1. 箱根駅伝:どうして青山学院大学は7度目の総合優勝を勝ち取ったのか?
(当記事は音声でも楽しむことができます。)
ChatGPTによる要約
冒頭の挨拶
「"Audio Japan" 〜あなたと一緒に日本を学ぶ〜」
この番組は,日本の文化やトレンドなどを掘り下げて楽しく学ぶ番組です。Audio Japan を通じて,日本のことがより好きになり,日常生活での雑談や商談,外国人とのコミュニケーションが滑らかになることを目指しています。
英語で聞きたい方は,「Audio Japan 〜Learning Japan with You〜」よりお聴きください。
Spotify,YouTube,Apple Podcast などで配信を行っています。
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パーソナリティーを務めます,教育デザイナー,新井大貴です。よろしくお願いします。
新年明けましておめでとうございます。
2024年が始まって6日目が経ちました。新年早々,石川県で大地震が起こったり,羽田空港でJAL機が海上保安庁機と衝突して機体が炎上したりとゾワっとするような感覚になりました。
2年前の福島県沖地震でも思ったのですが、平穏な日常は当たり前にあるわけではないからこそ,感謝したいなと思った今日この頃です。
本題に入る前に軽く自己紹介させてください。
自己紹介
改めて新井大貴と言います。1つの物事に対し複数の視点で考えたり,新しい閃きが浮かんだりすることに対して嬉しく思える人間・キャラクターです。例えば,何か調べものをしているときに,比較対象として外国の事例がないか検索したり,日常生活で外国人が接客対応してくれると,「Where are you from?」「What inspired you to come to Japan?」とついつい聞いたりします。この前は初めてネパール人出身の方と話すことができました。
これまでに長期留学はしたことないのですが,過去に塾で英語と小論文を主軸に教えてきたこともあり,英語に対する壁はあまりないです。
性格的なところだと,あまり自分から話すタイプではなく,最近になって「あ,自分は人見知りなんだ」とようやく気づきました。笑
好きなことはスポーツ全般で,なかでもランニング・バスケ・バレーが好きです。観戦だと野球・サッカー・バスケ・バレー・駅伝など本当に好きで,趣味は走ること・ジムでトレーニングをすること・読書・音声コンテンツを聴くことです。
2024年は,これまでに5〜7年ほど前から頭の中に描いてきたことや,描いてやってみたけど途中で止めたことなどを最後まで続ける年にしたいなと思っています。
この「Audio Japan」もその一貫です。
前置き
これを聴いているあなたは,1月2日・1月3日は箱根駅伝を見ましたか?
前評判では,今年度の出雲駅伝・全日本大学駅伝を制した駒澤大学が優勝すると予想されていました。しかし,蓋を開けてみると,青山学院が往路優勝・復路優勝・完全優勝を成し遂げました。ちなみに,往路タイムと総合タイムは大会新でした。結果を見たとき,いやタイム早すぎでしょ!と思いましたね。
私,新井大貴も青学に勝ってほしいとは思っていたものの,優勝はやはり駒澤かなと思っていたのでビックリです。やはり,タイムが速い選手を揃えたチームが勝つのではなく,箱根駅伝に向けてピークを合わせたチームが勝つんだなと再認識しました。
今回は,箱根駅伝の概要について説明した後に,どうして青山学院大学が7度目の総合優勝を獲得したか話していきたいと思います。
箱根駅伝とは
では始めていきますね。
箱根駅伝とは,お正月の風物詩の1つであり出雲駅伝,全日本大学駅伝と共に学生三大駅伝と言われています。
1月2日・3日の2日間で実施され,スタートの東京・読売新聞社前から,箱根にある芦ノ湖間を5区間・往路107.5km・復路109.6km。合計217.5kmを10区間の総合タイムで争います。
東京・読売新聞社前と言えば,最寄駅が大手町駅で周りはオフィス街なんですよね。なので,普段はオフィスワーカーがたくさんいるのに対し,この期間だけは違う風景が見えるなといつも思います。
