9月はリリースラッシュの月
先週はまだ8月なのに発売された作品の販売に追われてコチラではお知らせできなかったので反省しまして週初め月曜日から記事を書き始めていたのですが、追加のリリースが増えまくり結局前日のお知らせとなりました。
しょうがないのです。
9月は1年で一番の9月はリリースラッシュの月なのです。
まさにロンドンのインディ・シーンからこの10年を総括するようなコンピレーション・アルバム。
店頭ではUKに合わせて火曜日に発売済みですが(本当は明日発売と書いていたのですけど)、サイトは明日金曜日から。
UKはたぶんSo Youngだけで販売と思われ、もちろん日本盤仕様ではありません。
彼らが登場する2010年代前半はCapture TracksなどUSAインディのギター・バンドやレーベルの台頭とは裏腹にUKではディスクロージャーなどのエレクトロニック・ユニットもしくは2000年代のリバティーンズ以降に登場したUKインディ・シーンの中からスタジアム・バンドまで成功したトゥー・ドア・シネマ・クラブなどのギター・バンドともちろんR&Bやラップがメインでインディペンデントのギター・バンド・シーンは散々でした。
その中で彼らの唯一の希望であったのが『第二のリバティーンズ』との触れ込みでラフ・トレードからデビューしたPalma Violetsだったそうです。
正直当時日本から見てると特に売れてる様子も支持されてる雰囲気も感じることが出来ずなんだかラフ・トレードが無理やり出したリバティーンズ・チルドレンみたいな感じとしか思ってませんでしたが、2017年にロンドンを訪ねた際に会った若者たちがみな口を揃え
「Palma Violetsは僕らのヒーローだ」
と、あの頃に登場したロンドンの若きインディ・レーベルのオーナーやマネージャー、そしてギター・バンドのメンバーたちもみな彼らのショーを観に小さなライブ・ハウスに集っていたのだと教えてくれビックリしました。
So YoungのSamとデザイナーのJoshもそのPalma Violetsのライブの帰りに
「僕らでロンドンのギター・バンド・シーンを盛り上げよう」
とSo Young Magazineを始めたそうです。
あれから10年。
再びUKのギター・バンド達にとってはまた厳しい時代となりましたが、サイクルとは3年周期で面白いほど変わるので仕方がないです。
また6年くらいしたら彼らの時代がやってきます。
仕方がないと言ってもただその時代に存在してしまったバンドやファンやリスナーにとっては人生変わるほどの差はあるかもしれません。
自分にしたってちょうどジーザス・アンド・メリー・チェインが1st「サイコキャンディ」を発表した時が中学3年生で、C86が高校一年生という青春ど真ん中だったからこそ背伸びしそれらに夢中となっただけで、3年違ったら今の私が存在するかどうかわかりません。
3rdの「オートマティック」も好きなんですけど、自分にとってのリアルタイムは1stと2nd。
「オートマティック」出た時でもまだ19歳でしたけどそんな感じがします。
音楽に限らずファッションも映画もアートもその他諸々もリアルタイムのものであることがが大事だと私は思います。
もちろんその時代を生きたことのない未来人にとって過去のモノはとても魅力的ですし、自分も20代は60年代のレコードを夢中になって集めてました。
でも結局リアルタイムのモノには負けるんですよね。
もちろん自身のアイデンティティとして過去のモノの専門家であったりするのは素晴らしいと思いますが、でも例えば幕末なら幕末に生きた人には負けちゃうと思うのです。
どんな知識あっても見た目も幕末人以上に幕末人だったとしても、その時代に生きた人間の方はだって本物なのでどうしても勝つことは出来ないです。
勝つとか負けるとはなんぞや、好きになるのはその者の勝手だろ、と言われればその通りなのですが、でも未来人から見たらどうでしょうか。
例えば渋谷系にどハマりしてるめちゃ詳しくて大好きでたまらない2024年の若者より、未来人は私を選ぶと思うんですよね。
2024年の若者の方が私より2024倍素晴らしく私は渋谷系も90年代のことなどどうでも良いと言ってるのにも関わらず。
だってもし幕末の人間が今でも存在するなら幕末のこと幕末人より詳しいという2024年の人間より僕だって間違いなくマジ幕末生きた人間と話したい。
誰だってそうだと思います。
だから私もおじさんなのでNewJeansおじさんを応援したいんですけど、でも残念なことにNewJeansおじさんはNewJeansリアルタイムじゃないんですよね。
NewJeansは若者にとってのリアルタイムです。
く〜おじさんとしておじさんを応援できずに申し訳ない。
10代の子が「NewJeans!」っていうのとNewJeansおじさんがその10倍の熱込めて「NewJeans!」と叫んでも全然違うんです。
むしろごめん、怖い、叫ばないで。
未来人もビビって逃げていきます。
たしかにリアルタイムじゃない熱は怖いってのもあるかも。
逆に未だに80年代のアイドルのディナーショーとかでハッピ着て未だ応援してる60代のファンの人って怖くないし良い感じじゃないですか?
見ててすげえ幸せだろうなと私はいつも思います。
なぜならそれは彼らにとってのリアルタイムだからだなんです。
10代の若者が「おっさんより私の方がマイブラのことわかってるから」なんて言ってきたらシューゲイズおじさんだってフザケンナってなるだろうし。
リアルタイムって大事です。
しかしなんでも好きになるのは自由ですし、ぜひ若者にはNewJeansおじさんにもう少しだけ優しくしてもらいたいと願います。
BIG LOVE RECORDSで扱ってるのは新譜ばかりですが、よって私にとっては全てリアルタイムではありません。
もはや音楽そのものが若者にとってリアルタイムなものなのかという話はありますが。
そーいえば、Toro Y MoiとかNewJeansに曲書きそうなタイプだなあ。
ウチ用特別カラーくれたので特典何もないかと思ってお願いしたClairoに続くミニ・ポスターのアイデアをめちゃ気に入ってくれたのですが、その前にサイン入りアートプリントをくれると言ってたの忘れていたため、どちらもつくこととなっためちゃ豪華盤。
前作「Mahal」の出来にも舌を巻いたのですが、もう八枚目だというのにここにきて新たな展開を見せるチャズ・ベアのプロデュース能力は素晴らしい。
私みたいにイヤな人間は普段から人の悪いところを見つけ身軽になり自分だけは生き残ろうと明日という未来に常に備えるタイプの男なのですが、本来もっとも嫌いになれそうなタイプの音楽と人柄の良さを持つToro Y Moiであるのに全然切れません。
こんな人はなかなかいません。
そしてもうひとつ。
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サポート!とんでもない人だな!