あの絵を追いかけて
約25年前に出会って以来、私の心をとらえる絵がある。
「無謀な企て」(←過去のnote)。
その絵が愛知県の豊田市美術館に所蔵されていることを知った。
私の次女の名前は、ルネという。
実は、私の大好きな「無謀な企て」の作者、ルネ・マグリットからとった名前だ。
そのルネが、この春から愛知県の大学に進学をした。これも何かの縁だと直感が走る。
次女に会いに行くのに便乗して、ルネマグリットの「無謀な企て」を目指して、豊田市美術館へ向かった。
福岡空港から中部国際空港へ。
中部国際空港から豊田市美術館までの乗り継ぎ電車の経路をスマホで検索。中部国際空港からは電車を乗り継ぐ約1時間半の道程。
電車に揺られて行く道程は、思いがけず、のどかな田園地帯をのぞみながらの豊かな時間だった。
稲刈りが終わった後の田んぼ。
一面を覆うコスモス畑。
澄みゆく秋の高い青空。
Google mapの示す最寄りの上挙母駅は無人駅だった。
柿の実がなる庭先や、金木犀の香りとともに、現地の方の生活の道を旅行用のキャリーをゴロゴロと引いて歩いて、約20分。
ラストスパートの坂道を登ると、木々に囲まれた、美しい美術館が、そこに佇んでいた。
目指す「無謀な企て」に早く再会したくて、入口のインフォメーションで、その絵はどこに展示されているのかを早速尋ねる。
インフォメーションの女性が調べてくださった。
・・・
「無謀な企て」との再会は果たせなかった。
今、スペインに貸し出されているという。
この日はミュージアムショップで「無謀な企て」のポストカードを購入して帰ることにした。
この美術館にたどり着くまでの、美しく豊かな時間を回想しながら、
またいつか、あの絵に会いにここに来ようと誓い、美しい美術館を後にした。