また,箱根の場所は東京にあると認識している人もいるかもしれないのですが,実は神奈川県なんですよね。ちなみに,中学生の頃までは,箱根=東京にあると思っていました。笑
他にも私が勘違いしていたこととしては,参加校は関東にある大学のみなんですよね。この箱根駅伝はお正月に全国で試聴されて2日間で視聴率20%以上を叩き出しているのですが,実は,関東で1番速い大学を決めてるんですよね。
なので,全国の大学で1番速い大学を決めるのは,11月に行われる全日本大学駅伝です。滑稽とまではいかないものの,なんか奇妙ですよね。笑
箱根駅伝に出場できる大学は例年20校程度です。前回大会で10位以内に入った大学と,毎年10月に行われる箱根駅伝予選会で上位10に入った大学+予選会を通過できなかった大学の中で,個人タイムが速い選手が結束した関東学連選抜です。
また,記念大会になると,今述べた数に加えてプラス2大学出場できます。ちなみに,今年は関東学連選抜チームが廃止となり,予選会で13位以内に入ったチームが出場しています。
実は,関東学連選抜チームの是非に関しては,駅伝界隈では議論されている話題の1つになっているのですが,そちらは次回お話しできたらと思います。
話を戻すと,創設者は金栗四三(かなくりしそう)さんという方で「世界に通用するランナーを育成するため」に創設したそうです。というのも,金栗さんは学生時代に1912年ストックホルム五輪にマラソン代表として出場したものの途中棄権。世界との差を痛感したみたいです。
そこで1917年に箱根駅伝の前身となる「東京奠都五十年奉祝・東海道駅伝徒歩競走」(とうきょうてんと ごじゅうねんほうしゅく とうかいどうえきでんとほきょうそう)を開催。これが日本で初の駅伝で,京都から東京間の516kmを23区間・3日間の昼夜兼行で行われていました。
その当時は,東西対抗で行われ,レースは大成功を収め,箱根駅伝の原型となりました。
かなりパワフルな前身ですね。走っているランナーも大変だと思いますが,応援する人や運営する人もかなり力を要しそうですね。
1917年の駅伝終了後に,金栗さんは各大学に呼びかけを行い,1920年2月14日に早稲田大学・慶應大学・明治大学・東京高師(今の筑波大)の4校による四大駅伝が実施。これが第1回目の箱根駅伝となります。
勘の鋭い方は「あれ?」と思ったかもしれません。第1回目が1920年に対し,これを放送しているのが2024年で第100回大会。実は,第二次世界大戦前後の期間中,東海道と箱根道は軍需物資の輸送に使われ、道路使用の許可が下りなく,合計5回中止となりました。
どうして青山学院大学が勝てたのか
青山学院大学は今年度の3大駅伝では出雲駅伝5位,全日本大学駅伝は2位と上位には入っている一方で,ここ数年の結果や他大学と比較すると,勢いが弱い印象を持っていました。むしろ,2冠を達成した駒澤大学,上位校に進出した城西大学,中央大学や國學院大学の方が勢いがあり,箱根を制するのではないかと。そういった印象を持っていました。
実際,箱根駅伝終了後の報道やインタビュー等を聴いていると,12月上旬に青学はインフルエンザが流行り,走ったランナーのうち5人がインフルエンザにかかっていました。しかも,4区を走った佐藤選手はその後,盲腸になったとのこと。
原監督も,「12月上旬から中旬の間は,シード権すら取れないかも」と言っていたほどです。それでも,20年監督を務められたことで溜まっている「青山メゾット」というナレッジ,原監督の選手を見る目などが上手くハマって優勝できたのかなと思います。
また,結果的に見ればレース展開の運びも良かったのかなと感じました。
余談も挟みながら,青山学院の各区間を走ったランナーの走りを振り返ってみたいと思います。
1区の荒巻選手は,序盤からのハイペースに食らいつき,途中で先頭から離れても30〜40秒差で襷を渡していました。本人は,「区間順位が悪かったり,先頭と20秒差以内で渡せなくて悔しかった」と言っていましたが,ハイペースに付いていったことで,チームの士気を高めたのではないかと推測しています。十分役割を果たしていたと思います。
