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白衣姿の母。お母さん、お誕生日おめでとう。

今日11月26日、母の誕生日。
「私という存在」「今の私」を作った大きな存在である母。
以前「Wakaの生い立ち(幼少期編)」にも書いた母の背中。寝ず休まず365日ずっと働き続けた白衣姿の母の背中を今、私は追っている。
今日は母の人生、薬局を始めたきっかけを書きたいと思います。

昭和30年11月26日に商店を営んでいた祖父、小学校の教師だった祖母の長女として生まれた母。そして弟が一人。当時は母の祖父母も住んでおり、昭和の時代によく見る家族だったそうです。母はとても働き者だった祖母が大好きだった。母は左利きで幼い頃から近視で牛乳瓶の底のようなメガネをかけていて、昭和の時代、田舎の親戚たちに「可哀想に。そんな娘は嫁にいけない」と言われていたそうです。そして昭和48年に大学入学を機に上京した母は、ある日渋谷駅のハチ公近くにいた手相という小さな看板を出して道に座っていた占い師にふと「手相見てもらおう」と思い立ち寄ったところ、「仕事は成功するが、結婚には縁がない」と言われ、母は「何言ってるの。私は結婚して専業主婦になるから働かないつもりなのに」と少し不機嫌になってその場を後にしたそうです。田舎の親戚たち、占い師に言われたようにまさかの母は現在も独身、バツなしです(笑)最近、母が「私独身だし、もし結婚したら初婚だわ〜!」と笑ってました。

時は流れ、大学卒業し薬剤師国家試験を合格後、母は故郷の徳島へ戻り就職しました。そして母が23歳の時、私の父に出逢いました。
私が言うのもなんなのですが、母は美人で品があり、努力家で賢明なドジです。母は自分をブスでドジでなんの取り柄もないといつも思っていたようで、東京での大学時代に、男友達からダンスパーティへ誘われた時もからかわれていると思い断り、祖母から「東京の男には気をつけて。騙されるわよ」と言われた教えを守り、男性に「半径3m以内近寄らないで」と言って東京生活を終えたそうです。そんな母、もちろん私の父が最初で最後の男性。社会人になった23歳の母は私の父といつしかお付き合いをスタートさせ、結婚してないけどなぜか今も父と母は仲良く一緒に暮らしてます。(もうこの辺りで話が見えてこないと思いますが・・・笑)
父と母の強烈なラブストーリーはまた別の機会にお伝えするとして・・・


とにかくパンチが効いている関係だったため母の両親は猛反対。そして母は赤のカローラに荷物をまとめ、貯金200万だけで母は家出しました。その後祖母がガンを患い、母が27歳のとき祖母は亡くなりました。そしてその翌年私を授かったそうです。

そこから母の波乱万丈人生が始まるのです。(まあ、父と出会った時点から始まってたのか・・・笑)

親ナシ、友人ナシ、家ナシ、お金ナシ、旦那ナシ。見事に何もない母。そんな中、私を身篭り崖っぷち。「子供産んでも頼れる人いない。働いてる間、子供の世話してくれる人いない。困った」と悩んでいた母が目にした近所の個店の薬局をみて、「あの薬局は3人の子供を育てているなあ。開局したらなんとか生活できるかな。自分で店開けば子守りしながら働けるし。大丈夫か!」(驚くほど安易な考え!!)ということで、私が誕生する同年、昭和59年にテナントの一画に小さな薬局を開局。当時まだ母20代。

お金は200万それだけしかないから最低限の工事と購入できる薬、つまり商品を仕入れた。わずかな薬しか購入できなかったので、陳列の見栄えが悪い。そこで薬があるように見せるため、問屋さんから空の商品の箱をもらい、空箱の商品を並べ見栄え良し!としたらしい(笑)
この時に空箱作戦に協力してくれた問屋さんたちは退職しており、今では笑い話になっており、母は当時助けてくれた方々に今でも感謝しています。


まとめると・・・
母が薬局を始めたキッカケは、私の父であり母が最初で最後に愛した男性との出会いから始まり、祖母が亡くなりすぐに私を授かり、独りで私を産み育てていく覚悟と決断をしたこと。そして薬剤師という仕事、患者さんと接することが好きなこと。それが母の薬局の始まりです。来年お陰様で会社は35周年を迎えます。

波乱万丈の人生の母。
母のようにはなりなくないと反抗し、母の強さが時に嫌になり、よく喧嘩もしてしまう。でも、たくましく優しく凛としている素晴らしく私の誇れる大好きな母。幼いときから母の背中を見てきた。お客さんや患者さんと楽しそうに話す母。私が寝静まってから薬局に戻る母。忙しいのに毎日手料理を作ってくれていた母。薬局の駐車場でお客さんが来ない時バトミントンをよく一緒にしてくれた母。疲れて寝込む母。台所で独り泣いていた母。

お母さん、お誕生日おめでとう。
お母さんの娘としてこの世に生まれてきて幸せです。
喧嘩するしひどいこと言っちゃうこともあるけど、心から尊敬し、幼い頃からずっと誇りに思っています。
お母さんを超えられそうないし、仕事のスタイルは違うけど、お母さんの薬局への想いはしっかり受け継いでいます。
どうか身体には気をつけて、仕事以外の人生も楽しんでください。
愛してるよ、お母さん。
娘より


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