機能形態学~神経系の興奮と伝導~

①神経細胞、②グリア細胞、③興奮の伝導の順番に見ていきましょう。

①神経細胞
 まずは神経細胞(ニューロン)についてですが、神経細胞は細胞体、樹状突起、軸索で構成されており、神経系の形態的の構成単位と定義付けされています。特に、興奮伝導に特化した細胞ということを押さえていてください。

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引用先:https://saruya-akira.hatenadiary.org/entry/20111102/1320281046

 構造的には上記のようになっています。神経細胞の1.細胞体、2.樹状突起、3.軸索について詳しく見ていきましょう。

1.細胞体
 細胞体は神経細胞の本体です。形状は球形等様々な形をとっており、核やミトコンドリアなど細胞小器官を含みます。

2.樹状突起
 ここが、放出された化学伝達物質を受け取る受容体をもちます。

3.軸索
 ここは興奮を伝導する所です。先の図と各々の機能を照らし合わせてしっかりリンクさせましょう。

②グリア細胞
 グリア細胞については簡単に理解していたら大丈夫です。グリア細胞は、中枢神経系や末梢神経系の神経細胞の周りに存在し、神経細胞を支えたり、栄養補給などを行っています。末梢神経系にシュワン細胞が存在する事も併せて理解しておきましょう。上記の図の軸索を囲むピンク部分を形成しているのがシュワン細胞で、ピンクの部分は髄鞘といいます。剣の鞘みたいな感じですね。

③興奮の伝導
 まず、伝導の定義からしっかり確認しましょう。6.シナプス伝達について、の項目の伝達としっかり区別して覚えるためです。興奮が軸索を伝わっていく事を興奮の伝導と言います。そして、神経終末に達した興奮が次の神経細胞や効果器(内臓など)にシナプスを介して伝わる事をシナプス伝達といいます。詳しくは後述しますが、大事なので「伝導と伝達は違う」ということを最低限押さえてください。

 少し脱線しましたが、さっそく興奮の伝導の仕組みを見ていきましょう。興奮の伝導は、細胞体から軸索の順で起こります。さらにその後、次の神経細胞の樹状突起や細胞体などに伝わります。

 今から軸索における伝導についてさらに掘り下げますが、ちょっと難易度が高いので、必要に応じてスルーしてください。

 軸索には髄鞘という先ほど説明したものがついているものとついていないものがあります。忘れた人は神経細胞の所の説明と図、グリア細胞のところ読み返してください。

 髄鞘を持つものを有髄神経線維、持たないものを無髄神経線維といいます。まずは有髄神経線維から見ていきましょう。先ほども軸索の構造について軽く説明しましたが、末梢神経では、シュワン細胞が髄鞘形成の起点になります。髄鞘は、別名ミエリン鞘とも呼ばれます。脂質を主成分としているため、電気抵抗が大きく、絶縁体として働きます。そして、髄鞘を飛び越えて興奮を伝導できるため有髄神経の伝導速度は速いです。この伝導様式を跳躍伝導と言います。簡潔に説明すると、髄鞘と髄鞘の間をぴょんぴょん飛びながら移動するイメージです。

 対する無髄神経線維ですが、地道に移動するため先の有髄神経線維の伝導速度と比較すると遅くなります。文字だけだとイメージしにくいと思うので下記の図を参考にしてください。

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引用先:https://maho-thera.com/2019/04/03/超基礎から学ぶ神経講座/

 最後に興奮の伝導の特徴について確認してみましょう。伝導には、伝導の3原則なるものが存在します。1つずつざっと見ていきましょう。

1.両方向性伝導
 両方向性伝導というのは文字通り、活動電位が刺激点から両方向に伝わるということです。

2.絶縁性伝導
 ここは少し難しいですが、隣接する神経線維に興奮は乗り移らないということです。簡単にいうと、足をぶつけたのに、手まで痛みが共有されるとたまったもんじゃないですよね。

3.不減衰電動
 不減衰電動というのは、神経線維の直径が一定なら伝導速度も一定ですよ
というものです。

 以上が伝導の3原則となりますが、ここより大切な所は山ほどあるのでざっくり理解で大丈夫です。

 長くなってしまったので、今回はここまでです。

 お疲れ様でした!

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