金属バット・友保さんのご結婚によせて
深い悲しみを感じるのは正常な過程で、予期された死が訪れる前に始まります。死と死期の研究の先駆者、エリザベス・キューブラー・ロス氏によれば、死期を目前に控えた人の多くは一般的に次の5つの感情的段階を経験します。
・否認
・怒り
・取引
・抑うつ
・受容
はじめに
結婚の一報を受けてわたしは正直めちゃくちゃさみしかった。何ならいまでもちょっとさみしい時がある。
以下にあるのは友保さんについてのことではなく、当時のわたしの感情の流れの話だ。使い古された表現で言うところの、深夜に書いたラブレターめいた気持ち悪ささえある。
ただ、いまも説明できないさみしさの中にある人が、なにかの偶然でこのnoteを見つけて、こういう気持ちの悪い人間もいるんだな、これに比べたら自分はずいぶんマシかもな、そうやってそのさみしさを受け入れる一助になれたら割といいかもなと思う。
否認 (8月11日)
思うに、風来坊めいた人がひとつ定住の地を設けたことに衝撃を受けてしまったのではないか。映画男はつらいよのフーテンの寅さんが、最終作「寅次郎紅の花」でリリーと奄美大島で静かに暮らすことを選んだように。小林さんは金属バットのことを知った時点ですでにご結婚されていたが、そうでなかったら今回と同じくらい動揺したと思う。よかった、先輩の既婚者で。
ポストを見た瞬間の動きは素早かった。リポストといいねを押し、お祝いのポストをして、スマホを置いて、次に「本当か？」という疑念が来た。これは本当に疑念を抱いていたわけではなくて、もう100%完全に結婚したと理解していた。お誕生日だし。
調べたら友引にいろいろ吉日が重なってて結婚するにはよい日取りだし。お誕生日に結婚発表とかすごいかわいい。いま嬉しくてたまらないんだと思う。よかったなあ。ずっと幸せでいてほしいなあ。
でもただ防衛のために、自分の心を衝撃から守るために、「本当か？」が出てきた。
冗談でポストしたらバズって引くに引けない状態になってたりしないか？
そんなわけはない。いくら悪辣だろうが、不謹慎だろうが、下卑た話題で笑っていようが、コンプラと倫理観と常識をかなぐり捨てて良識と一緒に踏みつけていないと出てこない発言をしようが、そういうことは冗談にしないと、この2週間で勝手に知ったような気になっていた。
ややこしいことにわたしは双極性障害II型(平たくいうと躁鬱のこと)というのを持っており、この時、あ、まずい衝撃がデカすぎる、動悸がしてきた、これ鬱転する、と感じた。長らく付き合ってきた病気なので自分にその兆候が出てきたのがわかり、とりあえず頓服を飲み、2時間ねむった。起きてしばらくして、「結婚したんや……」と呆然とした。
愛犬ダニーがディオ・ブランドーに無惨に殺された時のジョナサン・ジョースターと同じ行動を取っている。人間讃歌は愛の讃歌、さすが荒木飛呂彦、感情の動きを見てきたように描く。
祝福しろ、結婚にはそれが必要だ。
寝逃げしようと思ってもう一回横になった。いくらでも眠れると思った。明らかに様子がおかしいわたしのことを心配してか、犬が足元に潜り込んできて丸くなり目を閉じた。その額を撫でながら、本当にやさしい犬だと思い、少しだけ泣いた。
7月28日 4周年だよ！福岡よしもとお笑いライブ 開演13:25の回
令和ロマンが出るというので、初めてよしもと福岡劇場へ向かった。
突き出しみたいに出てくる福岡の劇場所属の芸人に笑ったり拍手したりしながら、出囃子にはその芸人の雰囲気みたいなものが出るんだな、かっこいいなと思っていたら暗転してすぐ割れんばかりの拍手が聞こえた。あ、令和ロマンが出てきたんだと思った。違った。そもそもの出囃子が拍手のSEらしかった。
それだけでもなんかちょっとおかしいのに、下手から大仏さまみたいなデカい男と、えらい髪の長い男が出てきた。左右のモニターに表示されていた名前は「金属バット」、上手端に座っていたわたしには、そのえらい髪の長い人が白いスニーカーのかかとをめちゃくちゃに踏みつけているのが見えた。
いいんだ、大人が靴のかかとめちゃくちゃ踏んで舞台に出てきて。
