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見えざる出資って今必要ある?

※注意
出典とかはなるべく明示して正しい情報に基づいて書くつもりではありますが、基本ゆるふわで思った事書いていると思ってくだしあ

昨今の日本の雇用慣行について

 2019年の5月頃に経団連が終身雇用維持が難しいという発言があったのはもうだいぶ昔のように感じる昨今、同一賃金同一労働や、解雇規制と既存の日本の雇用慣行を変えていくべきではないかとよく議論されているように感じます。実際にそういう影響が自分に実感があるかはともかくツイッターとかでよく目にするようになったので、変えていくべきという意見をちらほら見かけるようになったのでそいう機運は少し見えているのかなと思うようになりました。

 経営者ですと自称されているアカウントなどからも変えていくべき、特に解雇規制を緩和して雇用の流動性をあげないと!と言う意見を先日目にしたので労働者側からじゃなくても経営する側の人間でもそう考えるんだなぁとぼーっと見てた記憶があります。

 成果主義的な慣行が入り混じり、労働者の生産性も低いこの国で終身雇用や年功序列、企業別労働組合といった日本型雇用慣行の維持が難しく、もっと今の時代にあった雇用慣行に変えていこうじゃないかと言うのはいいことなんじゃないかと私は思っています。ある一点を除けば

ところで見えざる出資とは?

 唐突ですが"見えざる出資"と言う言葉をご存知の方ってどのくらいいらっしゃるんですかね?自分は大学の人的資源管理の授業を受けて初めて知ったくらいなのですが。

 見えざる出資とは日本型雇用慣行からくる、労働者の生産性と賃金の不一致のことを言うそうです。

人生100年時代にも通用する日本的人事を考える
日本型人事制度は本当に終わったのか?

 どういうことかというと、労働者を終身雇用で雇い続ける日本企業において最終的に支払う一生涯の賃金と労働者の生産性が見合わないと言うことで、新卒で雇った新入社員の給与などを安く抑えることにより、その釣り合いを取ろうとします。

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(上記URLのPDFから出典)

 そして新卒期間が過ぎた後、労働者の生産性が賃金を上回り続ける期間が長く労働者からすると賃金に見合わない労働を長期間において強いられており、企業に対する不満となりかねない。なので年功序列で長期間働き続ければ賃金は生産性が上回り、プラスアルファで賃金の不満解策として、企業年金やら退職金還付やらで生涯働き続けることでその労働の対価を受け取ることができますよということにしています。これを生産性が賃金を上回っている労働者から一時的な企業に対する出資だと捉え、この言葉が生まれました。

 ちなみに諸説ありますが、会社を辞めるかどうかは3年働いてみてと言うのも労働者側がこの見えざる出資の一時的な回収点が3年後にあると言われているからです。そこから先は生産性が賃金を上回り退職まで対価の回収が難しいです。賃金と言う物理的な欲求不満が一時的に解消されてもなお辞めたいと思うのであれば、辞めた方がいいと言うきちんとしたロジックがあるので3年間は働けという定説はここから来てるんじゃないかと私は支持してたりします。

日本型雇用慣行を辞めるのであれば見えざる出資は必要ですか?

 さてさて、ここで一番言いたいタイトル部分に言及できるのですよ。終身雇用制度が崩壊し、解雇規制を緩和したりと色々と施策を考えている経営者諸氏は制度を変える際に労働者の賃金体系を大幅に変更する必要があるとちゃんと認識した上で、日本の雇用慣行を変えるべきだと言っているでしょうか。

 私はノーです。ただでさえ何かと理由をつけて、同一賃金ではないと言い張り、派遣労働者が同一賃金同一労働の恩恵を受けることが難しい日本ですよ?多分解雇規制が緩和されても大卒新卒者の手取りが15万は高い!とか日本の経営者は言い張るんじゃないですかね?

 なので一番最初に私がある一点を除けば雇用慣行の変化は望ましいと言ったかと思いますが、逆に言えば、この一点が改善されなければ私は雇用慣行の変化は望ましくないと思っています。賃金安いままで、企業からは解雇されやすい社会なんて地獄じゃないですかね?

 そもそも、終身雇用制度維持できないと言ったりリストラを募ったりと最近企業が長期雇用をやめようとしているのになんで労働者側が出資しないといけないのでしょうか?おかしくないですかね?

 と言う社畜から見た日本型雇用慣行のお話です。

 そんなんだからグローバル社会における人材獲得競争で負けるんですよ。

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