(L96) 会社の人事評価に多くの人が不満を感じる理由-1 Jimmy より抜粋加筆しました。
⑴ 多くの会社は成果主義とプロセス主義の悪いとこ取り
Ⓐ実力主義・成果主義
①効率的な人材配置、人件費の無駄の削減
②結果が見えやすくわかりやすい
③儲かれば何でもいいというモラル低下を招く
④目先の利益に執着する
⑤ついていけない社員の疲弊を招く
Ⓑプロセス主義
①中長期的な視点で考えやすい
②収益以外の重要な指標を取り入れやすい
③結果が見えにくく基準が曖昧
④上司に気に入られようとするYesマンが増える
⑤利益に貢献しない人件費負担、非効率化を招く
⑵ 日本の伝統的な企業は、プロセス主義の比重が高い年功序列主義
①成果よりも、やる気や、態度、忠誠心などが大事とされる。
ドラスチックな報酬の差は少なく、
概ね年次とともに昇進をしていく形です。
②人材の効率的な配置はできませんが、解雇されることもない。
中長期的な視点で仕事に取り組むことができます。
③成果による報酬の差も少ない。
隠れた貢献や努力、忠誠心などに目を向けることができます。
④プロセス主義の方が、成果主義に比べて、
競争意識は少なくなるが、人事評価で不満を爆発させる人も少なくなります。
バブル崩壊以降、日本企業の人事評価のあり方に疑問が示されるようになり、以下が多く見られるようになりました。
「従来の日本型の人事評価制度と、成果主義の考え方を融合したような人事制度」」
⑶ 日本は”悪いとこ取り”の企業ばかり
プロセスがあるからこそ結果があります。
通常、プロセスがしっかりしていれば、結果も良いものがついてくるはずです。
結果が悪ければ、
プロセスに問題があったと考えるのが普通です。
日本企業は、伝統的な年功序列とプロセス主義に、
偏った制度を見直すべく、成果主義を一部取り入れようとしました。
結果としては、改善するどころか、
”両者の悪いとこ取り”をしてしまいました。
つまり、成果・実力に準ずる評価をするわけでもなく、
だからと言って、プロセスもしっかり見られていない。
不公平感漂う人事評価が多くなっています。
⑷ 結果に強いコミットを求められるようになり、毎日、上司から進捗を聞かれ、時には厳しく叱責を受けることになる
短期的な利益第一路線に走ってしまうケースは多い。
しかし、
成果主義のメリットである人材の効率配置ができているかというと、そんなことはありません。
プロセス評価の曖昧な評価基準により、
上司に気に入られるように振る舞うことで、評価を得ている人たちが驚くほどたくさんいます。
中途半端に成果主義を取り入れた結果、属人的な評価基準のままになっているのです。
①利益に対する強制力が増加した
②曖昧な評価基準は相変わらず残っている
もっと言えば、ろくに部下のことを見ないまま、
感覚的に評価しているのです。
これが、”悪いとこ取り”をした日本企業の実態です。