2区の黒田選手は今期の駅伝で絶好調で,箱根駅伝でもその勢いが体現された走りをしていました。9位から2位に押し上げ区間賞も獲得。大舞台で力を120%発揮できるのは,ある種の才能かもしれないですし,駅伝男だなと思いました。
ちなみに,黒田選手は家族一家陸上選手で,お父さんは箱根駅伝3度の出場に加え,駿河台大の徳本一善監督(44)と「オレンジエクスプレス」を編成した名選手。弟さんは,今年の春から青学に進学。妹さんは去年の12月に全国中学駅伝でアンカーを務め,優勝のゴールテープを切っています。
3区の太田選手はラスト3kmあたりで逆転を転じ,先頭で襷を渡しました。私もTVerで見ていたのですが,先頭で襷を渡した瞬間は本当に感動しました。
区間賞のインタビューでも「(ラスト3kmほどで駒澤を抜いて先頭を走っていたときは)美しかったです」と言っていて,言葉のチョイスが素敵だなと思いました。
また,去年の箱根駅伝から続いていた,駒澤大学の先頭での襷渡しは23区間でストップとなりました。
4区の佐藤選手は駅伝の走り方を分かっているなと感じました。中継地点では4秒差しか無かったのですが,1km通過時点で後ろの駒澤と20秒近く離し,差を一気に広げました。
大学駅伝あるあるの1つとして,先頭で走ることのメリットは計り知れません。トラックサイズのテレビ中継車が前に走ってくれているので,風よけに使うことができたり,TVに映る割合が多くなったりして走れるみたいです。
5区の若林選手は,前回大会で体調不良による欠場でした。そのチームに迷惑をかけてしまった悔しさを今回の走りで体現され,区間新記録でゴールテープを切りました。
復路に関しては,6区の野村選手は下り要因で約1年間準備をして,遺憾無く発揮。この時点で2位との差を3分以上つけていました。
7区の山内選手は今年度に入ってから安定した走りをしていて,区間3番で無難に繋げる。元々はスピードランナーですが,青学に入ってから地道に練習を続けたからこそ,長い距離にも対応できるようになったのかなと推測しています。
8区は前回走った田中選手から,当日変更の塩出選手。区間変更を見た時は,大丈夫かな?と思いましたが,区間賞の走りで後続との差をさらに広げます。
9区の倉本選手は学生駅伝で初出場。先ほどの山内選手もそうでしたが,最初で最後の箱根駅伝でした。悠々とした走りで区間賞を獲得。ちなみにですが,倉本選手が復路のエース区間である9区を任されたのか考えたとき,11月のMARCH対抗戦でチーム3番目にゴールしたから起用されたと推測しました。
10区の宇多川選手は,スピードランナーで,アンカー勝負になったときに勝ち切る要因として起用されたと思います。問題なく走り,ゴールテープを切る結果となりました。
また,原監督のインタビューを聞く中で印象に残ったことがあります。「箱根駅伝はあくまでも学生スポーツであるため,駅伝を通じて私は学生を自分で立つ自立から,自分で自分を律する自律人に育てたい。社会人になってから組織で働いて貢献できる人材を育成したい。」
青山学院のように,箱根駅伝に向けて陸上生活を行っている大学もあれば,駒澤大学のように世界で戦えるランナーを育成するために,トラックの5000mや10000mのタイムを伸ばし,その延長で駅伝に参戦するなど各大学を掘り下げていくと,チームカラーは全然違います。
カラーは違えど,素人の私でさえも,原監督は人格者だなと思いました。それは,これまでの会社員で培った経歴や20年間青学の監督を務めたナレッジなどがあるからだと感じました。
終わりに
「Audio Japan 〜あなたと一緒に日本を学ぶ〜」エンディングの時間となりました。
「原監督の夜明け前」という記事をnoteに書きましたので,今回のエピソードを聴いて興味を抱いた方は,ぜひ読んでみてください。概要欄よりチェックできます。
冒頭でもお伝えしましたが「Audio Japan〜あなたと一緒に日本を学ぶ〜」を英語版で聞きたい方は,「Audio Japan 〜Learning Japan with You〜」よりお聴きください。
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最後まで聴いていただきありがとうございました。お相手は,パーソナリティーの教育デザイナー,新井大貴でした。