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2014年GQマガジン掲載ジミー・ペイジインタビュー①

最近海外のファンの間で話題になっていた2014年GQマガジン掲載のジミーのインタビューを翻訳しました。
ジンジャー・ベイカーのジョン・ボーナムに対する批判や、ドラッグ問題、ロバート・プラントのレッド・ツェッペリンへの頑なな態度に対する思いなど、日本のメディアが中々突っ込んで聞けない領域の質問について答えていてます。

GQ: Jimmy Page and the Grouses of the Holy

あぁ、ジンジャーよ。それはボーナムについて唯一否定できない点だった。

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GQ: 何が音楽をヘビーなものにしますか? ヘビーさは音楽をラウドにするもののひとつではありますが、あなたはどうやって音楽をヘビーに感じさせますか?

ジミー: それはアティテュードだけとは言いたくない。でも、それはアティテュードと多いに関係がある。レッド・ツェッペリンのレコードに取り入れていたことのひとつは、僕がジョン・ボーナムのドラムの音を活かすことに非常に熱心だったということだ。なぜなら彼は、ドラムを投影するためのチューニングにおいて技巧家だったからだ。ドラムの正面にマイクは設置しない。音楽的には、距離は奥行きを作り出す。ドラムはアコースティックな楽器だから、その雰囲気を取り入れることが非常に重要だ。ジョン・ボーナムがジョン・ボーナムだったのは、レッド・ツェッペリンにいた時だけだ。ジョン・ボーナムはポール・マッカートニーのソロでプレイしたことがあったが、全て閉め切ったレコーディングの仕方のせいで誰もそれがジョン・ボーナムだとは気づかないだろう。ジョン・ボーナムは繊細なミュージシャンだった。レッド・ツェッペリンの最初のトラックでジョン・ボーナムが世界に紹介されてから、彼のひとつのベースドラムから、ドラミングはそれ以前と変わってしまった。ロックであろうがジャズであろうが関係ない。そこにドラムが関われば、彼が変えてしまったんだ。

GQ: ジンジャー・ベイカーのドキュメンタリー-Beware of Mr. Baker-の中でジンジャー・ベイカーがジョン・ボーナムの音楽的能力について批判していたのを見て、驚きました。ジョン・ボーナムについて他のドラマーが批判しているのを聞いたことはなかったし、彼は普段は手の届かない存在ですよね。

ジミー: あれは興味深いドキュメンタリーだ。なぜならあの始まり方がね。ジンジャーが監督を杖で殴るところから始まるんだよね?君が言っていることはわかる。そしてそれにはがっかりさせられたよ。ジンジャーはボーナムがスウィングしていなかったと批判した。僕は、"あぁ、ジンジャーよ。それはボーナムについて唯一否定できない点だ"って感じだった。ジンジャーの批判は馬鹿馬鹿しいものだと思った。彼の言っていることは本当に馬鹿げている。

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ヤードバーズ時代にある種の実験をしたことがある。


GQ: Whole Lotta Loveでリバースエコーを使った時は?

ジミー: リバースエコーはファーストアルバムの"You Shock Me"にも収録されている。下からつきあげるような音が聞こえるだろう。現代はファイルを逆にするだけでいいが、当時はそうではなかった。物理的にテープをひっくり返し、エンジニアをそういう風にするように説得しなければならなかった。なぜなら彼等はそういうふうには考えないからね。僕はヤードバーズ時代にある種の実験をしたことがある。ヤードバーズではシングルをリリースしなければならず、それはバンドの魂をうんざりさせるようなものだった。しかし、シングルには金楽器が入っているものもあり、僕はその金楽器のサウンドを何か面白いものにしようと試みた。金楽器にエコーかけてテープを逆再生し、エコーが信号に先行するようにした。そしてそれがとても良いアイデアだとわかったから、そのテクニックをレッド・ツェッペリン全体の作品に多く用いたんだ。


GQ: その様なアイデアはどのように思いつくのですか?まずサウンドを頭の中でイメージしてそれからそのサウンドをどうやって作り出すことができるのか考えるのですか?それともテープをひっくり返すことを思いついてそれからどうするか様子を見るのですか?何故ならその様なアイデアはそれ以前に誰も考えつかなかったのでは。


ジミー: そうだね。(僕がそれをするまで)誰もそれをしたことがなかった。僕はただ考え、イメージしてみて、なんとなくその音が頭の中で聞こえたから、それでうまく行くかどうか試してみた。当然、テープを逆再生したらどんな感じに聞こえるかは分かっていた。

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