプロフを見た限りでは2003年にバンコクに移住し現在は株取引で暮らしているとのこと。実はこういう人は結構多い。

日本で「普通に」大学を卒業後「普通に」就職したが、息苦しさを感じ退職し比較的治安がいいとされているバンコクで現地採用社員になったり、ノマドワーカーになったり、起業を試みたりする若者達が増えてきたのが2000年代前半。

定住まで行かなくてもバンコクに度々来てはサービスアパートメントを借りて長期滞在する人も。リタイアメントビザを取得しバンコクやチェンマイなどで退職後の余生を送る人々もいる。

2019年の今では物価も上がり暮らしにくくなったはずだが、テレビ番組で「物価は日本の3分の1」「高級マンションの家賃は5万3千円」などと「バンコクは約束の地」であるかのように喧伝されている。日本は低賃金で労働時間が相変わらず長く、年金等将来の社会保障にも期待出来ない国なのでそういう情報に飛びついてしまうのだろうが、真に受けてバンコクで暮らしてみると、例えば現地採用職員として数年働いてからやっと「タイでの職歴は日本では職歴として評価されにくい」ということに気づいてしまう。

そういう世界から脱却したい人が始めるのが株や仮想通貨取引。1日で数千万円損したとか得したとかいう毎日に慣れると雇用者人生には戻れないというのはなんとなく分かる。

ただ、昨年のビットコイン暴落までは「億り人」のチャンスがあった。それを逃して中年に差し掛ると老後が厳しい。だから私はタプティムのダークウェブ子猫殺害ショーへの報酬としてビットコインが支払われたと聞いた時、「他にもっと値上がりする仮想通貨はなかったのかな」と首を傾げた。ただ、簡単に言えばダークウェブではビットコインが基本通貨とも言える。

しかし、ボディビルダーの趣味が猫虐殺動画鑑賞というのは当初ピンと来なかった。私も筋トレ経験者なのでわかめさんのボディビルに関するツイートを見ると「真剣にやっている人なんだな」と理解出来た。

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