エッセイ277.God Save the Queen(2)
昨日、2022年9月10日の夕方、食い入るようにしてテレビを見ていた夫。
何かと思えば、それはライブ中継で、チャールズ皇太子の即位の宣言の事務的手続きなのでした。
しゃきしゃきと歯切れのいい話し方の若い女性が、司会をしています。この役について日も浅いということですが、立派です。ご家族親戚一同は、いつまでもこのことを語り継ぐことでしょう。
日本語教師のくせに滑舌の悪い私などには、到底つとまらないことです。
頼まれませんけど。
夫が見ていたのはこういうものでした。
【王位継承評議会は、枢密院(現職・元職の下院議員幹部のほか、貴族などで構成される)、上級官僚、英連邦諸国の代表(高等弁務官)、ロンドン市長などからなる。評議会には現職のリズ・トラス新首相をはじめ、存命の首相経験者6人や野党・労働党のサー・キア・スターマー党首、カミラ王妃、ウィリアム皇太子らが出席した。
評議会は、エリザベス女王の死去とチャールズ国王の即位を宣言。この後、新国王がエリザベス女王の死去は「取り返しのつかない喪失」だと述べた上で、自分が「王権の重責」を担うにあたり、「憲法にもとづく政府を維持し、この島々と連邦と世界各地の英領における人々の平和と調和と繁栄を目指す」ため、母エリザベス女王による「目覚ましい手本にならうよう努力する」と述べ、宣誓書に署名した。】
なかなかチャールズ新王(エリザベス女王の死去で自動的に次の英国国王になっていたのだそうです)重々しい立派な喋り方。
英国王室が大好きな夫が、いろいろ解説してくれます。
なんか誰かが「これでよろしいですか?」と言うと、チャールズ王が、
Approved.(承知いたした)
と一言、言うのだそうです。
....Approved.
.......Approved.
なかなか かっこいいです。
私:あっ、新しい首相だ。女王が亡くなる直前に承認したんだよね。
女王も偉かったけど、この人もウエストがきゅっとしていて偉いね!
夫もいろいろ気が付きます。
夫:うお、見てごらんよチャールズの署名の仕方。
私:あっ、本当だ、なかなか大胆で、ためらいがないよね。
夫:あっ、ドボンとインクにつけるタイプのペンだ。
あっ、君今の見た? チャールズはポケットにペンを入れてしまったよ。
私:もともと自分のなんじゃないの?
でもインクが服につかないか、心配よね!
とか言ってるうちに、あ〜、カミラさんもサインをしている。
この人このあとずっと、
「王と結婚したからなった(だけの)王妃」
って、呼ばれちゃうんだよね。
なんか、嫌だろうね。
(Queen of Consortについては、昨日の記事を見てきてくださいませ)
しかしこの人もかたくなに、あのヘアスタイル変えないよね。
ダイアナもこの人も、髪型は、疲れた松田聖子ちゃん(初期)みたいだよね。
あっ、夫おっと、このつるっぱげの人は誰?
夫:失礼な! 新皇太子となったウィリアムじゃないか。
私:えっまじですか。いや〜、いっちゃったね。
でも、コソコソごまかさないところが、えらいよね〜。
夫:そうね、えらいよね〜
我々夫婦はまるっきりスポーツがダメで、オリンビックもW杯も全く見ないのですが、こう言う番組はもう、口から泡を飛ばすようにしてよく喋ります。
子供たちが一緒に住んでいた頃は、よく、
おまーらうるさい!
と怒られたものでした。
今は好きなだけテレビ桟敷でコメントを入れられるので、嬉しいです。
こういうとき、なんかよくあるじゃないですか。
見ている人が勝手にどんどんコメントを入れて、それがテロップで流れるやつ。
ああいうのを導入して、キーボードから火を吹くような勢いで、
いろいろ余計なことを言ってみたいです。
女王様も、お亡くなりになるほんの数日前まで、首相を任命されたりして、25歳での戴冠からこんにちまで、あの重圧に耐え、いいお仕事をされてきました。
義母を通してたった「二次の隔たり」で、遠く日本からつながっていた、不祥わたくしも、(たまに)応援させていただいていました。
女王様、どうぞやすらかにおやすみください。
私とエリザベス女王様については、過去投稿をどうぞ。