運を動かす運動
コロナの影響で、世界中のエンターテイメントが一時期姿を消し、演奏を通しての仕事が全く無くなった。でも自分の中では外に出ないでの演奏活動、作って録音する時間とチャンスに恵まれた。自分の為に曲を作り、録音し、、、そんな時間は老後の楽しみに、、、と取っておいたはずの私にとっては意外にも極楽時間だった。
仕事としての音楽は、常に人を喜ばせることにある。それはお客さんだったり、雇い主だったり、共演者だったり。コロナでエンターテイメントが無くなるということは、演奏の仕事がないと言うことで、依頼されないということ。
でも自分の創造性をじっくり楽しむ時間が、たっぷり出来たことは、世の中ではありがたくないと思われていた社会事情のどこから来たのかわからないけれど、私には本当にありがたい時間というギフトだった。
そのありがたい時間というギフトで、もう一つ得たもの。それは体を自分の限界まで動かして、鍛えるという筋肉トレーニングに出会ったこと。
それまでは兎に角、来るものは拒まず、というモットーに、自分の時間を切り売りを最大限にして、サービス精神旺盛に働いてきた。自分のために使う時間は仕事以外ほとんどなかった。その筋トレの存在も、お友達から誘われていたのに、忙しいことを理由に、行けなかった。それがコロナの自粛政策のおかげで、屋外のトレーニングだったこともあり、心機一転、20年以上も放っておいた体のメンテナンス、筋トレに参加するチャンスをもらった。
このまる10ヶ月ほど、ほぼ毎週末出かけ、その前の半年で増えてしまった7キロ中3キロ減に成功。トレーナーテツさん曰く、付き過ぎた脂肪の7キロ分綺麗になくなり、まだ数字に表れていない4キロ分は筋肉に変わった事になると絶賛。
ある意味、人間はこんなにも簡単に太ったり痩せたり体を作ることができるんだ!トレーナーテツさん自身も身体大改造してたので、関わっていたトレーニングメイトはみんな嬉しい。
ここ一ヶ月、忙しさはコロナ前に戻りつつある。でも違うことが一つ、それは自分第一に考えるようになった。この社会的閉鎖な時間は、自分の為に、すごくいい考え方とライフスタイルの習慣を作ってくれた。
新しいことや人に出会った時の高揚感。自分の極限を試されるようなステージの時でさえも、最近は心拍数がそんなに変動しなくなった。飽きっぽくなったのか、歳をとって何事にも動じなったせいかとも思ったけれど、それはきっと運動をする習慣がついて、心拍数が上がることに慣れてしまったのだ、と自己分析。
以前の私の演奏理論から離れていたような気もするが結果、私の演奏理論(最小限の力で最大限のパフォーマンスをする原理)を使いながらも、自分の最小限の力を広げ、底上げするすることができて、結果さらにパワーアップになっていたんだと、実感した。
なにせ、2年近く公の舞台からのブランクがあったにも関わらず、自他ともに満足できるパフォーマンスを二晩続けて、全く違う内容で一日4時間以上のパフォーマンスを、それも疲れ知らずで出来たのだから。
筋トレを10ヶ月間毎週やってきたという自信がなければ、今回の仕事は引き受けることも躊躇していたかもしれない。
「天の時」「人の輪」「地の利」
自分に運がないと思っていた若い頃は、それらをひたすら待っていただけだった。でも待っている時は何も来ない。
動いたときに、自然とその場所とチャンスに導かれている。
運動は運を動かす!
動かされた運の色々については、また次回!