(V55) ノジマの65歳を超えた社員を80歳までをメドに再雇用する制度。現在約50人の65歳以上の社員が働いている-2 (2021.1.8) by 田村賢司 より抜粋加筆しました。
⑷ 実際に「自分で開拓する仕事」の幅は広く、以下も可能
・契約者が得意分野の知識やスキルを教える講師になる
・カフェを開業する
①カフェの開業で、ニューホライズンの仕事を請け負う必要はある。
その仕事量などが継続的に少なく、それがその後も変わらない、
と見込めるような場合は、個人側の意志によって契約を外れることもありえるという。
②こうした条件から浮かぶのは、
社員が独立するのに向けた助走的な役割の姿。
中高年になり、電通から独立して自営業になるにしても、
いきなりではリスクが高い。
しかし、この制度を利用すれば、一定の報酬になる、
電通の仕事を確保されるわけだから、リスクは相当に軽減される。
③当面、仕事は地方自治体の町おこしなど、
「受託単価は高くないが、やりがいのあるものを掘り起こすこともできる」(発案者の一人、山口裕二氏)などと言うが、まだ具体的には見えにくい。
④電通自体の業績がここ2年停滞していることに加え、
こうした点を捉えて「体のいいリストラ」との見方もある。
個人事業主となることを決めた230人の平均年齢は約52歳。
割増退職金を得たとしても早期退職して、
個人がその後の生活のリスクを負うよりも、以下によりリストラを進めやすくしているといった見方。
「10年の助走期間を付けて、転身しやすくする」
⑸ 80歳まで再雇用するノジマ
①家電量販大手、ノジマは2020年7月、定年である、
65歳を超えた社員を80歳までをメドに再雇用する制度を始めた。
2013年4月に定年をそれまでの60歳から5歳引き上げ、
それ以後も働く希望のある人には健康状態などを見ながら個別に契約していたが、制度として全員適用に切り替えた。
②売り場や本部の店舗開発部門などで、
65歳以上で約50人が働いており、さらに広げていく考え。
⑹ 360度評価で淘汰されることもある
①コロナ禍による巣ごもり需要もあって、ノジマの業績は堅調。
企業側から見れば、人手を確保したいという面もある。
②しかし個人側から見れば、別の要素も浮かぶ。
同社では家電量販チェーンの大半が実施している、
電機メーカーや携帯キャリアからの応援従業員を2004年頃からやめ、売り場はすべて従業員にしていた。
③しかも、課長クラスのエリアマネージャーや、
部長級のブロック長などの役職を離れても、子会社やスタッフ部門にいくのではなく、売り場に立つのを慣例としてきた。
つまり幅広い商品知識や販売力がなければ仕事ができない仕組み。
④さらにはスキルに加えて、人柄も大事になる。
「360度評価を実施しており、自分の営業成績だけを考える、
協調性のないようなタイプは自然に淘汰される」