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エッセイ399. その言葉はちょっと勘弁して(1)

「まみれ」の章

上野のあたりを歩いていたら、「なになにまみれ」という店名の飲食店がありまして、

(まみれ・・その言葉はちょっと)

と思ってしまいました。
なにか、すんなり、名前として頭に入れたくない感じがしたのです。

「なになに」のところは、日本が誇る、世界の人が大好きな食べ物の名前を入れてください。
以前うっかりある商品名を書いて、ネット上のロボット探査機みたいなのがあるのだそうですが、それに見つかって、怒られたことがあるので、以来、危険回避をしています。
怖いから。

その飲食店のことを忘れていたら、この前コンビニで今度は、「◯⚪︎◯まみれ」という商品を見て、同じような気持ちになりました。

この違和感はなんなのであろう。

考えてみました。

これは、名詞的用法では
「なになに・まみれ」

動詞としては、
「なになに・に・まみれる」
という使い方をします。
漢字は「塗れる」。
塗る、のは、面ですよね。

ゲル状・粉末状・液体状のものが、
一面に、くっついてしまう様を言うのだそうです。

泥まみれ
汗まみれ
血まみれ
砂まみれ

推察するに、あの食べ物や、あの食べ物について、製作者や責任者は、

みなさん!  
もう、美味しいのですから、どうぞお口いっぱいに頬張って、
入りきれないものがほっぺたにも唇にも、もしかすると鼻とか、
勢いのある人などでは、おでこぐらいまでにもついてしまうでしょうが、
そう言う食べ方をして、お楽しみください!

ということだったのだと思います。
でも、赤ちゃんが、ピーナツバターをたっぷり塗ったパンを口に押し込むときなどなら、そういうこともあるかもしれないけど、
寿司とか(あっ、言っちゃった!)、
ちっちゃいチョコレートとか(あっ、また言っちゃった!)を食べて、
口の周りや顔全体とか、なんなら体が、それらでまみれるってなかなか、ないですよね。


本来の「まみれる」にはどうも、ネガティブな感じがあります。

いろいろ辛いことが世の中には多く、

汚辱にまみれたり、
一敗地にまみれたり

いろいろまみれることが多くて、大変なのです。

そういえば私の少ないカラオケレパートリーの中に「蕾」がありますが、その出だし、

涙こぼしても  汗にまみれた笑顔の中じゃ・・・

というのがあって、
「汗にまみれるほどの活動ってなんなんだ?」
と、マイクを斜めに握って歌いながら、ほとんど必ず思ってしまうのです。

🎵涙こぼしても汗にまみれた笑顔の中じゃ
誰も気づいてはくれない  だから
あなたの涙を僕は知らない🎵

涙をこぼしても顔が汗にまみれていて、
誰にも気づいてはもらえないほどのすごい汗・・
これは、滝のような汗でなければなりませぬね?
・・・そんなに激しく汗をかきながら、笑ってもいる?
どういう状況なの?
何をしていると、そうなるの?

あの歌は実は、お母さんのことを歌っていると聞いたことがあるのですが、
そう思うとジーンと来ますよね。
お母さん、シングルマザーで、ガテン系の現場で働いていて、よく大汗をかいていたのかなぁという気がするんですけど、どうなんだろう。
古渕さん教えて?

コマケーナと言われても、明日に続きます。



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ガラパゴス諸島から来た日本語教師 tamadoca
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