『なんで、私がアメフト部に⁉』DL3年 古家瑳斗留【RECRUIT BLOG vol.4】
俺は高校での部活経験を通して、もう部活なんてしないと決めていた。周りからの圧に耐えながら努力しても試合には勝てなかった。最終戦の結果は野球に例えれば5回コールド負け。やる気なんて出るわけがない。受験に特別いい影響を与えたわけではなかった。己の成長だって、ほんのちょっと筋肉が増えただけだった。浪人して北大に受かって、初めて努力にも意味はあるのかな、なんて思ったけど、だからって部活なんて面倒くさいし運動神経皆無の俺には頑張るなんて無駄の一言に尽きる。
でも、もしかしたら。『大学』という大きな舞台ならなにか違うかもしれない。俺に何かを与えてくれるかもしれない。そんな淡い期待を胸に、練習見学会へと赴いた。そこで見たのは熱心に練習へ取り組む先輩たちの姿。おちゃらけた雰囲気もなくぶつかり合う選手さんたちの姿。それぞれサポートをしながら輝くスタッフさんたちの姿。これは、俺の知ってるアメフト部じゃない。ここなら新しい挑戦ができる。そう確信してアメリカンフットボールを再開した。
ぶっちゃけ、俺はアメフトに向いてるメンタルを持ち合わせちゃいない。相変わらず努力なんて嫌いで、悔しさは俺を打ちのめすだけで、バネになんぞなりはしない。俺はアメフトに向いてる運動神経を持ち合わせちゃいない。皆が当然のようにできることが俺にはできない。でも、俺は頑張らなきゃいけない。多くの仲間が俺を見てくれてる。微弱でも、この力を信じてくれている。生物学的な性別どうこうじゃなく、ここで頑張らなきゃ漢じゃない。ここで頑張ることは俺が『俺』たる証明になるに違いない。そりゃ辛いこともある。
でも、それを上回る楽しさ、満足感が確かに胸の中に残り続けている。辞める理由なんてたくさんある。拘束時間が長いから。痛いから。お金がかかるから。だけど、それだけ。その拘束時間は間違いなく数十年忘れない時間だし、その痛みは人間としての強さを担保するものだし、消費したお金は無限の価値へと変貌する。決して無駄なものなんかじゃない。俺は決して入部という選択を後悔したりはしない。
人生100年という長い時代、キミの大事な4年間を人生で最も濃い4年間にしてみせる。俺たちには、そうする確証がある。キミの未来に素質なんて関係ない。背が低いのなら相手に触れられず躱して得点できる。動けないのなら動かない重石になれる。アメリカンフットボールという自由なスポーツの勝ち方は一つじゃない。
キミなりの『勝ち』を部活動を通して見つけてほしい。是非、共に全国を駆け巡ろう。