ネタが始まってすぐに客席から赤ちゃんの泣き声が響き、大仏さまみたいな人が即座に直前のこがけんさんのネタから引っ張って「マナー！」とでかい声を上げた。赤ちゃんとお母さんはそのまま一旦会場から出て行き、二人は慌ててごめんだの待ってだの言ったあと、最終的にこがけんさんが悪いという結論に落ち着いていた。その場にいないこがけんさんがとんだとばっちりを受けている。
見た目怖いけど悪い人たちではないんだろうなと思ったし、その後の関西弁というにはいっそ凄まじいほどの言葉の応酬は面白かった。(後に調べたところ、泉州のほうの言葉らしい)テイエムオペラオーと和田竜二ジョッキー。2000年の話すぎる。
ちなみに大人が靴のかかとをめちゃくちゃに踏みつけて出てきた衝撃がデカすぎて次に出てきた肝心の令和ロマンのネタは曖昧になった。最悪。
帰りのバスでWikipediaを見ると、大仏さまみたいな人は小林さん、髪の長い人は友保さんというらしかった。高校時代からの同級生で、不惑目前。よく見たらM-1グランプリのPVで死ぬほど悪態つきながら楽屋のどん兵衛を箱で持って帰っていた人だった。テーマ曲に使用されていたウルフルズ/暴れ出す Vが泣けるほど好きだったので繰り返し見ていて、動画の終わる最後に吐き捨てていった言葉は覚えていた。
「15年漫才やって手に入れたんがジャンボどん兵衛ですわ。儲かりましたわ」
7月29日 vs福岡！金属バットさん、めぞんさんと。/福岡ネタまつり
有給を取っていたタイミングとうまいこと合ったので、次の日も劇場に行った。昨日出演した芸人はあらかた九州から離れていたが、金属バットとめぞんは29日もいた。
そしてチケットが異様に安かった。1枚1500円？なんか設定間違えてない？わたしがよしもとの劇場初心者だからシステムがよくわかってないだけか？こんなに演者を動員して、セットや大道具のない素舞台とはいえもちろん裏方スタッフだっているし、料金が映画一回分以下なことあるか？
初めてコーナーライブというものを見た。自分が陰のものすぎるのもあるかもしれないが、学校でやるレクリエーションの延長線上にあるような印象を受けて、これを75分楽しく維持して見せていくのはどれだけ難しいことなんだろうと思った。自分の仕事のルーティンに組み込まれていたら嫌すぎる。しんどすぎる。
とにかく小林さんが頑張っていた。わたしは傾斜のついた下手端から見ていたが、衣装で隠されたちいかわはまったく見えず、「なるほどそういう(見えている)というていなのか」と思っていたが、後日判明した情報によると上手から見ていた人にはちいかわが見えていたらしい。マジで？観客に誠実すぎない？
ネタについてはあまり詳細を書くと後々不利になる局面があると教えていただいたので最小限にとどめるが、上手で最悪のおじさんのサロメが誕生しており、その後本当に絶対言っちゃダメなことを言っていて、あまりに悪辣すぎて震えた。どっちがネタ作っていらっしゃるんだ。
帰りの車内で今度はX(旧Twitter)のメディア欄をふたり分ざらっとさらうと、ビジホで盛大に泡風呂を開催したり、ヘアブラシをひとつ忘れたらそれが5倍くらいに増えたのを周りに配ったりしていた。それと、ねこちゃんがいる。どうやらねこちゃんと暮らしている！
自分が一人暮らしでデカい犬(25kg)と暮らしているため、動物と暮らしている人間に弱い。あんな感じなのに猫と暮らしてるんだ、わたし自身の根性が極めて悪くまたひねくれていることから、「動物好きな人に悪い人はいない」という言葉は信じていないが、その時に、あ、この人たぶん性根のいい人だろうな、と思った。
そのままYouTubeチャンネル(金属バット無問題)があること、ラジオが3つ(声流電刹(YouTube)、Music Sound(GERA)、社会の窓(ABCラジオ))あることを確認して、チャンネル登録とGERAのメンバーシップの支払いをした。完全に推しになっていた。
7月30日〜8月10日
Knabe sprach: ich breche dich,
Röslein auf der Heiden!
Röslein sprach: ich steche dich,
daß du ewig denkst an mich,
und ich will's nicht leiden.
Röslein, Röslein, Röslein rot,
Röslein auf der Heiden.
