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Digital Stars 2020でプレイした曲解説

2020年8月30日にDigital Stars 2020にDJ出演時にPLAYした楽曲をアーカイブ。近年のDJを総括するようなセットリストなので、一度まとめてみました!

ちなみにBIGHEADは同じようなセットリスト/曲を繰り返し使います。
コアなファンの方には「またかよ」と思わせて申し訳ないのですが...
これには理由がいくつかありまして....そろそろ解説したく

①曲やDJ PLAYが皆さんに届いていないような気がする(人間不信)
②VOCALOIDの楽曲はCLUB仕様の曲が限られている
③海外・国内・年齢問わず大多数で共感でき盛り上がれるアンセムの創出


①曲やDJ PLAYが皆さんに届いていないような気がする(人間不信)

わかります!DJ自身が面白い!良い曲!だと思いドヤ顔でプレイしても
お客さんの反応がイマイチだったりすると「もう一回かけたら盛り上がるかな?」という他人の感性を全く信じていない行為に走ってしまう。純粋に響かない盛り上がれないだけということを一ミリも考えないサイコパスDJに起こりうる現象。

何度も同じ曲を使うのは出演する会場が大きくなって、観てくれる人数が多くなっていっているということも関係しています。最初は100人-200人とかだったのでSET LISTも頻繁に変えてましたが、2019年マジカルミライ企画展DJステージでは500-1000人(正確な数わからず)くらいの大人数だったので殆どがBIGHEADを初めて観た人。はじめましての方に紹介的なセットリストを作るDJが続いたかもしれません。

今回のDIgital Stars 2020のステージは昨年マジカルミライを超える人数の7000人。海外からもアクセスされると思ったので去年観てくださった500人-1000人の方には飽きることが予想されましたが、同じような曲が並ぶセットリストを作りました。7000人以上の人に聞いてもらう機会はそうないですから


②VOCALOIDの楽曲はCLUB仕様の曲が限られている

こんなこと書いて嫌われそうです。でもしょうがない。

VOCALOIDの楽曲はROCKやギターの楽曲が人気なので、EDMやCLUBでプレイできる構造の曲が少ない。と感じています。

加えてVOCALOID CULTUREは「過去の音楽史から参照/学習」「海外アーティスト楽曲との比較/要素を取り入れる」ということが少なく独自の文脈で発展してきた文化なので、日本独特の音像になっています。

そのためCLUBや海外フェスでプレイされ盛り上がる楽曲との乖離があり、ボカロ曲海外やクラブでヒットしている曲を並べて掛けると繋がりが悪いことが多いです。なので厳選というか、CLUB仕様の楽曲を探すのに時間がかかり、同じ曲が多くなります。


でも...


ボカロ曲のみ連続でプレイしていたら気になりません!!



VOCALOID ROCK、いわゆるVOCAROCKオンリーでプレイしていたら気になりません。というか同じ質感なので気がつかないだけなんですが、異質なものが混入されて初めて違和感に気がつくというか。日本のボカロ曲だけプレイしていたら楽しく過ごせると思うんですが、そこにいきなり海外のヒット曲をブチ込まれると「音デカ!」「低音すげええ!」「かっこいい!」と...

逆にボカロ曲が、しょぼく感じてしまって繋がりが悪いんですね。海外曲の音を小さくしたりボカロ曲の音量を大きくしないと違和感が発生する。そう感じるのは自分だけかもしれませんが、CLUBでは良い音質を担保し、リスナーには爆音で楽しんでもらいたいので意識的にキュレーションしています。音楽的クオリティの担保はDJの個性にも繋がるだろうし、誰でもDJになれる昨今レーベルゲート的な信頼性をDJが担う時代でもあるかなと。嫌な奴だな


③海外・国内・年齢問わず大多数で共感でき盛り上がれるアンセムの創出

自分はVOCALOID CULTUREをより多くの人に楽しんで欲しいと考えて活動しています。読みにくい文脈で会員制サロンのような一部の日本人だけが享受できる娯楽ではなく、VOCALOIDも知らない日本人や海外の人も疎外感なく楽しめるコンテンツだったらいいなと思っています。日本の誇れる文化になったらいいなと。これまでのボカロ文化への否定では無く、自分のやりたいことは「拡めていくこと」だということです。

・CLUBに一人で遊びに行ってニッチな曲で皆んなが盛り上がっているのに、自分は知らなくて疎外感を感じた

・独自な文化で高度な文脈を読むことを要求されてフラットに楽しめない

ということが軽減されたら良いと思いセットリストを作っています。ニッチで尖ったプレイも文化を掘り下げるのに必要だと思うのでそれは他のDJさんがやってくれていると思ってます。「初見でいきなり楽しめる!」「パーティーに来てる人は皆オープンでコミニュティに入りやすかった」という風になったら良いなと。

