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『ストーリーとしての競争戦略』は個人にも当てはまるか。

朝の時間、外勤への移動中を利用してやっと読み終えた本がある。

『ストーリーとしての競争戦略』
一橋ビジネススクール特任教授の楠木建さんの著書だ。

手に取るとわかるけど、非常に分厚い。計544ページになる。電車の中で読むのも一苦労だった。アマゾンの評価は4.4(計1981件のレビュー)と高評価な本だったので、楽しみに読み始めた。

正直に言うと、序盤はつまらなかった。しかし、業界ごとの参入障壁の高さの話が出てきたあたりから一気に面白くなり引き込まれた。ここで出てきた製薬業界の話は、もろに自分の生活とも関わる部分。この内容だけでも一本書けるので、次回以降に深掘りしていく。

この本には、「企業」の競争戦略について書かれている。しかし、自分は現在一勤務医として働いている。「個人」にもこの論法は当てはまるのか、と考えてみた。

企業の戦略ストーリーは、そのストーリーを話している人自身が「面白がっている」ということが大事だ。と書かれている。

どんな戦略ストーリーでも、エンディングは決まっていて、「持続的な利益創出」というハッピーエンドになる。そのゴールに向けて、自他ともに面白いと思えるストーリーを描けるかどうか。

思えば、最近の自分の目標は「学位をとって、役職を上げる」「自分の商品を作る」とか利己的な考えばっかりであった。

本の中にも今の自分のような登場人物が出てきて
「ある分野の資格を取って、専門能力を身につけたい」とか
「グローバルに活躍できる人材になりたい」とか
「ベンチャー企業を興して起業家として成功したい」とか、そういう話が出てくる。

そこでホンダでエアバッグ開発などを担当した小林三郎さんがこう言う。「それは個人の『欲』です。『夢』という言葉を使わないでください。」著者の楠木さんも横で聞いていて痺れたそうだが、私も読んでいて痺れた。

なんて自分の今の目標がみみっちいものだったか。人間は誰しも利己的な生き物だが、自分以外の誰かに必要とされたり、喜ばれたり、感謝される実感が持てると、一番嬉しい気持ちになる。

その大事な部分を思い出して、人生の方向修正ができる本だった。この企業についての戦略が個人にも当てはまるかどうかはわからない。個別の具体策に手を出す前に、確信が持てるまでコンセプトを考え抜く。この本の勧めに従って、「私個人」のコンセプトをもう少し練っていこうと思う。


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