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どうして喧嘩になる?あなたのことを理解しようと思っているのに‥

人間関係は難しい…


相手を理解しようと思って、相手のためと思って伝えた言葉、
でも、伝わらない。
それどころか、
相手に「そんなこと、わかってる!」「おせっかい!」と取られてしまう。

そんなつもりじゃなかったのに‥
人間関係は難しいと、つい思ってしまう‥


このお正月、実家に帰った。
久しぶりに、父と食事をしながら話をした。

僕はプロコーチとして独立を目論んでいる。
しかし、今は、硬~い公務員。
父は、一つの組織で最後まで勤め上げた準公務員。

やはり話題は、
「お前は、この先どうしていこうと考えているんだ?」
というところに。

今考えていること、今取り組んでいることを説明する。

しばらく話すと、父の言葉が飛んでくる。

「コーチングと言っても、まだ望む人も少なく、需要がないだろう」
「お前がついているコーチは、仕事を紹介してくれるのか?」

「フリーランスとして、自分で仕事がとれるのか?」
「人脈をいかに築くのかが、大切になってくるんだぞ」
「保険だって、今までとは違う」

たたみかけられて、カチンと来てしまった。

 「僕だって、考えている‥
 考えて、不安の中に立って、必死に道を開こうとあがいている!
 一人でやっていくことが簡単じゃないことは、
 自分が一番分かっているつもりだ!」

と声を荒げてしまった。
大人げなく‥。

ひと悶着のあと、父は
「お前のことを理解したかったんだ‥」とつぶやいた。

そして、僕の口をついて出た言葉、
「本当に理解したいのならば、『あなたの枠から出て相手の話を聞くべき』だよ。」



理解したい


息子を心配してのことだ、
父は追いゆく姿を自分に見せてくれている、
僕は大人げない、
という視点は事実だが、今回は横に置きたい。

僕の大人げない親子喧嘩から、「理解したい」という聴き方について考えてみたい。

私たちは、相手の考えや、相手の想いを理解したいというとき、
もちろん一生懸命に話を聴く。

相手の言葉から、そこにある相手の考えや想いを見つけ出そうと聞く。
そう、これは、間違っていない、正しい聴き方。

でも、理解しようとした瞬間、相手の世界から離れてしまうことに気づいたことがあるだろうか。

私たちは、相手の言葉から、自分が理解できる考え方を通して、相手の考えを汲み取ることをする。
私たちは、相手の言葉から、自分の経験を通して、相手の抱いた想いや感情を汲み取ろうとする。

これは、自然なこと。当然なこと。
だって、そうしなければ、自分として相手を理解できないし、自分として相手の想いも分からないから。


しかし、大人げない親子喧嘩を、横から垣間見てくださったあなたは、気がついたのではないだろうか。

父親は、自分の視野から相手を見ている。しかし、それは息子が見ている視点ではないし、感じている想いからもずれている。

父親は、理解しようと思っているからこそ、自分が理解できる見方、考え方で息子を見る。

しかし、父親と息子は違うので、見方、考え方が異なることは当然のこと。

だから、息子が見ていること、感じているものとは異なってしまうことも、また当然である。

赤いチューリップを見ているはずなのに‥

誰もが知っていることなのに、この罠に落ちてしまうことが、なんと多いことか。


では、どうしたらいいのか


相手の話を聞くとき、次の3つを意識して聞いてもらいたい。
たった3つのポイントで、あなたのコミュニケーションは劇的に変わります。

① 相手のことを「理解することはできない」、と心得る
② 相手のことを「知りたい」と思って質問してみる
③ 「自分の想い+クエスチョン」で尋ねてみる


① 相手のことを「理解することはできない」、と心得る

相手を理解したいのであるならば、
『自分の枠』から出なければなりません。

自分の枠から出たとき、そこにある世界は自分の視点から見たものではないため、理解することは難しい。

たとえ同じ経験をしたことがあるとしても、それは、お互いの一部分であって、全てではないのです。

当たり前といえば、当たり前です。

では、どうするのか。


② 相手のことを「知りたい」と思って質問してみる

尋ねるしかありません。
「どう思ってるの?」
「どう考えてるの?」

相手が見ているものは、相手の視点からでしか見えません。
相手が感じていることは、相手の心でしか感じられません。
だから、尋ねるしかありません。

「共感」するというのは、相手に尋ねていくことでもあります。
相手のことを「知りたい」と思って、尋ねていくことです。

有名な、心理学者アルフレッド・アドラーは
「他者と関わることで最も大切なことは、相手の目で見、相手の耳で聞き、相手の心で感じることだ」
という言葉を残してくれています。


③ 「自分の想い+クエスチョン」で尋ねてみる

でも、自分の想いも伝えたいのが、人ですね。
父のように。

聞いているだけでは、むずむずしますよね。
消化不良みたいに。

そんなときは、「自分の想い+クエスチョン」で尋ねてみます。

「人脈を築いていくのが大切だと思うんだけど、どう思う?」
「保険も変わると思うんだけど、そこはどんなふうに考えてるの?」

そこで、初めて相手の考えや想いが、相手によって語られるわけです。
そこで、初めて言葉として、私たちが受け取ることができるわけです。

「そう思ってるんだね。」
「そう考えてるんだね。」

私たちは、コミュニケーションという手段をもっています。

相手のことを理解したい。
いや、相手のことを知りたい。
だから、コミュニケーションをとるわけですね。

「共感する」とは「知る」ことなのですね。


いやいや、相手のことを思うから、もっと伝えたいし、教えてあげたいんだよ!という思いもあるかもしれませんね。
そんな時は、アドラーの言う「課題の分離」です。
(この話は、また改めて。)


最後に


① 相手のことを「理解」することはできない、と心得る
② 相手のことを「知りたい」と思って質問してみる
③ 「自分の想い+クエスチョン」で尋ねてみる

よかったら、参考にしてみてください。
この3つを使うことで、あなたのコミュニケーションは、ガラリと変わるはずです。

そして、あなたと話す彼、彼女は、
あなたのことを「私のことを、とても理解してくれる」と感じてくれる、おまけ付きです。


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