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エッセイ386.そんな、仕事じゃないんだから・・(カラオケ)

コロナの時代になってから、一人カラオケも、夫婦カラオケも、めっきり行かなくなっていました。

引っ越してきて娘が近所になったら、たまに居酒屋で三人飲みをしたりするのですが、店を出て娘から「カラオケ行こう」と言われたのは、普段別に、ものすごく親になついているわけではない次女も、ちょっと酔っ払っていたのでしょう。

さて、数ヶ月ぶりにカラオケ屋さんに行ったら、「高くなったなぁ」という気がしました。
高くなったと言えば、コロナのさまざまな規制が外れてからこっち、少しずつ出かけるようになったのですが、なんでも高くなっていたのですね。

これは、東京値段なのか、東京も名古屋も、いろいろな理由で物の値段が上がっているのか。
両方でしょうね。


さて、久しぶりに歌ったら、結構楽しくて弾みがついたかもしれません。
その後にカラオケに行ったのは、近所に住む生徒に誘われてです。

飲みに行くたびに彼女の方から、

先生次は、カラオケに行きましょう

と言ってくれていたのですが、敬老精神からのことかと思っていました。
そうしたら本当に彼女はカラオケが大好きだそうで、それは日本での留学時代に友達に連れて行かれて以来なのだそうです。

アメリカやイギリスなどのドラマ、映画を見ていると、飲む場所でのカラオケのシーンが出てきます。日本でいうと、カラオケのあるバーやスナックやクラブですかね。
それが、順番を守って、「次は私ね!」と、低いステージのマイクの前に出て行くのが普通みたい。
グループだけ、一人だけ、カップルだけでこもる「カラオケ屋」さんは、なくはないのでしょうか、一般的ではないようです。

そうなんですよ!
ステージに行って、知らない人に見られながら歌うんですよ!
あんなの、恥ずかしくて歌えません。
日本のカラオケボックスの方がいいです。

という生徒が、結構います。

ドラマでよく、性格がまあ暗いとか、偏屈とか、うるさい上司とかが、カラオケのあるバーで前に出ていって歌い始めたら

わ〜お!

すんごく上手で・・・っていうことがあります。
これは、普段外に見せないその人の才能(才能なのか)弾ける意外感、という、とてもわかりやすい瞬間で、
"見直したぜベイベー!"
と思いやすいので、よく使われる手ですね。

ちなみに私の生徒で、カラオケに行きましょう行きましょうと言う人は、カラオケがすごく好きか、すごく上手かのどちらかです。

「行った人の全員が上手だった」という経験は、韓国の人と、フィリピンの人のグループでありました。夫婦で難しいハモリなんかを聞かせてくれると、もう、ラブラブに違いないと思ってしまいます。フィリピンでは、家族や友人のパーティでは、カラオケ機材をレンタルし、戸外で歌いまくるというのが普通だそうです。
楽しそうですね。

さて、誰かと一緒にカラオケにいったときは、その人のカラオケのあり方が二つに分かれます。

・好きで、上手=一緒に歌って楽しい。
・好きで、歌の方はそれなり=一緒に歌って(愛嬌があるので)やっぱり楽しい。

というものです。
とにかく、誰と行ってもカラオケは楽しいものですよね。

さて、何度か誘われて、ついにガールズ二人で行くことになったカラオケですが・・。

し、しまった!

ということになりました。
だって、この彼女、すごく歌がうまかったのです。
で、高音の伸びも、低音の響きも素晴らしく、機材の調節で音を変える、ということを全くします。

私などは、歌い始めてから
あれ? 高い・・
あれ? だめだ〜・・
と、何度も何度も音程を下げるので、恥ずかしいです。

よく一人カラオケをしていた時代は、スマホに、
On my own −4
I had a dream-3
などのように、幾つ下げるかの記録を作っていたぐらいです。

そして彼女は私がある歌手の歌を歌うと、次の自分の曲はその人を選ぶ。
それがまた、ものすごく上手い。
そして、上手いだけじゃなくて、褒め上手でもありました。

先生、先生の声にはドラマがあります!
先生、先生はなんでも歌えるんですね!

もちろん私、真に受けますが、

いやだ、上手!
あとが出にくい!
本当に上手!

と、きちんと褒めます。
エールの交換。

これが始まると否が応でも盛り上がり、
「3時間でいいよね?」
と言っていたのに、延長してしまいました。

一人カラオケのときと違い、音程を何回も下げていくのが恥ずかしく、
やり直しもしにくく、この日の私は、いささか不完全燃焼になっていました。

それで途中で、
(こんな上手な人にまた誘ってもらえた場合、
今日と同じような歌を歌って、レパートリーのなさがバレてはいけない)
と思ってしまい、こっそりスマホを開いて、レパートリーリスト(そういうのがあるんです私)に、歌ったものに印をつけ始めました。


今よく見てみると、いやー、古い、古い歌ばかり。
娘たちが一緒に住んでいて、たまに家族でカラオケに行っていた頃は、
この歌いいじゃないのと思うと、こっそり、ひとカラで練習していましたが、
その時代はもう戻っては来ない・・

こうなったら、「先生の歌う歌は、ほとんど知らないものばかり」ということを特徴としていく、という道しかないと思いました。

☑️をつけたのは、この日歌ったものですが、ビートルズとABBA、クイーン、アデル、チープトリック(誰も知らないか〜)と、演歌もたくさん、リストに載っていないのを歌いました。

Google Docsの中に、「カラオケ」とタイトルをつけたドキュメントが3つもありました。
思わず自分で・・

そんな、あーた、仕事じゃないんだから・・・

と、突っ込んでおきました。

今、2週間続くこじらせた風邪で、何をしても咳き込んでしまいますが、
これが治ったらまた、秘密練習に行ってこようと思います。
いやいや、仕事じゃないんだから・・ですね。



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ガラパゴス諸島から来た日本語教師 tamadoca
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