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空と海だけ見えた夏②~四国お遍路ひとり旅~
最初の地は、鳴門海峡を渡り1番札所~23番札所がある徳島県。まずは1番札所、霊山寺で支度を整えます。白衣、輪袈裟、菅笠、必須とされる金剛杖。参拝に必要な念珠、経本、納札、線香、ろうそく、ライター、さんや袋を購入。基本的に服装は自由、歩きはもちろん、今は車やサイクリングでまわるなどお遍路スタイルも人それぞれ。私は車と歩きでゆっくりまわってみました。7月、真夏の炎天下の中、でかいバックパックを背負った若者やリヤカーに一通りの生活必需品をぶら下げて引っ張りながら歩くおじさん、完璧な支度で笑顔さわやかに時々お寺で一緒になる外人のお兄さん。旅の道中でもいろんな方々と出会い、過ごした思い出が宝物として残っています。
お遍路の参拝方法は、1箇所で本堂と大師堂それぞれにろうそく1本、線香3本、般若心経を唱えて、名前と住所を書いた札を納めます。これを88回。
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初心者の私は真っ白なお札ですが、回数を重ねるとお札の色は変わり特注のお札を納める方もいらっしゃいます。車のナンバープレートを見て「群馬からいらしたんですか?」「何回目ですか?」なんてよく声をかけて頂きました。回りやすいルートを教えて下さったり、先導して道案内をして下さる方にも出会いました。ある時、その日最後に予定していた札所を参拝して駐車場にいたら話かけてきた方がいました。「このお札、お守りがわりにどうぞ」
「立派なお札ですね、いんですか?」
「私もさっき頂いてきたものなんですが。裏に592回ってあるでしょ?この方はお遍路を592回まわったんですよ」
···592回!?
私はびっくりしました。どーゆー回数なんだ笑。そして、続けて話して下さいました。
「このお札はもうお守りなんです。592回まわったということには3つ意味がある。1つは、592回もまわることができるお金があるということ。2つ目は、それだけまわる時間があるということ。もう1つは、健康だという意味があるんです。あなたにそのご加護がありますように」
その方は「お気をつけて!」と私にお札を渡して駐車場を後にしました。
もはや、誰が凄いんだかわからない笑。
ただ、道中出会うたくさんの人たちを思い出し、人は生きながら仏になれるものなんだなと思ったのを今でもよく覚えています。
人に親切にすること。
そして、たくさんの親切を頂いていたこと。
旅の最中もそうですが、これまで当たり前にあった日々の「優しさ」に気づけていなかった自分を知る機会にもなりました。
なんでもない日常にたくさんの「優しさ」が隠れていることを、痛いくらい感じました。
めぐり、めぐる。
そして。
空海が空海になったと言われる場所。
私は高知県へと向かいました。
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