CAI(慢性足関節不安定症) part2
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※“変位している“のも“テーピングが有効“なのも脛骨ではなく腓骨です。
✅足関節背屈に伴い、遠位脛腓関節は約1〜2mm離開すると言われています。この遠位脛腓関節の動きは脛腓靱帯により制動されています。
✅内反捻挫で脛腓靱帯が損傷し、遠位脛腓関節が不安定性を呈すと腓骨が脛骨に対して外方や後方変位・外旋することが報告されています。
✅脛骨の外方変位による遠位脛腓関節の離開は足関節背屈時の距骨のはまり込みを減少させ、足関節の不安定性を生じさせてしまいます。
☝️足関節背屈時に遠位脛腓骨関節で腓骨は挙上・内旋・後方滑り方向に動きます。僕は過去にこの関節の不安定性を呈している方を担当した経験はなく、むしろ可動性が低下している方を担当した経験があります。まずは内反捻挫に伴い脛腓靱帯の損傷をしているかどうかを確かめましょう。
✅大学生の男女を対象とした研究で脛骨の前縁と距骨の距離は健側で2.98±1.61mmだったのに対し、CAI側では3.69±1.37mmだったと報告されています。
✅この距骨の前方変位が背屈時の距骨後方滑りを制限し、足関節背屈可動域制限の原因の一つになります。
☝️この距離はレントゲン上で比較的簡単に評価できます。僕はこの変位が原因で生じている背屈可動域制限は経験したことはありませんが、可能性の1つとして頭に入れておいて損はなさそうです。
✅CAIでは静的および動的バランスが障害されることがあり、それに関連する因子の一つに“足関節外返し筋力低下“が挙げられます。
✅着地時の筋活動の減少が報告されていますが、内返しの増大を予防するために長腓骨筋の筋活動が増加するという報告もあり、一定の見解は得られていないようです。
☝️長腓骨筋のトレーニングをカーフレイズで行うことがありますが、これでは反応時間に対するアプローチはできていません。捻挫後のスポーツ復帰に向けて、着地動作において腓骨筋や小趾外転筋、下肢内側の筋の収縮を意識した上で着地を行うなどフィードフォワードを利用したトレーニングをすることがありますが、いい反応が得られています。