手折りてゆかん 野なかのばら
手折らばたおれ 思い出ぐさに
君を刺さん
くれない匂う 野なかのばら
それからはYouTubeチャンネルの動画をひとつずつ見ていき(300本以上あった)、ラジオもひとつずつ聴いていき、(こっちも合計すると300回くらいあった)無料でこんなにいろいろコンテンツに触れさせてもらっていいんだろうかと思っていた。夜犬の散歩をするときにどうしても人気のない道を通るため、社会の窓を流しながら歩いて近所の学生から二度見され、散歩中に流すのをやめた。この土地は熊本市電の隣の席に涼しい顔して座ってるやつが、もしかしたら金属バットにとんでもねえメールを送っているかもしれない。マラばさみ(文字が正しいかは知らない)、お前何区に住んでるんだよ。
Music Soundや社会の窓はわりと関西ネイティブじゃないと正確に聞き取れないような時がある、親の前で聴けるかと問われたら首を横に振るタイプのラジオだったが、一方声流電刹は穏やかだった。新しい番号から順に聴いていたが、語調も前二つよりやさしくなっていたように思う。眠りにつく前に流すと、法事やら盆やらで親戚が大勢集まるような時、夜が深くなった時間帯の居間で、よその土地に住んでいるよく知らない遠い親戚のおじさんが、酒を飲みながらよく知らない話をして笑っているのを和室から聞いているようで好きだった。たまに「これ絶対言っちゃダメなやつだ」の発言があって起き上がる時はあったが。
特に好きな回がある。
声流電刹の212回、大学を卒業して数年、フリーターをやったりニートをやったりしている女の子からのメールだった。以下が要約になる。
自分が何をしたいのか、生きる意味はあるのか、何にも覚悟が持てない。大学生として4年間過ごしたのに誰かと恋愛をすることもできなかった。セックスについては未成年のころから創作の世界の話だと思っていたけれど、いまこんなに学生時代のことを後悔するのなら、誰とでもいいからセックスしておくべきだった。
現状を顧みて就活を始めているが、うまくいかない。朝起きるのすらしんどいのに、腹は減って、子孫を残したい本能が働いてセックスしたい自分は変で、面白くまである。
ネタメールかもしれないがそれにしてはやけに情念のこもったメールだった。わたしはこのメールが読み上げられたとき、「これは男性が書いたものだ」と思ったが、小林さんは本文中に使われた「彼氏」という言葉からおそらく女性と判断したようだった。
「中・高・フリーターはずっともうシコってた、もうセクりたあてしゃあなくて。であんまり興味ないんやったらもう興味ないんやろな、そういうやつおるよな」
「これ女の人やろ？」
「女か、あんた女かいな、あ〜女か」
「女の人やと思うわ」
「ほんならもう興味ないんやで多分。無理にしやんでええやろ」
「そうやんな」
「生きるのマジだるいからなほんまに」
「うん」
(中略)
「そうよ、『生きてる意味がわからない』なんかみんなそうやろ。そんな明確に『このために生きる！』なんかおらんからな。ガキ生まれてるやつだけやそんなん言うてるの」
「それぞれやし」
「それぞれやしな」
小林さんは次のメールに移ろうとしたが、話は続く。
「ちょっと待ってくれ今のあれあったやん、生きる意味がわからないとか」
「うん」
「なんかそういやそんなこと昔チラッと考えたことがあるなと思って。最近マジで何も思わんのは、やっぱり歳食ったからやんな」
「ｴﾍﾍ」
「さっきのやつ、セックスも歳食ったら全部どうでもよくなるからな」
「まあ、考えたことあるなあ。最近思わんくなったのは俺もう結論出たからやわ、『日による』って」
「沈んでる日もあるしな」
「生きる意味はその日によるって」
「そうやな、夜呑むためもあるし」
「だから思わんくなったな」
「そうよなわし歳食ったから全部どうでもよくなった、もうなんでもええわと思って。放っときゃ死ぬんやから」
本文が読み上げられたとき、わたしは「なんだこいつは、セックスしても何も変わらん、こいつはセックスすることで自分が「みんなと同じ経験をしたまともな人間」になれると思ってるだけだ、お前の人生は1回セックスしたところで何も劇的に変わらん、かといって経験を積んだところで人間としての評価も変わらん、執着しているうちにみんなそのステージからいなくなる、働け」と顔も名前も知らない人を深夜に大罵倒していたのだが、存外に二人の言葉は優しかった。性欲自体を否定せず、"「その辺の誰とでもしておけばよかった」と書いてあるがあなたはそうしなかった、だから本当は興味がない、興味がないものを無理にやらなくていい、でももししたくなった時、それは最後の決め手になるから取っておくといい。
