エッセイ235.帰省(3)事務処理は続く
Day3です。
再び姉と眼科へ行き、包帯を取ってもらい、眼科の駅の近くでランチをして帰りました。薬のせいかどうか、めまいがするのと腰がガクガクするので、電車は一本で行けますが、やっぱりついていきます。
帰宅してから、区役所から届いてまだ処理していなかった書類を見ました。
「介護保険料を取りすぎたので返します」とか、「見込みであれしたけど、この分は返します」とか、読んでもいまいちよくわかりませんが、とにかく、両親関係のものです。
それぞれの金額は低いのですが、返してくださるものはなんでもいただきましょう。5通にもなりました。あるものは、「処理に時間がかかるため、同じものが何通も届きますが、全てに記入して出してください」とあり、なんだか無駄な感じがするなぁと思いました。
夕方 姉と郵便局に行きます。ATMでの用事はすぐ済みましたが、姉が
「江戸常行かない?」
と言うので、また引き込まれてしまいました。
いや、自分達がなだれ込みました。
メニューがいっぱいあるので、昨日食べなかったものも食べられました。二人で行って分けると、いろいろ食べられていいですよね!
昨日は、江戸常のお母さんから「お姉さんは今日は?」と問われて、目の手術をしたばかりなので飲めませんと言いましたが、翌日は姉、血走った目をして来店。さすがに飲めないので気の毒でしたが、美味しい料理をたくさん食べて嬉しかったそうです。
Day4
実は、金土と、と夫が東京の事務所に来ていて、次女のアパートに泊まっていました。一回ぐらいどこかで会えるかなと思いましたが、実家でやっておきたいことがいろいろ見つかり、今日も夕方までおりましたので、会えませんでした。
姉は、1週間ぐらいは目に触ってはいけないし、シャンプーも禁止なので、美容院に出かけて行きました。顔にタオルをかけてシャンプーしてもらえば大丈夫でしょうと言うことで。
私はその帰りを待ちながら、親の魔宮(押し入れですけど)を探索します。父の介護ベッドのある居間は仏間でして、その周辺の押し入れに怪しい箱がいっぱいあるのです。母が生前、「お父さんは何にもわからないから! 私が全部わかっているし、あんたたちが困らないようにしていくからね」とよく言っておりましたが、15年ぐらい前からずっと認知症でしたので、全くもって、言葉通りになっていません。はい、結構困っています。必要な時に、知らなくちゃいけないことが全然わかりません。
私なんかこれで学び、もう自分のエンディングファイルを作ってしまいました。
世間によくあることだそうですが、父がいるときに家探しをしますと、疑心暗鬼になられてしまいます。お金や、旅立った後にどうすればいいかなども、訊くと機嫌を損ねそうです。
私の実家は父埋設による、多数の地雷が埋まっている地雷原なのです。私は何でも口にするのは平気ですが、言って解決することはありませんでした。
過去には、私がずばっと質問して父が激怒〜〜私は放逐・義絶〜〜姉はその後ずっと八つ当たりをされたことが何回もあります。
認知症の方ならば成年後見人を立てるのでしょうが、父は認知症ではなく、ただ理解力が低下し、寝たきりで口がきけないだけなので、「委任状」のいるものだと、大変こまります。後回しになる件があるのも、このためです。
そこで忍者活動です。父がショートステイでいない今がチャンスということになってしまって、私が家探しをすることになりました。埃の溜まりまくった押し入れの中を掻き出して、要らないものを捨て、99%ぐらい要らないと思えるけど、「あれを出せ」と言ってきたら困るので取っておくものにラベルを貼って戻すという作業。鼻は埃でムズムズ、体も痛くなってきて数時間。押し入れ上段は諦めました。
予想通り、見たこともない書類や証券が出てきます。
終わったの終わってないの?
やることやってない状態で放ってない?
貸金庫のカード。
申請書の控はあるけどカードはない。
内容が現状と違うので無効になるだろう、父の遺言状があります。
墨痕淋漓です。
立派だけど、たぶん無効です。
済んだか済んでいないか不明でありながら、実はすごく大事なことに関する書類も出てきてしまいました。
正直、みつけたくなかった。
両親が「もう済んだ」と言い張っていたのですが、
①書類を見ただけで激怒
②関係者と絶縁
③それが昔すぎて記憶の上書きが行われてしまった。
というのが、一番近いのかな?
そういうの多いんですよね、我が家。
無駄に演劇的空間なのです。
面倒臭すぎて、「もう知りません!」と言いたくなります。
母の縁者にも父の縁者にも、父の厳命で、母の訃報は行っていません。
なぜ隠す、父よ。
珍しいと思いますが、もともとひどく珍しい一家なので、仕方ありません。
美容院から帰ってきた姉とお茶をして、次女のアパートに向かいました。
B企業に勤める次女は今日も新入社員にして、ソロ残業。
事務所の鍵を閉める毎日で、今日も早く帰ってきて外食することになっていましたが、駅での待ち合わせは午後11時55分にもつれこみました。
あの辺、いろいろいいお店があるのですが、さすがにみな閉まっています。
幸運にも一軒だけ開いていた串揚げ屋さんに入りました。
見れば、男性が一人しかいません。オーダー取って、調理して、運んでくれます。私たちが帰ると一人で掃除をして鍵をかけて帰るのでしょう。お疲れ様です。申し訳ないながら、とても美味しかったので、小一時間はいたと思います。
深夜0時過ぎから一本勝負。食べ過ぎ飲み過ぎですね。
今よくレシートを見たら、26時まで営業ですって。すごいですね。
もうちょっとだけ続きます。