※追記

なぜ海外の方、初見の方、子供さんが楽しめるようにしたいのかの理由。
アメリカに初めて行った時に拙い英語で一生懸命店員さんに話しかけたら、発音悪くて聞き取りにくいのに笑顔で対応してくれた経験があったから。お金を払ってくれる観光客への対応と理解はしていますが「言葉がわからなくても、せっかくの旅行なんだから私の国を存分に楽しんで!」という明るいオーラをバンバン感じる接客だったのです。歓迎してくれている感覚。

またフランス・ドイツの美術館・コンサートホールも全世界の観光客に開かれていて、西洋の文脈に疎いアジア人も臆する事なく鑑賞できました。一見さんには理解できない格式や隠れた文脈みたいなのはあると思うのですが、ボッチや文化を深く知らない人も笑顔で楽しめる環境でした。

自分も日本のコンテンツ製作者として、そうありたいと思いました。
単純にドンドン拡まってくれー!!!っていう。

というわけで「DANZEN! ふたりはプリキュア ~唯一無二の光たち~」や任天堂Switchのゲーム「JUST DANCE」に収録されてる曲からもプレイして子供さんや海外の人が楽しめるようなセットリストを作りました!ではようやくセットリストに。


00.DANZEN! ふたりはプリキュア ~唯一無二の光たち~(オルゴール.ver )/五條真由美
オルゴールverで数秒だったのですがtwitterで「いまプリキュアかかった?!」というような反応があってやはりわかり手さんは有り難いなと感じました。本当はプリキュアverや初音ミクカバーを作ってプレイしたかったのですがBPMが速く残念ながら見送りました。たまたま家族で観ていた子供さんが「あ!プリキュアかかった!」ってなってくれたらなあという奇跡に賭けてイントロに。若い未来にも開かれているDJということを表明したかったのです

01.[SELF]/ODDEEO 
今回のイベント名「Digital Stars」を知ったのは2019年のDigital Stars in Hongkongに参加させてもらった時。その時も良いネーミングだ!と感じていたのですが、海外に行けなくなった2020年に改めて良い名前だと再認識しました。いろいろな意味が込められたイベント名だと思うのですが、オンラインイベントに変更された時により「デジタルの星」を実感することができたように思います。

当初「デジタルの星」は、各国のクリエイターや出演者が輝いた姿を連想しました。香港でDJした時に現場のお客さんも輝いていて全員が星だということも体感していたのですが、オンライン開催になるとデジタルの光ケーブルで繋がれた感覚が強調されました。加えて視聴者のコメントやチャットが星の瞬きに見えるような倒錯感で出演者と視聴者の境目が消えたようにも思います。イベントが終わった今、やっぱり良い名前だなあと思います。

ということを考えながら1曲目は海外のVOCALOID PRODUCER /ODDEEOさんの最新作[SELF]をプレイ。ボーカロイドが何重にも重ねられたデジタルクワイヤ。海外のプロデューサーも多数参加された本作はMusicVideoもイベントにぴったりでお借りしました。


02.Higher” by Mall Boyz, Tohji & gummyboy (MIKU COVER)

去年から今年にずっと聞いていた楽曲。自己肯定感を高めてくれるTohijiさんの歌詞に何度も勇気をもらいました。

誰も見たことのない景色だけを見る俺は子供の頃からずっと天才でいる1人空高く上空の上で生きる

というか自分も子供頃からずっとこんな感じです。暗い情勢の昨今、天才だと勘違いし、自分を肯定していくのは大切なことだと。

03.クレイジークレイジー(M@STER VERSION)/一ノ瀬志希

MCでも言いましたが「今日くらいはおかしくなっちゃってください」ってことでクレイジークレイジー。定期的に羽目を外したいものです。

04.Polka Bounce (Bailo Remix)
Ievan PolkkaのremixはドイツのDokomiでもアメリカでも盛り上がるので海外案件ではお世話になってます。今回はTrapのRemixを見つけたのでドロップしました。

05.Miku's Bounce xx / BIGHEAD
06.ANXIETY /BIGHEAD
ANXIETYはDigital Stars 2020で絶対プレイしたい曲でした。「フェスでカッコいいダンスの楽曲を披露する」というモチベーションのみで。Nagisa(松本 渚)さんの振り付け・モーションキャプチャーのお陰で実現しました。これは本当に大好きな振り付けでデータが送られてきた時の興奮は今でも鮮明。

