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日本語教師日記183. 再開しますと言う生徒

オンライン日本語レッスンの生徒さんで、やめて行く人の特徴ははっきりとあります。
それは、次のレッスンを予約しないことです。
恋愛・友達関係でたとえるなら、次の約束をこちらがしたくても、
「落ち着いたらこちらから連絡する」
「会える日がはっきりしたらこちらから連絡する」
というに似て、多くの場合、自然消滅となります。

日本語レッスンの場合は、受けたい理由は相手方にあり、お金を支払うのもその人ですので、こちらとしてはその人のレッスンのやめ方について、要望する立場ではありません。
が、
やめます、さようなら!
と言ってくれた方が、その人のためになんとなく確保しているその日時を空けておかなくて済むので、助かると言えば助かります。
・・と言いながら、では門前市をなして生徒たちが詰めかけているかというと、そういうことは全く無い、と言っていいです。
そこが辛いところ。
そして、やめそうな雰囲気を出していたその人と連絡し合うことがなくなって1ヶ月も経つと、
(ああ、おやめになったのだな)
とわかりますから、次の生徒が希望すればそのコマは埋めてしまいます。


けれど、少し厄介なのは、やる気を見せてくれる人。

「いついつごろ(数週間先・数ヶ月先もある)にはレッスンを再開します」
というアナウンスメントをしてくれるのです。
それを言われちゃうと、やはりなんとなく、空けておくほうがよいであろうとこちらも思います。
で、ある日気がつくと、早や、半年経っている。

(やっぱりやめますよね?)
と察しをよくする必要がありますし、そこで相手に連絡して
「で? どうします? やめときますか?」
と、勝手口に現れる御用聞き(そんな人はもう絶滅しているでしょうが)
みたいなことをするのも、察しが悪いですから、しません。

こう言う人たちはなぜ、やるやる◯◯っぽくなってしまうのでしょう。

これは人間心理として、

やります、本当です。
・・・・でもすぐではない。
でも、やらないでもない。

であり(=想像)、一抹のエクスキューズのために、
やる気が無くは無い宣言
になるのかもしれません。

私の減量開始宣言、禁酒宣言、夜更かし撲滅宣言と同じと思えば、特段腹が立つと言うこともありません。

考えてみると、なかなかレッスン日時を固定しない人の理由としては、

この先続けられるか不安である
この先忙しくなりそうなので、予約をしておきたくない
(リスケジュールやキャンセルが面倒だし、
当日キャンセルのフルチャージになっても辛いとか?)

あるいは大変に多忙で、予定が常に流動的なので、直前に、確実にレッスンができるときに受けたいとか。

レッスンを固定しない理由は、人それぞれでしょう。

で、こういうグループの人の中に、連絡してくる時には常に平身低頭である、という人がいます。

先生!本当にすみません。
やると言ったのに。
いろいろ忙しくて連絡できませんでしたが、
前と同じレッスン時間は空いていますか?
本当にもう、ちゃんと勉強します。
宿題もします。
お返事を待っています。

熱がこもっています。
で、私も、大抵の場合はその人のコマは埋まっていなかったりしますので、

ご連絡ありがとうございます。
◯◯さんのレッスンスロットは確保してありますよ(ちょっと嘘)
再開できる日をお知らせください。

と返信します。

そしてまた半年後に、
(あれ?  ◯◯さんどうしたっけ?)
と思う、ということを繰り返しています。

再開してくれても、当日キャンセルが非常に多くて、理由も尽きてしまうタイプの人が、このグループではほぼ200%ですので、何ももう、そんなに申し訳ながらず、直前に
「今、できますかっ?」
でよろしいです。
むしろ、本当にできるときに連絡くださるので、
じゅうううううう〜〜ぶん、
です。

私最近、生徒がみんな年下で可愛くなり(=可愛く思うようになりと言うこと)、大抵のことは勘弁してしまいます。
でもそれも、ちゃんとやれば大きな達成感や満足感を得られる語学レッスンにおいて、その人のためにならないことは確かです。

それで、Agreement of your lesson
という、昔使ったものを思い出して、作り直してみました。

再録してみますね。

__________

レッスンについての合意書:

生徒の皆さんへ

これは、日本語レッスンを契約更新されるときにお送りしているものです。

授業料
一人1時間 につき ◯◯◯◯円 (2004年1月より)

キャンセル
当日キャンセルはフルチャージで申し受けます。
その日から1週間以内に可能な日時があれば振替レッスンとし、フルチャージとはなりません。
(規定の固定レッスンは受けていただきます)※1

支払い方法
月末にPayPalの請求書を送付します。
手数料はご負担ください。※2

固定レッスン日時
1ヶ月以上レッスンをお休みする場合は、前もってご相談ください。
日本時間8am~11amがご希望の駒である場合は、お待ちしていることができない可能性が高いです。※3

_________

解説します。

※1 ほとんどの人が週に1回のレッスンを受けてくれています。
ある週に、当日ドタキャン、あるいはかなりの確実で、連絡なく待ちぼうけをくらわせてくれる人たちは、高確率で、後から謝ってこられます。
全く音沙汰ない人もいます。

そしてたいてい、「次のレッスンを、振替にしてください」と言い、
それがまたキャンセル、それの振替もまたキャンセル、やがて全く姿が見えなくなる、と言う人がたくさんいます。
そういうのを私が受け入れてきたために、普通に結果として、
「当日キャンセルしちゃったけど、フルチャージされないで済んだ」
ということになってしまいます。
まあ私としては、教えなかったレッスンの授業料をもらうのも申し訳ないと感じてしまう方ではあるのですが、これをよしとしてしまうと、ラッシュアワーにその人のために取り置いた時間がロスになったままです。
他の、ちゃんとお支払いのある生徒さんたちに対しても、不公平です。
そこで、
振替は1週間以内、(どの日になろうと)翌週の授業は受けていただきます
ということにしました。
今までずるずるしていたツケが来ていましたので、頭を捻ってこういう決まりにしてみました。

※2 たくさんいる方のなかには、手数料を授業料に含める人がいて、これまた他の人に対して不公平になります。
最初に明記しておかなかった自分が悪いので、この先は手数料はいただくことにしました。

※3   これがまさに、「やるから先生同じ日時で待っていて」と言いがちな人たちに伝えたいことです。

申し訳ないながらこれは、

・固定日時を獲得しながら、毎回キャンセルの人
・車の中から授業を受ける人(全然集中できていません)
・顔を見せたくないと言ってビジュアル出演を拒否する人
(相手の表情を見て強弱の調整をすることができません)
・下着姿でベッドで寝ながら授業を受ける人(稀)
(who-zah-ken-na~と思います)
・カフェで、大いに気が散りながら受ける人
(お金と時間がもったいないです)
・日本語が上手くならない怒りを溜めていてぶつけてくる人
(気持ちがわかるだけに、冷たくできません)
・同様だが、鬱に近くなっていて毎回お慰めするために授業にならない人
(気持ちはわかりますが、似非カウンセラーになるべきではない)

・・というタイプの人に対する、私の精一杯の自衛策でもあります。

一人零細商店は結構大変ですというお話でした。


ご参考までに:






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