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200524[優駿牝馬(オークス)] 東京を自転車で1周してみようと思った話

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↑住宅街を流れる川

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※このお話は多少(というより少なからずな)フィクションを含みます。

東京を自転車で1周してみようと思った話

「君ってやりたいこととか、無いの?」
カフェテリアで授業1コマの空きを共に待っていた先輩から言われた言葉にあれ?となった。この人がこんなことを言うのは珍しいな?

何かの講義で知り合ってツイッターIDだけを交換したその先輩は、サークルも入らず、バイトもせず、かといって何か他に打ち込んでいるものがあるわけでもなく、ちょっと人より洋画に詳しくて、読書家な女の人だった。

むしろ先輩のやりたいことって何ですか、という僕の問いは「また今度話すよ」と濁された。

結局、その答えは教えてもらえなかったが。
思えばどこか余裕を感じる雰囲気というか、一方で他人を寄せ付けない感じはミステリアスで、ぜひ結婚を前提としたお付き合いをさせていただきたかったところではあるが、先輩には大学に入った頃からの2年以上の付き合いになる彼氏がいて、ツイッターでたまに当時はまだふぁぼと言われていたいいね!を飛ばしあう程度の関係の僕が付け入る隙は微塵も無かった。

「やりたいことって別に将来の話とか聞いてるわけじゃなくて、パイ投げで憎い先輩にべったりクリームを塗りつけたいとか、1日中漫画喫茶に籠ってなんかありえないくらいの大長編を制覇してみたいとかだよ。」

なるほど。僕は覚悟した。もちろんやりたいことはたくさんある。大学近くのラブホに入って行く男女を1晩かけて観察したり、地元のラブホ街の様子を公園のベンチに座って眺めたり、バイト先の本屋の向かいのラブホテルがどれくらい繁盛しているかの売上(となるだろう人たちを眺めながら)考察をしたりしたい。ただ、ここで面白いことを言って彼女を笑わせることが出来たなら。もしかしたら偶然とアブラマシマシな力とやらで僕のものに……。

「俺、北海道を自転車で1周してみたいんす。」
意味が分からない。いや、意味が分からないならないなりにもうちょっと何かあるだろうと今の僕も、その1文を口にした0.72秒後の僕も思った。そもそも、北海道を自転車で1周してみたいと思ったことなど生涯で1度も無い。

「何それ。『自転車少年記』じゃない。」

そう、まさに『自転車少年記』なのである!多分。たしか。たしかにそんな話だったような気がするのである。いや、そんなに壮大な話では無かった気もするが、確かにそんな話ではあったのである。『自転車少年記』はたしかにそんな話だった!

「そう!『自転車少年記』なんですよ!俺、ああいうのに憧れてて。」

「ほんとかなぁ。でもまぁ、やれたらいいね。そういうの。」

そういって笑った彼女の顔を僕は今でも忘れることが出来ない(思い出補正で)。

そのわずか1週間後、僕は池袋の路上に停めていた自転車を豊島区都市整備部土木管理課に放置自転車として持っていかれ、手数料として5000円を支払うことになる。
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大学も4年目に入ると就活に真剣に取り組まなくてはならなくなる。際限なく聞かれる「学生時代に力を入れたこと」「入社したらやりたいこと」に疲弊しながら、志望業界も特になく、働きたい業種も、やりたいことも無かった僕は「やりたいこと」を探していて、そういえば、と上述の話をふと思い出した。就活に行き詰っていた僕は早速、自転車に飛び乗ってまだ花粉が舞い散る外へ飛び出した。

「とりあえず、東京を山手線沿いに1周してみるか。」
スタートは大塚駅。巣鴨ー駒込ー田端ー西日暮里ー日暮里ー、田端でアトレのでかい建物で迂回する羽目になったり、消防署で訓練中の隊員の罵声が聞こえたり、色々ありながら僕の自転車の旅は続く。