07.Make Way For the King / Ohana Bam
ゲームとHIPHOPのコラボということで、全然ボカロ関係ないけど入ってます。「こういう曲BIGHEAD名義で作りたい」という時にDJに入れたりします。馴染ませていく的な。いきなり新曲でHIP HOPとかTRAPリリースしても驚かないように仕込みですね。

08. 劣等上等(BRING IT ON) ft.鏡音リン・レン/Giga
Gigaさんの楽曲は音質もアレンジも楽曲も全てが完璧で海外EDMと並べても違和感無く繋がります。この楽曲がリリースされた時「DJに使える曲が増えた!ありがたい!」となった記憶が。

09.Hello, Morning/Kizuna AI(MIKU COVER)
Kizuna AIさんも海外オンライン音楽イベントなどに出演されていてインターネットミュージック最前線って感じでかっこ良き

10.where are you from / BIGHEAD
この曲はVR DJをする時に必ずプレイしているのですが、3回目の今回は一番盛り上がりました。「あなたの国 or 町を教えてください」とMCやVJで聞くと視聴者さんが国名や町をチャットで打ち込んでくれるんですが、今回はチャットが速すぎて把握仕切れず....アーカイブで集計したいです。

11.メルト / supercell (BIGHEAD REMIX)
12.World Is Mine / supercell (BIGHEAD REMIX)
13.砂の惑星 /ハチ (BIGHEAD REMIX)
14.ドリームス・ドリームレス/はるまきごはん(BIGHEAD REMIX)

このコーナーは皆が知っているアンセムをBIGHEAD REMIXでアレンジし2020年verで楽しんでもらうという。10年前の曲でも皆さんと共有できるって良い文化です。はるまきごはんさんの曲はいつでも鳥肌がたちます。

15.Hatsune Miku’s Counter Attack / BIGHEAD
16.Rage Agains The M / BIGHEAD
これは当日配信を観た方だけのお楽しみ。アーカイブをyoutube menberかPATREONのどこかで配信したいですね。夢が叶った瞬間。

17.Sharing The World / BIGHEAD

2014年にBIGHEAD名義で初リリースした楽曲。MIKUEXPOの初開催の雰囲気や色々な事を思い出すし、その後色々な国で演奏されて思い出が更新されていく特別な楽曲。6年たってフェス会場まで来ましたね。皆さんとまた新しい伝説を作れたら

18.KILL THIS LOVE / BLACK PINK (Miku cover )

今年1番聞いていたBLACK PINK。絶対プレイしたかった。
任天堂SwitchのJUST DANCEでも踊りまくった曲。JUST DANCEの影響はとても大きくて...まず収録曲が良いんですよね。Global感というか全世代が楽しめる踊り...それはUbisoftが制作しているので作られたグローバル感とも言えるけれど。初音ミクなら「ぽっぴっぽー」が入曲してますが日本の曲は少なく...K-POPが強いです。悔しいし憧れます。

19.DAYO ONDO / BIGHEAD
20.DAYO / BIGHEAD
マジカルミライ2019 企画展ステージのDJでダヨーさん関連の曲をプレイできた時は感無量だったけど、7000人超の視聴者にも聞いてもらえたの事件ですね。そして巨大化したダヨーさんとの共演。2020年-2021年は面白い、痛快なことっていうのは大事だと思っていて...どんどん楽しい事やっていきたいです。

なんでDAYOさんをフィーチャーするかというと、子供さんが初めて観た時にとっつきやすいと思ってて。もちろんカッコいいコンテンツでもありたいですけど、全世代に愛されるビジュアルキャラがあるのでそこも網羅しつつ。

21.BadGuy / Billie Eilish(MIKU COVER)

Billie Eilishは2018-2020年の音楽シーンを変革した存在。こんなダークな曲が盛り上がるしJUST DANCEでも爆踊りできるっていう。絶対かけたかった。初音ミクとの関連でいえば村上隆さんが両アーティストのMusic Videoを作ってますね。アートな分野でも、リンクするところがあって2021年も楽しみです。ダークな初音ミクソング作りたいです。




まとめ/総括


近年はそんなことを考えながらセットリストを組んでました。
4つ打ちからの脱却もできたと思うし、TRAP・HIPHOPとの馴染みもでてきて。次のフェーズは暗かったりクールでメロディックじゃない曲でも成り立つセットリスト。

今後の大きな目標としては海外の英語圏フェスなどに出演しているBIGBANGやBLACK PINKの曲と並べても遜色ない曲を作って行きたいと思ってます(激ムズ)。BTSはビルボードチャート1位を獲ったりしてるので刺激的です。と多岐にわたり長くなりましたがDigital Stars 2020のセットリストでした。

プレイした楽曲は下記リンクで視聴できますので是非とも聞いてみてください!!

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