ネガティブな感情の刷り込みがない世代同志の、清らかに紡がれた友情 - 釜山にて
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釜山の旅の記録を書き残します。
光の航路と虹を見た日 ー 釜山にて|bijou blanc|note
続きです。
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光の上を滑るような感覚で海を渡り、水しぶきの中に七色の虹を見た昨日から一晩あけて、長女の卒業式の日を迎えた。
釜山駅から地下鉄を乗り継いで1時間ほどの、小高い丘の上にある美しい大学で、長女は4年間を過ごした。
4年前も、この場所を訪れた。
最寄りの地下鉄の駅から、大学までのシャトルバスに乗って坂を上る。
坂を上った先のバス停を降りると、見下ろす町並みと美しい空が待っていた。
そしてパルテノン神殿のような美しい学舎に、長女だけでなく、私までも高揚感を覚えた。
その時から4年。
卒業の日のキャンパスで、アカデミックガウンと四角いキャップを身に着けた彼女は、たくさんの友人に囲まれている。
友人に恵まれた楽しい学生生活を送ったことが、見て取れた。
途中、予想できなかった感染症の流行があった。
そこから生まれた、授業体制の変化や、韓国⇔日本の出入国のルールの変動もあった。
そして、テレビから流れるネガティブな日韓関係のニュースもあった。
きっと彼らの中には、そんなネガティブな情報は存在しないのだろう。
人対人としての友好関係を、軽やかに結ぶ若者たち。
長女はほとんどテレビを見ない、スマホ世代だ。
ネガティブな感情の刷り込みがない世代同志の、清らかに紡がれた友情を、とても頼もしく思い、明るい未来が見えた気がした。
空に投げ上げた四角いキャップのその先には、広い空があった。