生きることにずっと意味はないし、でもたまに生きててよかったなという日がある、あなたが今悩んでいることも、歳を取ったらどうでもよくなるかもしれない。それはそうとして僕たちはめちゃくちゃセックスが好きです。本当に好きですあんないいもんないです、"という付かず離れずのやさしい突き放しかたをしていて、大量にメールが届いているであろう中この一通を取り上げたことが、このメールを送った女性(男性かもしれない)と、再生した数万人のうちの何人かを救ったかもしれないと思った。
1日に11錠抗精神薬を飲む。飲むことで毎朝起き上がれるかどうか二分の一の確率のくじが引ける。起き上がって立ち上がれるかどうかもまたくじを引く。主治医は一生薬を飲む必要があると言った。死んでないから生きている、意味はない、犬がいる、生きている。
怒り・取引き(8月12日)
前日に何があろうと6時には目が覚める。暑くなる前に犬の散歩に行かなければならない。
帰宅してXを恐る恐る見ると報告のポストについた祝福の言葉について、ひとつずつリプライを送り返していた。律儀な人なんだなあ。それと同時にウワ！これ本当みたいだ！逃げられない！でちょっと混乱状態になった。
何から逃げようというのか、逃げるもなにもこれ本当だわ！衝動的にFANYチケットを開き、福岡の劇場での直近の公演を検索し、行けそうなものを全部選んで決済した。もはや金を使った自傷行為だった。躁転している。
ここからは成人してしばらく経った社会人の行動にしてはあまりに幼稚すぎて自分でも省みておかしく思うのだけど、その衝動のままコンビニに走り、一番安かったジムビームの小さいボトルを引っ掴み、ハイライトと百円のライターを買って、生まれて初めて煙草を吸った。何やってんの？
まずライターの火が点かない。硬すぎる。親指の指紋がなくなるんじゃないか、痛すぎる。
ようやっと火を点けて、煙を思いっきり吸い込んで、信じられないほど咳き込んだ。いつも動画で見ていたふたりのようにかっこよくは吸えなかったし、煙草はふつうにクソまずかった。喉と舌がぴりぴりするわ、なんとか一本吸い終わった後は立ちくらみがしてよろけたりなんかするわで最悪だった。これが学生時代同期のイキった奴が言ってたヤニクラかよ、なるほどね。
よくこんなもんうまそうに吸えるな、いっこも面白うねえやねえかこげなもんひった糞のかすにもならせん、けったくそんわりい、なあんも楽しねえ。口もずっと苦い。
その夜はペルセウス座流星群がピークを迎えており、遠くの電波塔の赤いライトが少しだけ滲んでいた。
いい大人が大学生みたいなことをしている。恥ずかしい。
抑うつ(8月13日〜8月18日)
推し始めて2週間足らずでの結婚発表という初めての経験にオタクの体は意味のわからない反応をし、体重が1週間で3㎏近く落ちて上司から心配された。どうしたのか、体調が悪いのか、病院に行かなくていいのかという上司の問いに対して、おう友保さんが結婚したんすよ、推し始めて2週間の友保さんがですよ、とは言えず、なんかご飯食べにくいんですよ、夏バテですかね？で乗り切った。
ジムビームはコーラにぶち込んで飲み切った。どんなにクソまずく喉を焼こうが、別に海ほどあるわけじゃなし、薄めればすっかり飲み干すことができる。
抑うつ(8月19日〜8月22日)
YouTubeチャンネルの動画は更新され、複数あるラジオは配信され、FANYの有料配信があり、わたしはそのラジオを聴きながら仕事に向かっては帰宅して、飯を炊き、犬の散歩に行き、スマートフォンで配信を見ながらたまにベランダで煙草を吸っている。ハイライトはまずかったので即捨てて、父親が昔吸っていたセブンスターに変えた。やっぱりクソまずいが慣れた匂いがするだけマシな気がした。
ラジオの内容に、インスタグラムの投稿に、さみしさがへばりついていても、それでも生活は続く。赤の他人の人生を遠くからささやかに寿ぐのか、それともその最後列の立ち見席から去っていくのかを考えながら。
8月23日 博多ちゃんぽん！大喜利定食！/福岡ネタまつり
考えなしにチケットを取ったせいで職場から飛び出して新幹線に乗り走って劇場に滑り込むことになった。バカすぎる。
新幹線乗れた！わたしがよしもと福岡大和証券劇場に18時までに入れるか見てて！もうちょっと諦めてる！！