上野駅に向かう途中、巨大な階段が現れ、自転車の僕は行き場を失ってしまって、階段を自転車を抱えて歩くことになった。恥ずかしながら、この時点でわずか6駅程度しか走っていないにも関わらず、僕の体力はほぼほぼ限界である。

結局、秋葉原で1周するのは無理だ。となり、総武線沿いを西に進み早稲田周辺をなぞり、高田馬場ー目白と東京を半周しただけで僕の些細なチャレンジは終了した。翌日は筋肉痛に苦しみ、受けに行く予定のテストセンターをパスした。

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↑ 東京1周旅の途中に立ち寄った谷中ぎんざ。屋台で50円の焼き鳥を食べて満喫。ちなみに元カノと行こうと約束していて結局行けなかった有名な料理屋さんが谷中ぎんざにある。(余談)

東京を半周して分かったことは、まず、こんな自分でも「やりたい」と願えば、東京を1周することは出来なくても、半周するくらいのことは出来るのだ、ということ。

今なら「やりたいこと」は無数にある。

まず、アブラボウズを食べたい。 バラムツ(食べられない)の記事読んで、「どうしても似たような魚が食べたければアブラボウズを!」って記載があり、アブラボウズ食べたくてウズウズしている。 バラムツは当然食べたくない。オムツが必要になるらしいし。

クエも食べたい。和歌山が名物らしい。高級魚らしいが、構わない。美味しいものを食べに行きたい。

成田山のふもとの老舗でウナギが食べたい。参道へ続く道に香るウナギのたれの匂いや雰囲気をもう一度味わいたい。

バンジージャンプをやってみたい。多分生涯で1度だけで良いけど。笑

バナナボートも乗ってみたい。自撮り棒で映像を取りながらしっかり振り落とされてみたい。

普通に温泉旅行に行きたい。Alexaも欲しい。

他には……ポーカープレイヤーになってみたい。海外のトーナメントでファイナルテーブルに残ってみたい。

……後は普通に結婚したい。
生きてますか。お元気ですか。先輩。

北海道を1周どころか、僕は東京を半周するくらいしかできませんでした。
ただ、他にもやりたいことはたくさんあって、少しずつ叶えながら生きてます。

もう連絡先も知らないけど、お元気で。

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2020 優駿牝馬(オークス) 予想
先週はセラピアが除外になり、消化不良のレース。ノームコアをそのまま上に上げればよかったが、スカーレットカラーも良いと思っていたので迷って結局買えなかった。アーモンドアイの出るレースは後悔しかない。いつだって予想は良い線行っているのだが、毎度馬券が取れない。

今週のオークスは難しい。デアリングタクトの評価、デゼル、アブレイズといった無敗の新星の見極め、重馬場の桜花賞の考察及び、桜花賞のダメージがどれくらい残っているかの判断。オークスは毎年距離適性というよりはその時点の完成度がものを言うレースになる。どの馬も2400mは初めてで距離適性も怪しい馬同士の争いだ。多少の距離適性の差は現時点の完成度で逆転できると考える。

早速、予想に移ろう。本命は◎クラヴァシュドール。前走は3コーナーでもまれて後退、しかし追い込んで4着の内容は素晴らしい。完成度も高く勝利できるだろう。〇マルターズディオサは前走は完全に馬場にやられてしまっていた。レベルの高さは間違いないので、盛り返しに期待。ここまで人気を落とすようなら。以下、強いだろうデアリングタクト、阪神JFは位置取りが後ろすぎ、桜花賞は馬場で力を出し切れなかったリアアメリア、シンザン記念勝ち馬のサンクテュエールを指名する。

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来週はいよいよダービー!ボートレースオールスターもあるよ!

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以下、写真集

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↑ HOTELニューノャトー(西船橋)

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↑ 袋田の滝。ちなみに1人旅。周りはカップルだらけでした。

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↑ 崖の岩にも命が芽吹く。

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