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日本語教師日記208. 職住が少し離れました(駄)

1月末から3月末にかけて、親戚と生徒たちがたくさん日本に遊びに来ます。
生徒が4カップル8人、親戚グループ①は四人、②は二人です。うち、②の二人は2週間我が家に泊まってくれます。
娘たちもそれぞれ休暇を取って泊まりにくるそうです。
布団がない。
いやそれはレンタルで良いですが、大人六人が寝るところがないです。
プライバシーも保証してあげたいので、自分たちの寝室を二人に使ってもらい、それぞれの部屋に、なんとか大人四人が分宿することになりました。

私の使命は、
「片付けようと思いついた時しか入ったことがない自室」
を、いよいよ昼間は仕事部屋、夜は寝られるようにすることです。
気が遠くなりました。

私の狭い5畳の部屋には、娘たちから
「置くとこないから置いといて」
と言われている預かった物がいろいろあって、見るだけで精気を奪われています。

片付け本によると、同じものを二つずつ持っているのはNGだそうなのですが、文房具は二つずつどころか一生分あり、また、出来心で買ってしまった「リファカラット」が何回も出てきて、思い出したくないのでがっくりきます。

少しずつしかやっていませんが、片付けは疲れますね。

「片付けているうちに意識が遠のいて、タイムスリップして、
次に目が覚めた時は1ヶ月後で、すごく綺麗に片付いていた」

ということにならないものかと、本気で願っています。

私は去年の5月から、仕事はずっとLDKのダイニングテーブルでやっていました。ご飯を食べる時はあたふたと、テーブルの上一面に広げてしまった仕事道具を片付ける。
翌日も(使ってすぐ片付けないため)いろいろなものがじわじわ広がり、前日と同じことになります。

この状況下、夫はよく抜き足差し足で側を通りぬけ、ヘッドフォンをしてテレビを見たり、コーヒーを淹れたりしています。
土日祝日も私は仕事が少しずつあり、いつもダイニングテーブルに頑張っているので、夫も休日に寛げなくて、申し訳なく思っていました。

で、親戚が泊まりにくるのをいいきっかけとし、仕事場を自室に移すことにしましたのでした。

ちなみに私には、1階のLDKで仕事がしやすい理由がありました.

私のレッスンでは休み時間が5分か、よくて10分しかありません。

はいでは、また来週ね〜

と画面の向こうにゆったりと手を振ってから、接続を切ると、ガタガタッと立ち上がり、電気ケトルをオンにし、走ってトイレに行き、お茶を淹れたり水筒に水を補給して、また涼しい顔で

「おはようございます。そっちは夜ですか。今日も頑張りましょう」

などと言う生活。
なので、水回りその他がぎゅっと詰まっていて、思いつきで何かを手にしたいときにすぐそうできる、そういう生活臭のある場所の方が動きやすいと思ってきたのです。
隙間時間に掃除したり、洗濯、風呂掃除などもしたい。
1階にいると、そういうことがすっとできます。

でも、せっかく小さいながら自室があるので、片付け始めたからには、職住を分けて、仕事に集中したくなりました。

幸いなことに片付け出して1週間で、仕事は完璧に自室でできるようになりました。階段の上り下りも、すごくするようになりました。今までは、起きたら1階に降り、よほどのことがなかったら、寝る時にならないと2階に行かなかったのでした。

行ったり来たりするときは、カゴの中にiPadや携帯、姿勢をよくするクッションなどを入れて移動します。


さて、こうなってみて問題になったのは、顔をどっちに向けてレッスンをするか、ということでした。

一番いいのは、一面だけ薄いピンクの壁紙にしたのを背にすること。
でもダメでした。それだと、目の前の長いテーブルに重なっている未整理のものが目に入り、気が散ります。

窓の方を向くと、生徒からは私の背面一面が、本箱です。これは、生徒が落ち着かないでしょう。

長いテーブルを背に、自分がピンクの壁に向くと、例の、ごちゃごちゃまだ積んである未整理のものが、生徒から見えます。
恥ずかしいです。

結局、窓を背にして本箱に向かってレッスンをしていますが
いや、落ち着かないです。

私は目からの雑音と言われるものに物凄く弱いのです。
目に入ったものに、集中力を奪われてしまうのです。

本箱を見ていると、

(ああ、あれもまだ読んでない。死ぬまで読まない気がする)
(ああ、あんなところにリコーダー。いつ吹くことがあるだろう)
(ああ、アルバムは本箱じゃないところに入れたい。
でもそうすると二度と手に取ることはないだろうなぁ)

といろいろな雑念が湧きます。

生徒の皆さん、このごろレッスンのクオリティが下がってきたように感じても、それは先生のせいではないし、みなさんの気のせいです。


座る位置が決まるまでは、何回も丸テーブルの周りをぐるぐるしてしまいました。


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ガラパゴス諸島から来た日本語教師 tamadoca
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