— あおいこ (@aomidoriko_) August 23, 2024
ロビーでスタッフさんが整理番号を大声で呼ばわる時、一瞬だけ「もう帰ろうかな」という逡巡があった。この中にもさみしいと感じている人はいるんだろうか。もしかしたらいるかもしれないし、わたし以外誰もいないかもしれない。さみしいことや、悲しいことは乗り越えずそのままでいいんじゃないか。ファンだから祝福するというのは正しいけれど、そう思えないことを否定するものでもない。わたしは2週間でけっこうデカめの衝撃が来たが、金属バットを長く応援してきた人はさらに衝撃を受けたのではないか。
入場までわたしちゃんと観れるのかな……とか繊細ぶっていたが座席に座ったら全部どうでもよくなった。配信もあったからあまり詳細にしてはいけないが、友保さんはめちゃくちゃ漢字を間違えていた。なんなら先月29日もかなり間違えていた。囲碁将棋の根建さんはけっこうヤバい人だったし、小林さんは佇まいからしてもう怖い。カーネギーの沢さんのことが心配になった。
ネタを見るのは3回目で、この日のやつが一番面白かった。言葉の応酬の速度がすごいから聞き流しそうになったけどいまちょっと憚られるようなこと言ったよね！？になるのがわたしは好きなんだなと思う。うちのおばあちゃんは桃を剥いてくれます。
よく、芸能人の結婚に際して悲しんでいる(ように見える)人に「恋をしていたの？」「恋人になったり、結婚できるわけもないのに？」とかいう愚問を投げかけてくる愚か者がいるが、そんなわけねえだろ。お前のような愚にもつかない問いを他人に無神経に投げかけるような人間を産んだ親が哀れだ。いやガチ恋やリアコの人もいるか、ごめん。
2021年5月、星野源が新垣結衣との結婚を発表した時に、あるファンがこう言っていた。「置いて行かれたようでさみしい」「源さんは、ずっと変わらずわたしたちのそばにいてくれると勝手に思っていた」「それはわたしたちの勝手な想像で、彼には彼の人生があり、ライフステージを登っていく。一介のファンであるわたしたちはそれに関与できない、してはならない」「わかっているけれど、わたしは源さんの曲に人生を救われていて、だけどそれは彼の人生に全く関わりがなくて、それがさみしい」
8月24日 福岡よしもとお笑いライブ 15:50〜の回/リズム天国2〜歌と音とダンスの60分〜
ついさっき、結婚発表のポストを見て買い足したチケットでの公演を観終わった。金を使ったある種の自傷行為であり、いち観客の自分ができる極めてわずかな祝儀だと思って買い増した4ステ分だ。
なにも変わらず面白かった。なにぶんハマってから時間が経っていないので7月28日からコーナーライブを除いて計4ステ見ても全部知らないネタだったし。小林さんが直前のフースーヤから引っ張って客席の子どもに声を掛け、お母さんから怒られるタイプの言葉のやり取りをしていた。直前の状況からうまく拾い上げていくの本当にすごいな。
リズム天国2は本当に面白かったので配信まだあったら買ってください。上手側で幻想的なものが見れるし最後はピクサー映画です。絶対配信買ったほうがいいです。
あと、白いスニーカーのかかとは初めて観たときと同じように驚くほどめちゃくちゃ踏みつけられていた、素足で。すっぽ抜けたりして歩きにくくないんだろうか。
これからもたぶん変わらず、靴のかかとをめちゃくちゃ踏んで舞台に出てくるんだろう。
8月24日 詩的にダラダラうるさいしまどろっこしいので逮捕です
検挙される前にここらで一旦受容とさせていただくことにします。
おわりに
新幹線の車内で泣いてしまったらTwitterをブロックされるし劇場出禁になるから気をつけようと思いながらここまで書いたが、高速バスの車内で半分寝ながらこれを書いたのが何かの偶然で万が一バレたら自分も出禁になりそうな気がしてきた。そういえば寅さんは映画の最後にリリーとちょっと喧嘩して奄美大島から家出して関西に向かっている。やばい。失礼すぎる。でもまあ寅さんはすぐリリーのもとに帰るだろうからいいか。いつでも迎え入れてくれる安息の地があることは素敵なことだ。
ご結婚おめでとうございます、お誕生日おめでとうございます。友保さんのご多幸を、ご伴侶さまのご多幸を、切に、切にお祈り申し上げます。
来年賞レース勝って単価上げて、また気が向いたら地方の劇場にも来てください。
ずっと応援しています。よいしょ！
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