mobilizationについて
こんばんは。今日の広島県は暖かいのか寒いのかよくわからない天気でした。今週はまた冷えるみたいですね。まぁ、11月下旬ですもんね。
mobilizationという言葉もみなさん聞いたことがありますよね。初めて聞くのはほぼ全員が「肩甲骨モビライゼーション」なんではないでしょうか。僕は中枢の授業で初めて聞いたような気がします。「片麻痺のリハビリで上肢のROM-exをする時にまずは肩甲骨モビライゼーションをしましょう」的な。今考えたらいやいや・・・って感じですが、それはよしにしましょう。この時からモビライゼーションについてちゃんと勉強するまでは
モビライゼーション=関節を動かすこと
だと思っていました。ROM-exとは何が違うの?とは時々思っていましたが、ROM-exの前処置くらいに考えていました。愚かですね・・・。けど、こんな風に思っている人いませんか!?mobilizationについて正しく説明できますか?
mobilization=関節包内運動を誘導するために拘縮組織を伸張すること ※凹凸の法則に従って並進運動!
・並進運動のグレード分類
grade1:弛緩。明らかな並進運動の増加がなく引き起こされる。
grade2:関節包の緊張。joint play検査や疼痛牽引に用いられる。
grade3:関節包の伸張。実際にmobilizationに用いられる。
・mobilizationの効果
1、心理的効果
注意深く適切に触診することによる安心感
動きを誘導し動作に対する不安感の除去
2、神経生理学的効果
伸張によるA繊維刺激から生じるゲートコントロール理論(疼痛緩和)
メカノレセプター刺激から生じる関節運動学的反射による筋緊張の正常化
関節周囲のサイトカインの代謝による可動域改善
3、生体力学的効果
関節内制限因子の改善
繊維間滑走性の改善
関節周囲の拘縮・短縮組織の伸張
・mobilizationの禁忌
絶対的禁忌
腫瘍性疾患 脊髄や馬尾神経損傷、隣接する神経根損傷、急性炎症性関節炎
相対的禁忌
神経学的徴候存在時、慢性関節リウマチ、骨粗鬆症・妊娠、脊椎滑り症
・mobilizationの実際
実際にどんな時にmobilizationをするかということなのですが・・・。まぁ、関節可動域制限がある時ですよね。その中でも関節周囲組織性(end feelについての記事参照)のend feelを感じる時です。最初にgrade2の牽引で試験的治療を実施します。可動域が改善すれば関節周囲の軟部組織による制限が生じていると判断します。まずは筋へのアプローチを実施し、残った制限に対して凹凸の法則に従ってmobilizationを実施します。mobilizationはgrade2(first stop)と3の間で牽引を断続的に実施します(時間設定や回数は色々ありますが、僕はgrade3を7秒を3回)。ここまでで再評価するとend feelは関節周囲組織性の中でも硬めもしくは骨性に変化してくると思います。変化してくれば追加実施するか、他のアプローチも併用していくかという感じですかね。あくまで僕の臨床上のことですので不足があればご指摘をお願いします。
mobilizationは他動的に行うROM-exの中でも最終手段ということになりますよね。ということは「肩甲骨モビライゼーション」は何者?個人的にですがこれについては「肩甲骨のROM-ex」と言い換えることにしています。厳密にmobilizationじゃないですよね?いや、個人的にですよ。みなさん何て言いますか?
今日はmobilizationについてでした。過不足あるかと思いますがこの辺で。みなさんも正しく関節包内運動を誘導して可動域改善を目指してくださいね!おやすみなさい。