(N40) 「日本製品」が海外で売れなくなった根本原因。中国に一度敗れた「メイド・イン・ジャパン」-1 (2020.7.13) by 永井竜之介 より抜粋加筆しました。
⑴ もはや海外で「日本の家電」の姿は見られない
家電は、以下が世界の主役の座。
①中国のハイアールやグリー
②韓国のLGやサムスン
スマートスピーカーに代表されるスマート家電の分野では、以下が攻勢をかけている。
③米国のGAFA
④中国のBAT、シャオミ
シャンプーや洗剤の一般消費財の分野では、以下がしのぎを削り合っている。
⑤米国のP&GやJ&J
⑥イギリスとオランダのユニリーバ
⑵ 「安くて高品質」という日本製品のかつての評価
いまやそっくりそのまま、
中国や韓国、米国のものになっている。
その代わりに以下と揶揄され、苦境に立たされているのが日本の現状。
「余計な機能が多くて割高。過剰品質」
主な敗因は、「日本のものづくりが変われなかった」点。
日本のものづくりは、昔から変わらず、
今でも完璧主義で、妥協がない。
しかし、追い求める「完璧さ」が、
世界のトレンドとズレてしまっています。
⑶ 日本では、あらゆるビジネスにおいて「最初から完璧」が目指される
ただし、目指されるのは「減点型の完璧さ」。
尖ったビジネスアイデアの、新しくておもしろいが、
リスクや穴のある要素は早期に取り除かれやすい。
魅力的に発展しうる要素を切り捨て、
安全・無難で、これまでの延長線上の少し先にあるような、小さくまとまった新商品に仕上げられていく。
開発・プロモーション・販売も前例に基づき、
慎重に、長い時間と労力をかけて完璧なプランで新商品をリリースしようとする。
緻密なプランがあるがゆえに、最初の市場の反応が、
良くても悪くても、それが予想と異なっていたときにすばやい軌道修正を行うことは難しくなる。
おもしろいが危うく伸びそうな「価値の枝葉」を、
早期に取り除き、じっくり時間をかけて、きれいで小さなプロダクトへ磨き上げるのが、日本の得意とする「減点型の完璧主義」。
完璧に完成された1つのプロダクトをつくって、
広めることがビジネスのゴールとなる。
これはかつてのメイドインジャパンを支えた強みだが、
近年における世界のトレンドからは逆行するものになってしまった。
⑷ 大局で見れば、減点型では目指すことができない
加点型は、新しく大きな価値を実現することができる。
以下を良しとする認識は、もう改めなければならない。
「中国は粗悪で速いだけだが、日本は緻密で慎重な完璧主義なんだ」
家電も住宅もスマート化が急劇に進んでいる分野です。
自動車は、いずれ電気自動車が主流となり、
同時にスマート化を進め、自動運転へ辿り着く。
日本のものづくりが世界で勝ち上がっていくためには、以下を行う必要があるでしょう。
❶「加点型の完璧主義」を学ぶ
❷❶を取り入れる
❸組織とビジネスに大きな変革を起こす